現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 7代目「フェアレディZ」プロト公開まで秒読み! 4代目~6代目の「FRピュアスポーツ」っぷりに改めて感動

ここから本文です

7代目「フェアレディZ」プロト公開まで秒読み! 4代目~6代目の「FRピュアスポーツ」っぷりに改めて感動

掲載 更新 8
7代目「フェアレディZ」プロト公開まで秒読み! 4代目~6代目の「FRピュアスポーツ」っぷりに改めて感動

平成から令和を駆け抜けた日産スポーツカーの歴史を紐解く!

 前編では初代から3代目までの歴史を紹介したので、今回は残る4代目から6代目(現行)。バブル期の勢いそのままに、エンジン、シャシーからエクステリア、インテリアに至るまで新たなるチャレンジを行った4代目のZ32型。リバイバルプランの立役者として、コストを低減しながら、スポーツカーとしての高みを目指した5代目Z33型。そして、ピュアスポーツとしての性能をさらに引き上げた6代目Z34型。平成から令和を駆け抜けた日産スポーツカーはどのような歩みをたどったのかを振り返りたい!

「買える」本物の「国産スポーツカー」! 走りも衝撃だった初代フェアレディZとは

【4代目・Z32型】専用シャシー&エンジンを採用した国産初の280psカー

 バルブの好景気という後押しと「1990年代までに技術の世界一を目指す」という901活動による技術革新よる恩恵を受けて’89年登場の4代目フェアレディZ(以下Z32)はスポーツカーとして大きな飛躍を遂げることになる。

 専用シャーシの採用で、スタイリングは先代までのロングノーズ、ショートデッキからショートノーズのワイド&ローの3ナンバー設計となったことでトレッドが拡大。デザインはZ31後期型のイメージを踏襲するものの、ボンネットは低く、一体感のある伸びやかでエレガントなシルエットに刷新され、ヨーロッパ車に負けない洗練されたフォルムを手に入れた。また、2シーターと2by2をそれぞれ専用にデザイン(ボディも別)。これまでの間延びしたような2by2のスタイルが解消されたことで、人気が高まった。

 インテリアも直線的なシャープなデザインから曲線を基調とした包み込まれるようなタイトなものに刷新。ドアトリムやダッシュボード下にシートと同じ生地を配し、デザインの連続性を表現するなど、新しいチャレンジも多数盛り込まれ、欧州車の真似ではないモダンでスタイリッシュなスポーツカーに生まれ変わった。 エンジンは国産車初の280psの馬力自主規制到達エンジンとなったZ32専用のVG30DETT型(280ps/39.6kg-m)とVG30DE型(230ps/27.8kg-m)の2種類のDOHCエンジンを用意。サスペンションは最新の4輪マルチリンク式で、4輪操舵システムのスーパーハイキャスも装備した。ブレーキもフロント4ポット、リア2ポットの大型サイズが奢られるなど、Z31よりも1ランクも2ランクも基本ポテンシャルを高めている。

 ’92年には歴代フェアレディZとしては初となるコンバーチブルが追加(エンジンは3LのNAのみ)。ロールバーが残ったものの、解放感はTバールーフの比ではなかったが、残念ながらこのクラスで幌の開閉が手動であったこともあり、思ったほどの人気を得られなかった。

 先進的なスタイリングと高いパフォーマンスを誇ったZ32は発売当初こそ、販売は好調であったが、バブル崩壊の影響を強く受け、販売台数は徐々に低迷。そのため、廉価版のバージョンSやスポーティなバージョンRが投入されるなど、意外にバリエーションは幅広い。

 外観のリファインとコンバーチブル用の補強ボディ採用という最後の改良が施された約2年後の’00年9月に生産を中止。’69年から続いてきたフェアレディZの歴史はいったん途切れることになる。

【5代目・Z33型】華麗なる復活! 毎年進化し続けたピュアスポーツ

 Z32の生産中止からわずか数カ月後の’01年1月の北米デトロイトショーでプロトタイプが披露され、早期の復活をアピールした新型フェアレディZ(以下Z33)。2001年10月の東京モーターショーで最終プロトタイプが発表された後、’02年7月に国内販売を開始した。アメリカでは先行予約が開始され、発売前に8000台を受注。いかにアメリカ市場でZ復活が待ち望まれていたのかがうかがい知れる。

