現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > F1予選のトラフィック問題、ラップタイム制限では解決できない?「例えばラスベガスだと……」

ここから本文です

F1予選のトラフィック問題、ラップタイム制限では解決できない?「例えばラスベガスだと……」

掲載
F1予選のトラフィック問題、ラップタイム制限では解決できない?「例えばラスベガスだと……」

 FIAは9月のF1イタリアGP以来、予選時にアウトラップでスロー走行をしているクルマがアタックを妨害してしまうという問題に対し、対処を行なってきた。

 これまではアタックを終えてピットに戻る際に一定速度を保つよう求められていただけだったが、イタリアGPでは過度なスロー走行を避けるため、予選におけるラップタイム(正確にはピット出口・入り口に引かれたセーフティカーライン間のタイム)に制限が設けられた。

■ダニエル・リカルド、復帰は更に遅れアメリカGPに? ローソンの代役がさらに延長へ

 アウトラップも含めて、このタイムをオーバーしたドライバーにペナルティを科すというスタンスはイタリアGPでは功を奏した。タイトなストリートサーキットであるシンガポールGPではドライバーやチームが管理した方が良いと判断されたものの、日本GPでは同様のアプローチが採用された。

 こうした取り締まりはタイヤのオーバーヒートを防ぐためにゆっくり走りたいドライバーにとっては厄介だが、コース上のギャップを予測しやすくなるため、チームにとっては予選がやりやすくなったと言える。

 メルセデスのトラックサイドエンジニアリングディレクター、アンドリュー・ショブリンは次のように語った。

「みんなが同じタイムで走るようになり、予選のセッションが整理された。それこそFIAがそうしたアプローチをした理由だ」

「ニアミスしたり、接近スピードが非常に高かったりするケースがいくつかあった。しかし厄介なのは、非常に制約が多くなることだ」

「結局のところ、誰もがデルタを見ながら走り回ることになる。もし速いラップをしたかったら前のクルマのギヤボックスに近づき、ギャップが1秒に縮まった状態でラップを始めることになるからだ」

 ショブリンは今のところ、このシステムはメリットがデメリットを上回ると考えているが、ドライバーがタイヤに熱を入れるために速く走る必要がある場所では、このシステムは機能しないかもしれないと考えている。

 たとえば日本GPでは、アタックの最後までタイヤが保たなかったため、ドライバーたちはできるだけアウトラップをゆっくり走り、タイヤを冷やしてアタックしたいという状況だった。

 一方でラスベガスGPのように、気温が低くタイヤが適切な温度領域に入りにくいサーキットでは、ドライバーたちはよりアグレッシブにアウトラップを走るはずだ。

「FIAが言っているのは、(今のところは)どうなるか様子を見ようということだが、おそらくこれが長続きする解決策ではないことは彼らもわかっているはずだ」

 ショブリンはそう付け加えた。

「アジャストが必要な場所があるはずだ。(日本では)可能な限りゆっくり走りたかった。だからみんな同じことをしていたんだ」

「ラスベガスのようなコースでは、タイヤに大きなエネルギーを入れる必要がある。突然、それまでとは異なるレベルでプッシュするようになるのが分かるだろう」

「十分なギャップを見つけてマシンを送り出せなければ、少し難しくなりそうだ」

 FIAはトラフィックの問題を改善するため、今後もこの取り組みに手を加えていくようだが、すべてのドライバーがこの状況に満足しているわけではない。

 中でもフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)は否定的であり、日本GPでの取り締まりで予選フォーマット全体を変更する必要があるという考えを強めたという。

「(最大)タイムは機能しなかった」

「各車が十分な距離を開けられるだけサーキットは長いのに、ピット出口でギャップを作るためにたくさん待たされた」

「シンガポールでも言ったように、ハイブリッドのエンジンや、たった1周でオーバーヒートしてしまうタイヤの問題には簡単な解決策はない。このようなレギュレーションでは、この予選は時代遅れだ」

