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ユニークさが強める説得力 アルファ・ロメオ・ジュリアへ試乗 3度目のアップデート

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ユニークさが強める説得力 アルファ・ロメオ・ジュリアへ試乗 3度目のアップデート

登場から7年目に3度目のアップデート

アルファ・ロメオ・ジュリアが登場してから7年が経過した。一般的なモデルの場合、そろそろモデルチェンジを向えてもいい頃だ。スタイリングは時代の変化を感じさせるようになり、車載技術にはアップデートが必要になってくる。

【画像】ユニークさが強める説得力 アルファ・ロメオ・ジュリア 競合クラスのサルーン GTAmも 全122枚

ただし、少しクラシカルな雰囲気を漂わせていた方が魅力的に映る場合もある。イタリアン・サルーンは、その最たる例だと思う。

そんなジュリアは、2023年仕様として3度目のアップデートを受けた。新しいコンパクトSUV、トナーレとイメージが重なる3連のLEDヘッドライトが、外観でのわかりやすい違いになる。アルミホイールのデザインも一新されている。

インテリアでは、メーターパネルがモニター式へ変更。エンジンは、英国仕様では280psを発揮する2.0L直列4気筒ガソリンターボのみへ、選択肢が絞られた。ティーゼルターボは、もはや選べない。

2.7L V6ツインターボの高性能なクアドリフォリオも、現在はラインナップから落ちている。だが、こちらは2023年の後半には復活するという。

モデル後期のフェイスリフトとして、さほど意欲的な内容とはいえないだろう。しかし、最新テクノロジーを満載した、まったく新しいバッテリーEVのジュリアの開発も進んでいる。アルファ・ロメオの最新サルーンに、注目が集まる日は遠くないかもしれない。

能力の6割での走りが最もバランスする

一方、多くの自動車メーカーがダッシュボードから実際に押せるハードボタンを省き、タッチモニターへ集約し、四輪駆動でハイブリッドのSUVへ力を込めるなかで、現行のジュリアはユニークさを強めている。よりシンプルな技術に、惹かれることも事実だ。

フェイスリフト後のジュリアは素晴らしい。従来どおり。

ドライビングポジションは低く理想的で、前後左右の視界も良好。インテリア素材の一部には価格にそぐわないものも含まれるとはいえ、製造品質は高くソリッドだ。

車線維持支援システムをオフにするスイッチや、インフォテインメント・システム用のロータリーダイヤル、エアコンのノブなど、慣れ親しんだインターフェイスがうれしい。わずらわしい、タッチセンサーは見当たらない。

メーターパネルはモニター式になったが、グラフィックは従来的な丸いメーターで見やすい。1960年代風のグラフィックも選べるという。

一般道を走り始めると、1429kgという軽い車重のおかげで、280psの最高出力をしっかり体感できる。ステアリングはクイックながら、重心の低いシャシーと相まって、過剰には感じられない。ドライバーとの一体感を伴って、タイトに反応する。

ジュリアの能力の6割くらいで走っている時が、最もバランスが取れている。乗り心地はしなやかで安定していて、コーナーを勢いよく旋回でき、幸せを感じる。

サスペンションは必要以上に硬くなくていい

そこからペースを速めると、魔法が掛けられたように気持ちが惹き込まれる。フロントタイヤを軸にするような、敏捷な身のこなしが気持ちいい。徐々にリアタイヤが外に流れ、コーナー出口へ向きを整えられる。

そのタイミングでアクセルペダルを踏み込み、スタンスを調整できれば完璧。しかし、どのドライブモードを選択しても、トラクション・コントロールの厳しい監視からは逃れられない。介入は滑らかなものの、少々慎重すぎる。

新しいコンパクトSUVのトナーレはオフにできるのだが、この数少ない不満はアップデートされなかった。ストロングポイントが、それを上回るけれど。

ジュリアは、スポーツサルーンのサスペンションが必要以上に硬くなくていいことを証明している。試乗車のヴェローチェには19インチ・アルミホイールが履かされ、路面からの衝撃がやや強かった印象だが、乗り心地はしなやかだ。

通常のダンパーでも、減衰力に不満はない。アダプティブダンパーも試してみたが、ナチュラル・モードでは快適性で若干劣る。スポーツ・モードでは、明確に引き締まった印象までは得られない。あえて選ぶ必要性は、高くないかもしれない。

4気筒ターボエンジンのサウンドは、聞き惚れるほどではない。それでも、デジタルサウンドで補強されずに直接耳に届くから、不自然さがなく好ましい。

ZF社製の8速ATは、エンジンとの愛称が完璧。豪華な金属製シフトパドルの動きに、小気味よく反応してくれる。

周囲とは少し違うこれまで以上の説得力

アップデートを受けたジュリアの英国価格は、エントリーグレードのスプリントで4万3259ポンド(約696万円)から。ヴェローチェとエンジンは同じだが、リミテッドスリップ・デフは装備されない。BMW 320i Mスポーツと並ぶ価格で、訴求力はある。

BMW 3シリーズを選びたい人が多いことには、筆者もうなずける。特に、燃費に優れるプラグイン・ハイブリッドや、荷室が広く実用的なステーションワゴンをこのクラスでご希望なら、最有力なチョイスといえる。

しかし、4ドアサルーンで周囲とは少し違うモデルをお考えなら、アルファ・ロメオ・ジュリアは見逃せない存在だと思う。アップデートで、これまで以上の説得力を獲得している。

アルファ・ロメオ・ジュリア・ヴェローチェ(英国仕様)のスペック

英国価格:4万7759ポンド(約768万円)
全長:4643mm
全幅:1860mm
全高:1436mm
最高速度:239km/h
0-100km/h加速:5.7秒
燃費:13.3-13.5km/L
CO2排出量:167-169g/km
車両重量:1429kg
パワートレイン:直列4気筒1995ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:280ps/5250rpm
最大トルク:40.7kg-m/2250rpm
ギアボックス:8速オートマティック

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