 切れ長のフロントヘッドライト、センターコンソール上の丸型3連メーターなど初代S30Zをオマージュしたデザインを内外装に採用し、Z復活を高らかにアピール。S30Zから受け継がれたのはスタイルだけでなく、「高性能を誰でも手に入れられる価格で」というコンセプトも踏襲している。

 そのため、Z32のような専用シャシー&専用ボディを止め、スカイラインと共通のFR-Lプラットホームをショートホイールベース化して採用。エンジンもVQシリーズから最大排気量のVQ35DE(28ps/37.0kg-m、ミッションは6速MT/ 5速ATに進化)をチョイスし、サスペンションも11代目スカイラインと共用化している。さらには2by2のボディを廃止し、2シーターに1本化するなど開発費を低減することで、ベース車はZ32よりも安い300万円~を実現した(北米では3万ドル~)。

 また、「Zは毎年進化する」と発表時に当時の開発責任者である湯川伸次郎氏が宣言したとおり、’03年には先代のコンバーチブルに変わるオープンモデルのロードスターがリリース。トップの開閉が手動式から電動式に変更されたことが何よりのトピックだ。

 同年には全日本GT選手権参戦用のホモロゲーションモデルである「タイプE」、タイプEのエアロパーツをまとい、300psまで出力を高めたニスモのコンプリートモデル「SチューンGT」も登場。

 ’05年には馬力の自主規制撤廃を受けて、294ps(MT車のみ。トルクは35.7kg-mにダウンし、高回転型に)に、’07年1月にはシリンダーヘッドに改良を施したVQ35HRを搭載(ボンネットにはバルジが設けられたことで識別可能)され、スタンダードモデルも30psを上回る313psに到達。同年6月に発売となったコンプリートカー、バージョンNISNO Type380RSに至っては350psを発揮した。

 加えて、デビュー当時チープと言われたインテリアも’05年に質感をアップし、車格に相応しいクオリティを備えるなど、スポーツカーとして最後まで一線級を保ち続けた。

 無駄をそぎ落とし、合理化が進められた一方で、S30Z以来のピュアスポーツへと原点回帰したZ33は、日産のV字回復のイメージリーダーとして大きな役割を果たした。現在は性能に対して中古車価格が安く、FRスポーツ入門車としてもオススメの1台である。

【6代目・Z34】ショート&ワイド化でさらにポテンシャルをアップ!

 2008年12月にフルモデルチェンジしたフェアレディZ(以下Z34)はスタイリングはキープコンセプトとしながら、ホイールベースを短縮、全幅を拡大するなどショート&ワード化。キャビンが後退し、エンジンを中央に近づけることで重量配分を改善するなど運動性を高めるレイアウトになるなど、シャシーをキャリーオーバーしながらピュアスポーツカーとしての素性を磨き上げた。また、横滑り防止装置のVDCやサイドエアバック、サイドビームなどを標準化したにもかかわらず、重量は先代並みに抑えている。

 エンジンはさらに排気量が増やされて3.7リットルに。バルブの作用角とリフト量を連続可変制御するVVEL機構を吸気側に設けることで、336ps/37.2kg-mを達成。ただし、むやみにパワーを追い求めたのではなく、低回転からレッドゾーン手前までフラットなトルク特性となっており、高回転になればなるほど勢いを増すのではなく、分厚いトルクでグイグイと走る印象だ。

 トランスミッションはATが5速から7速へと多段化。MTは段数こそ変わらないが、シフトダウン時に自動的にエンジン回転を合わせてくれるシンクロレブコントロールを用意。これはヒール&トゥーのようなテクニックがなくても、スムーズな走りが可能とするものだ。

 サスペンションはフロントがマルチリンクからダブルウィッシュボーンに変更され、前後のロールセンターを最適化。スタビリティを高めるとともにステアリング操作に対する一体感、気持ちよさが高められた。

