今や新車の3台に1台以上が軽自動車になっている
2020年の日本国内における乗用車の販売台数は380万9981台で、その内訳は普通乗用車 135万6163台(前年比85.5%)、小型乗用車 112万2669台(前年比90.9%)※1、軽乗用車 133万1149台(前年比90.0%)※2となっています。
※1日本自動車販売協会連合会調べ ※2全国軽自動車協会連合会調べ
コロナ禍によって前年比で約1割減となっていますが、ここで注目したいのは軽乗用車の台数が普通乗用車(3ナンバー車)にかなり迫っていること。すでに5ナンバーの登録車より軽乗用車が売れるのは当たり前で、軽乗用車のシェアは35%と、乗用車販売の3台に1台以上は軽自動車です。
軽自動車は安いから売れている、というわけでもない
これだけ軽自動車が売れる理由はどこにあるのでしょうか? 軽自動車でもっとも売れている「ホンダ N-BOX」の場合、廉価なグレードでも150万円~と、登録車に対して圧倒的に安いわけではありません。むしろ小型乗用車のほうが価格だけでいえば手が届きやすかったりもします。つまり、日本のユーザーは軽自動車ならではの価値を評価していると考えられるのです。
そんなユーザー心理に迫る興味深いアンケートの結果がホンダから公表されました。アンケートはインターネットで行なわれ、20~40代の男女500名が対象(年代別に均等割付)ということです。あくまでも軽自動車を日常的に運転しているドライバーが対象で、ホンダ車に限った調査ではない、というのもポイントで、軽自動車ユーザーの本音が垣間見えるのではないでしょうか。
ユーザーはどちらかというと運転のしやすさや走りを評価している
軽自動車のメリットをユーザーはどのように考えているのでしょうか。登録車オーナーからすると税負担や保険料などが圧倒的に安いことが最大のメリットとして捉えていると思うかもしれませんが、アンケートはそうではない結果となっています。
実際のユーザーが考える軽自動車のメリット第1位は「運転しやすい」で全体の76%(複数回答)。ちなみに第2位は「維持費が安い」で62%、第3位は「狭い道でも走りやすい」で60%が回答したということです。さらに「駐車がしやすい」(59%)、「全体的に小回りがきく」(58%)と、主に取り回しの良さを評価する声が多数を占めています。
現在の小型乗用車は5ナンバーサイズには収まっているものの、その全幅は規格ギリギリの1695mmとなっていることがほとんどで、駐車場を含めた日本の道路環境において、全幅1475mmの軽自動車の相対的な使い勝手の良さが評価されているようです。
また、このアンケートでは「ストレスなく坂道を登る」、「山道をすいすい走る」といった走行性能に対する高評価も集まったといいます。かつての軽自動車は、とくにNAエンジンでは非力さを感じることも少なくありませんでしたが、軽自動車でも可変バルブタイミング機構や常に適切な変速比にできるCVTが当たり前になり、NAエンジンでも走りに不満を感じるシーンは減ってきているのです。
その結果として、「今の軽自動車(自家用車)を買い替えるとして、次もまた軽自動車に乗りたい・検討したいと思いますか?」という質問に対して、85%がイエスと回答。最初は軽自動車で、慣れてきたら大きなクルマにステップアップするというのではなく、ずっと軽自動車を選ぶというトレンドになっているのでした。市場からの支持があって、台数が売れるから装備の充実したモデルが増え、また選択肢も広がっていくという好循環が、いまの軽自動車人気を支えているというわけです。
文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)
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みんなのコメント
普通自動車を入手できないため、そこにいくためのステップとして限定的なスペックのもと存在していた車が軽自動車であり、まさに日本だけのガラパゴス。
軽トラ以外の「軽自動車」は現在の優遇措置と軽規格を廃止し、乗員と歩行者の安全を最優先としつつ狭い道でも取り回しの良いサイズで車を作れば良いと思います。
元々の優遇する理由から考えると優遇する意味が無くなってきている。
優遇措置をやめるか、その分全体的に自動車税を引き下げてほしい。