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2024年からの”タイヤウォーマー禁止”廃案! しかしピレリのタイヤテストがスパで実施中……その効果はあるのか?

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2024年からの”タイヤウォーマー禁止”廃案! しかしピレリのタイヤテストがスパで実施中……その効果はあるのか?

 F1ベルギーGPの2日後から2日間、スパ・フランコルシャン・サーキットではピレリのF1タイヤ開発テストが行なわれている。このテストは、2024年からの導入が予定されていたタイヤウォーマーを必要としないドライタイヤ開発のために設定されていたモノであり、アストンマーチンとマクラーレンが走行を担当している。

 しかし先週金曜日に行なわれたF1委員会で、タイヤウォーマーの使用を2024年から禁止する案が否決。2025年に向けて再検討されることが決まった。

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 しかもこの2025年からは、タイヤサプライヤーが変わる可能性がある。現行のピレリと共に、ブリヂストンも2025年以降の独占供給契約の入札に参加したと言われており、もしブリヂストンが権利を勝ち取ることになれば、ピレリが開発中のタイヤウォーマーを必要としないF1タイヤはお蔵入りとなる可能性がある。

 ただ、F1委員会の決定からスパでのテストまでは日数が短く、テストプログラムの変更は不可能だった。そのためピレリは当初の予定通り、開発中のタイヤウォーマーなしのタイヤのテストを行なっている。

 このピレリのタイヤ開発テストは、夏休み明けのイタリアGP後でも予定されているが、2024年の終盤に到達すると予想されるダウンフォース量に対応した、タイヤウォーマーを必要とする2024年用タイヤのテストに充てられることになるだろう。

「タイヤウォーマーを使わないタイヤの導入が2025年に延期されたことが分かったので、来年に向けて現在のタイヤに何らかの修正を加える必要があるかどうかということも、理解する必要がある」

 ピレリのF1責任者であるマリオ・イゾラは、テストプログラムについてそう語った。

「計画を全て見直す必要がある。2024年も我々はF1にいるので、その2024年に向けたタイヤを考慮する必要がある。もし来年に向けて、コンパウンドの改善やラップタイム差の微調整をするために、現在のタイヤに何らかの修正を加える必要があるなら特にね」

「2025年も我々が担当することが確定すれば、タイヤウォーマーを必要としないタイヤも改めて開発する必要があるし、ウエット系のタイヤをどうするかも考えなければいけない」

■イタリアGP後のもテスト実施

 イタリアGPの後に予定されているテストに向け、プログラムを変更する時間はあるのかと尋ねられると、イゾラは次のように語った。

「それは良い質問だ。確認しなければいけないが、私にはまだ分からない。しかし、我々には夏の間のシャットダウンというモノはないから、いくつかのプロトタイプを用意することはできる」

 なお今回のスパでのテストも、ベルギーGPに続いて雨に見舞われているようだ。そのため、”意味の少ない”2024年用のドライタイヤのテストではなく、ウエットタイヤやインターミディエイトタイヤのテストに活かされているはずだ。

「火曜日から水曜日にかけて、雨が降ると良いなと思っている」

 イゾラはベルギーGPの週末にそう語っていた。

「現在のインターミディエイトと、来年使いたいと思っているインターミディエイトを比較できる可能性もある。そうなれば良い機会だ」

 走行するのは2台のみであるため、コース上の水捌けが良いとは言い難い。一方で走行台数が少ないことで、マシンから巻き上がる水飛沫が問題になる可能性はほぼないはずだ。つまりウエットタイヤでの走行距離も稼ぎやすいということになる。

「火曜日と水曜日に2台のマシンを走らせる場合、その2台のマシンを一定の距離を開いてコース上に送り出すこともできると考えている」

「つまりコース上でのコンディションは整っているということになるし、2種類のタイヤもテストすることができる」

「その場合、マシンは同じではないし、ドライバーも異なるということを考慮する必要がある。結果を分析する上で、それは考慮すべき変数だ」

■テスト参加チームにとってのメリットは?

 参加する2チームにとって、今回のテストがどれほど意味のあるモノになるかどうかは、現時点ではまだ未知数だ。

 アストンマーチンは、今回のテストでは水曜日にリザーブドライバーのストフェル・バンドーンを起用する予定だ。このことは、バンドーンが今後チームのシミュレータに乗る際の参考になるだけでなく、代役が必要となった時にすぐさまレースへ参戦するための準備の一環ともなるだろう。

 ただテストはピレリによって管理されるため、車両の構成については厳格な規則が存在する。

 一方マクラーレンはベルギーGPで、ハイダウンフォースレベルのマシンを走らせたことで苦労するシーンもあった。そのため本来なら、テストで低ダウンフォースレベルにしたマシンを走らせ、その比較を行ないたいところだが、それは不可能とされている。

 マクラーレンのアンドレア・ステラ代表は今回のテストの価値について、次のように語る。

「空気抵抗のレベルについては、実はあまり関係ない。走らせることができる別の構成があるわけではないからね」

「そうでなければ、レースの週末にその構成でここスパを走っていただろう。いずれにしても、レースイベント中に使った構成で(テストを)走る必要がある」

「テストの関連性については、日曜日の朝にエンジニアリング・ディレクターと、天気が良いことを期待していると話し合っていたんだ。将来的にはピレリに役立つ仕事ができると考えているけど、天候に少し左右されることになると思う」

 アストンマーチンのパフォーマンスディレクターであるトム・マッカローは、ピレリが2025年からのタイヤサプライヤーに決まり、同年からタイヤウォーマーの使用が禁止されることになれば、今回のテストは大いに役に立つことになるはずだと語った。

「我々はピレリと共に、タイヤのサポートと開発を常に検討している。我々はピレリが何をもたらすのか、常に興味を持っている。彼らは常にタイヤを供給してくれているんだからね」

「決定は金曜日に行なわれる予定となっていた。しかし1年後に、我々がそういう方向には進まない(再びタイヤウォーマー廃止が見送られる)なんて、誰が言えるだろうか?」

「様々な負荷のサーキットに行くことで、タイヤが様々な入力を受けることになる。そしてピレリが学び続け、タイヤを改善し続けるのは有益なことだ」

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