 インテリアもZ33のイメージを踏襲しつつ、クオリティを高めた。ダッシュボードからドアまでラウンドされたデザインは秀逸。内外装、走りを含めて、クルマ好きをときめきさせるには十分な仕上がりだった。

 ’09年には高性能グレードのバージョンNISMOとオープンエアモデルのコンバーチブルを追加。前者は355ps/38.1kg-mでパフォーマンスを高めるとともに、専用エアロパーツとボディ補強パーツが組み込まれ、サスやパワステの特性までチューニングされるなど、トータルでパフォーマンスを引き上げた。

 後者はクーペとは異なるリアまわりのデザインの採用で佇まいはよりエレガントであったが、’13年9月に生産を終了している。

 Z33型のようにメカニズムに大幅に手が入れられることはなく、改良はエンジンやサスペンションのリ・チューニング、静粛性の向上、装備の充実などにとどまっているのは残念なところ。ただ、現在はスープラもあるが、長きにわたり、日本唯一の大型FRスポーツカーとしてGT-Rとともに世界のスポーツカーと真っ向勝負。最後の砦を守ったという意味ではその存在価値は高く評価されてもいいのではないだろうか。新型の登場が迫っている今、望むのは酷かもしれないが、限定車などで、最後のひと華を咲かせてほしいものだ。

【7代目・Z35(?)】まずは9月16日(水)の公式発表を見守りたい!

 その歴代最長となる12年というロングランを走り続けたZ34からバトンを受け継ぐZ35(?)。’20年5月の決算発表で公開されたシルエットを見る限り、デザインはZ33、Z34から続くキープコンセプトになる模様。

 エンジンは兄弟車のインフィニティQ60(スカイライン・クーペ)が搭載するVR30DDTT型であることは間違いない(環境と先進性を考えると3.5ℓ+ハイブリッドもラインアップの可能性あり)。

 ’20年9月16日にThe NissanNext.comでプロトタイプが公開となれば、発売は来年夏、遅くとも東京モーターショーの10月には間に合わせると思う。いずれにせよ、まずは9月16日のお披露目を楽しみに待ちたい!