こんな記事も読まれています

ランクル300/250/70オフロード一気試乗
ランクル300/250/70オフロード一気試乗
グーネット
マクラーレン アルトゥーラ【1分で読めるスーパーカー解説/2024年最新版】
マクラーレン アルトゥーラ【1分で読めるスーパーカー解説/2024年最新版】
Webモーターマガジン
【最新モデル試乗】今や貴重品、メルセデス・ベンツCLE200クーペが演出する優雅で特別な「特別な時間」
【最新モデル試乗】今や貴重品、メルセデス・ベンツCLE200クーペが演出する優雅で特別な「特別な時間」
カー・アンド・ドライバー
トヨタのロバンペラが首位奪還、7本中6本で最速に。初出場勝田は苦境8番手/WRCポーランド
トヨタのロバンペラが首位奪還、7本中6本で最速に。初出場勝田は苦境8番手/WRCポーランド
AUTOSPORT web
【バイクの仕組みQ&A】チューブ入りタイヤとチューブレスタイヤ、いったい何が違うのか?
【バイクの仕組みQ&A】チューブ入りタイヤとチューブレスタイヤ、いったい何が違うのか?
WEBヤングマシン
Honda、着脱バッテリー式ポータブル電源「Honda Power Pod e:」発売
Honda、着脱バッテリー式ポータブル電源「Honda Power Pod e:」発売
カー・アンド・ドライバー
カローラより小さい!? トヨタの「小型クーペセダン」実車公開! スポーティカスタムがカッコいい「Yaris ATIV」タイでお披露目
カローラより小さい!? トヨタの「小型クーペセダン」実車公開! スポーティカスタムがカッコいい「Yaris ATIV」タイでお披露目
くるまのニュース
ルノー・ジャポン、代表取締役社長兼CEOに大極司氏が就任
ルノー・ジャポン、代表取締役社長兼CEOに大極司氏が就任
カー・アンド・ドライバー
【F1第11戦予選の要点】フェルスタッペンから0.888秒差。復調の兆しが見えないペレスの過酷な役割
【F1第11戦予選の要点】フェルスタッペンから0.888秒差。復調の兆しが見えないペレスの過酷な役割
AUTOSPORT web
こんなクルマよく売ったな!【愛すべき日本の珍車と珍技術】三菱渾身の合理的設計で生まれた5ナンバーミニバン[ディオン]の数奇な運命
こんなクルマよく売ったな!【愛すべき日本の珍車と珍技術】三菱渾身の合理的設計で生まれた5ナンバーミニバン[ディオン]の数奇な運命
ベストカーWeb
ファンティック「キャバレロ ラリー125」【1分で読める 原付二種紹介 2024年現行モデル】
ファンティック「キャバレロ ラリー125」【1分で読める 原付二種紹介 2024年現行モデル】
webオートバイ
新型フリード爆誕!~情報まとめ&新旧比較/ライバル比較~
新型フリード爆誕!~情報まとめ&新旧比較/ライバル比較~
グーネット
[カセットアダプター]最強の発明品説!? 旧車の純正カセットデッキでもスマホ音楽イケる魅惑の機械がスゴかった
[カセットアダプター]最強の発明品説!? 旧車の純正カセットデッキでもスマホ音楽イケる魅惑の機械がスゴかった
ベストカーWeb
ここまで広ければ不自由しない! 装備もバッチリなトヨタ タウンエースがベースのキャンパー
ここまで広ければ不自由しない! 装備もバッチリなトヨタ タウンエースがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
【ポイントランキング】2024年FIA F2第7戦レース1終了時点
【ポイントランキング】2024年FIA F2第7戦レース1終了時点
AUTOSPORT web
フェルスタッペンが0.4秒の大差で通算40回目のPP獲得。角田はQ3進出ならず【予選レポート/F1第11戦】
フェルスタッペンが0.4秒の大差で通算40回目のPP獲得。角田はQ3進出ならず【予選レポート/F1第11戦】
AUTOSPORT web
ロッキー/ライズやWR-Vと張り合えるクルマがない! なにやってるの日産! マグナイトがあるじゃないの!
ロッキー/ライズやWR-Vと張り合えるクルマがない! なにやってるの日産! マグナイトがあるじゃないの!
ベストカーWeb
バニャイアの完全なる土曜日。レコード更新のポールからスプリント独走優勝を果たす/第8戦オランダGP
バニャイアの完全なる土曜日。レコード更新のポールからスプリント独走優勝を果たす/第8戦オランダGP
AUTOSPORT web

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村