ランボルギーニにとって、クゥンタッチは特別なモデルであり、永遠のアイコンでもある。このレガシーに敬意を表すように、初代モデルの誕生から50年という記念すべき年に最新のデザインとテクノロジーを採用し、21世紀版に進化したクゥンタッチをデビューさせた。(Motor Magazine2021年10月号より)
日本だけしか通用しない車名「カウンタック」
日本で1970年代の後半に起こったスーパーカーブームでカリスマ的な存在であった「ランボルギーニ カウンタック」だが、この「カウンタック」という名前は、実は日本でしか通用しない。
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できるだけ発音記号に近いカタカナ表記のイタリア語では「クゥンタッチ」、アメリカ英語では「クゥンターシュ」である。後述する今回のモントレーでの記者会見では、CNNのアメリカ人レポーターが「クゥンターシュ」と発音しているのに対して、イタリア語の堪能なランボルギーニのステファン・ヴィンケルマン社長は「クゥンタッチ」と発音していた。
現在、巷では「クンタッチ」と記述されているが、この原稿ではヴィンケルマン社長と同じ「クゥンタッチ」と記述する。
このクゥンタッチが1971年のジュネーブショーで公開されてから2021年でちょうど50年が経過するが、ランボルギーニはその復刻版として新たにクゥンタッチLPI800-4を開発、8月13日にモントレー オートウィーク中に開催されるザ・クエイル・モータースポーツ・ギャザリングでワールドプレミアを行った。
多くの報道陣の前で公開されたニュークゥンタッチについて、ヴィンケルマン社長は「デザインはオリジナルに敬意を表したものになっていますが、単なる懐古趣味ではありません」と語った。確かに、ワンモーションの基本ボディライン、そしてフロントウインドウ下のラインやノーズ部分は非常に良く似ているが、リアエアスクープなどを除去したサーフェスは当然のことだが、かなり現代的な仕上がりを見せている。
フルカーボンファイバー製モノコックボディのサイズは、全長4870mm×全幅2099mm×全高1139mm、そしてホイールベース2700mmと初代よりもひとまわり大きく、空車重量は1595kgと発表されている。
6.5L V12に48Vマイルドハイブリッドシステムを搭載
モデル名のLPは、縦置きエンジン&ミッドシップ、I(アイ)はハイブリッドを意味している。搭載されるパワートレーンは、6.5L V12自然吸気エンジンで、最高出力は780ps、最大トルクは720Nmを発生、さらにISGによる48Vマイルドハイブリッドシステムを搭載している。
組み合わされるトランスミッションは、7速AMTでハルデックスクラッチを介して4輪を駆動する。組み込まれるタイヤは、ピレリPゼロコルサでフロントに255/30ZR21、リアには355/25ZR21の前後異なるサイズを履いている。
スタートから100km/hまで2.5秒、200km/hまで8.6秒、最高速度は355km/hで、この性能に対応させるため、フロントに6ピストンアルミキャリパー(ディスクサイズ400mm×38mm)、リアには4ピストンアルミキャリパー(ディスクサイズ380mm×38mm)カーボンセラミックブレーキが採用される。
これらのスペックから推測するとニュークゥンタッチのベースは、2019年のフランクフルトモーターショーに登場した「シアン」だと思われる。ちなみにこの「シアン」はランボルギーニ社の創立年が1963年であることから、63台が限定販売された。
インテリアは、アルカンタラで仕上げられ、基本的には4種類のトリムから選択することが可能だ。インフォテインメントは最新の8.4インチHDMIタッチスクリーンでの操作が可能となる。
このニュークゥンタッチは、112台の限定生産だが、この数字は初代クゥンタッチの社内プロジェクト名がLP112で、そのシャシナンバーが「1120001」から始まったことに由来している。
生産は間もなく開始される予定で、2022年3月までには最初のデリバリーが開始される。果たして日本への割り当てはあるのか、価格はいくらになるのかは、現時点では情報は届いていない。(文:木村好宏/写真:キムラ・オフィス、アウトモビリ ランボルギーニ)
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みんなのコメント
今に至って思えば、アヴェンタドールを選んで正解だった。
50年前のオリジナルデザインはカウンタックだけどね。