こんな記事も読まれています

事故時の正確な場所を把握できる!GPSを搭載したネオトーキョーのミラー型ドライブレコーダー「ミラーカム3」
事故時の正確な場所を把握できる!GPSを搭載したネオトーキョーのミラー型ドライブレコーダー「ミラーカム3」
@DIME
まさかのMrs.GREEN APPLEが登場! 話題の新型車を語る!? どこが気に入った? ホンダ新型「フリード」の魅力とは
まさかのMrs.GREEN APPLEが登場! 話題の新型車を語る!? どこが気に入った? ホンダ新型「フリード」の魅力とは
くるまのニュース
[サウンドシステム設計論]高度な「パッシブシステム」を組んで1ランク上のサウンドを満喫!
[サウンドシステム設計論]高度な「パッシブシステム」を組んで1ランク上のサウンドを満喫!
レスポンス
【MotoGP】バニャイヤが直面する新たな課題……マルケス加入後のチームの手綱を握れるか? 「和を乱すな」と今からアピール
【MotoGP】バニャイヤが直面する新たな課題……マルケス加入後のチームの手綱を握れるか? 「和を乱すな」と今からアピール
motorsport.com 日本版
スペインGPで大失速のRB、オーストリアGPのFP1で2台のマシンで比較テスト実施へ。角田裕毅「明確な説明が得られればいいんですが……」
スペインGPで大失速のRB、オーストリアGPのFP1で2台のマシンで比較テスト実施へ。角田裕毅「明確な説明が得られればいいんですが……」
motorsport.com 日本版
ホンダ「新型ヴェゼル」登場! めちゃ精悍「“スポーティ”仕様」がカッコイイ! デザイン刷新の「フル無限カスタム」も設定
ホンダ「新型ヴェゼル」登場! めちゃ精悍「“スポーティ”仕様」がカッコイイ! デザイン刷新の「フル無限カスタム」も設定
くるまのニュース
VW新型「ゴルフR」世界初公開! 333馬力・最高時速270kmの最強ゴルフは「光るVWエンブレム」初採用
VW新型「ゴルフR」世界初公開! 333馬力・最高時速270kmの最強ゴルフは「光るVWエンブレム」初採用
VAGUE
マツダとヤマハ発動機、認証不正で出荷停止のロードスターRFなど 7月以降に順次生産再開へ
マツダとヤマハ発動機、認証不正で出荷停止のロードスターRFなど 7月以降に順次生産再開へ
日刊自動車新聞
VWゴルフGTIのセダン版『ジェッタGLI』に改良新型、228馬力ターボに6速MT…米国発表
VWゴルフGTIのセダン版『ジェッタGLI』に改良新型、228馬力ターボに6速MT…米国発表
レスポンス
【公式動画】アストンマーティン F1アロンソの熱望から誕生したQ By Aston Martinビスポークのヴァリアント・ヴェラールが新たな系譜に加わる
【公式動画】アストンマーティン F1アロンソの熱望から誕生したQ By Aston Martinビスポークのヴァリアント・ヴェラールが新たな系譜に加わる
Auto Prove
トヨタ「アルファード/ヴェルファイア/プリウス」オーナーに朗報! 純正ナビのテレビ視聴やナビ操作が便利になるTVキットが新登場
トヨタ「アルファード/ヴェルファイア/プリウス」オーナーに朗報! 純正ナビのテレビ視聴やナビ操作が便利になるTVキットが新登場
Auto Messe Web
3週間ぶりのMotoGP! オランダGPのFP1はバニャイヤがトップタイム。来季チームメイトのマルケス2番手続く
3週間ぶりのMotoGP! オランダGPのFP1はバニャイヤがトップタイム。来季チームメイトのマルケス2番手続く
motorsport.com 日本版
ブガッティの新たなハイパースポーツカー「トゥールビヨン」が登場。V16エンジン+3モーターで1800psを発生!
ブガッティの新たなハイパースポーツカー「トゥールビヨン」が登場。V16エンジン+3モーターで1800psを発生!
Webモーターマガジン
[15秒でわかる]BMW『M2』改良新型…小さな車体でも中身は狂暴
[15秒でわかる]BMW『M2』改良新型…小さな車体でも中身は狂暴
レスポンス
本州―四国「しまなみ海道」高速バス攻めの“特急化” 運行ルートがらり変更! 新幹線接続 JR松山駅は“廃止”
本州―四国「しまなみ海道」高速バス攻めの“特急化” 運行ルートがらり変更! 新幹線接続 JR松山駅は“廃止”
乗りものニュース
7年ぶり全面刷新! 新型「迫力顔SUV」初公開! 斬新グリル&直6エンジン搭載の「大きめ高級車」! 豪華内装の「X3」欧州で発表
7年ぶり全面刷新! 新型「迫力顔SUV」初公開! 斬新グリル&直6エンジン搭載の「大きめ高級車」! 豪華内装の「X3」欧州で発表
くるまのニュース
テオ・プルシェールがインディカーで残した爪痕。復帰への道筋と後任ノーラン・シーゲルの才能
テオ・プルシェールがインディカーで残した爪痕。復帰への道筋と後任ノーラン・シーゲルの才能
AUTOSPORT web
ゴルフにポロにルポにup!に……VWの「GTI」はやっぱり熱いぜ! 時代時代のクルマ好きを歓喜させた歴代モデルとエキサイティングなその中身
ゴルフにポロにルポにup!に……VWの「GTI」はやっぱり熱いぜ! 時代時代のクルマ好きを歓喜させた歴代モデルとエキサイティングなその中身
WEB CARTOP

みんなのコメント

8件
  • 嬉しいんだけど、投資家、株主向けのパフォーマンスなんだろうな。
    発売は23年とかかな?欲しいなー
  • 発売じゃ無くプロトタイプの公開くらいの事で此処まで勿体ぶった演出は要らないだろう。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

539.9920.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

35.03300.0万円

中古車を検索
フェアレディZの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

539.9920.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

35.03300.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村