改造車、チューニングカーといえばNISSAN、と言われていたのは平成まで!? すっかり最近は影が薄く、さらにスカイライン・セダンなどの国内展開までやめるという報道まで流れ……。
しかし、日産魂はまだまだ健在。GT-R、フェアレディZ、スカイライン400R、そしてノートニスモにマーチニスモと遊べる素材はたっぷりある。チューニングやカスタムは盛り上がり続けている。
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文/加茂 新、写真/NISSAN
【画像ギャラリー】日産魂ここにあり!! GT-R、フェアレディZ、スカイライン400R……まだまだ魅力的な『遊べる日産車』たち
■GT-Rは人気ありすぎて高値安定!!
当初777万円という価格は高すぎると言われたが、現在は約1000万円がベース価格。14年前の物価を考えると決して高くはなかった
まずは日産といえばGT-R。
2007年に3.8L+ツインターボ+2ペダル(DCT)という衝撃のパッケージで登場。「オートマで走れるかよ!」(オートマではないが2ペダル)なんて声も当初は聞かれたが、レベルが違った。今や世界のレースのほとんどが2ペダル化されたが、国産車としてはその走りだったのだ。
発売当初のモデルはミッショントラブルが頻発したが、アフターマーケットで対策メンテナンスが確立されて初期モデルでも問題なし。2011年モデル以降は対策済みで、ノーマルでも問題なし。
エンジンパワーは2007年モデルで480ps。徐々にパワーアップして最新型は570ps。ベースは大きく変わっておらず、どちらもECU書き換えによるブーストアップで600~650psくらいは出せる。数十万円で600psオーバーとは、RB26では考えられない世界。
アフターのビッグタービンを組めば800psもスムーズに可能。上限は1200PSほどで、1000psオーバーはエンジン内部まで部品交換が必要でコストも覚悟。だが、特別なチューンではなくお金さえあれば可能だ。
「レヴェェェルが違うんだよ、コノヤロー!」
という日産自動車から、魂の叫びが聞こえてきそうなほどのキャパシティである。ブーストアップ程度なら、オイル交換だけでお買い物からサーキットまで使えてしまう。
エンジンはHKSから4.1Lキットが出ていて、1000ps超えを目指すなら4.1L+ビッグタービンとなる
その加速を可能にするのは伝統のアテーサE-TSを使った4WDシステム。この4WDのトラクション性能がすごい。
だからこそ、ケタ違いのパワーを出すことができる。オーナーも扱えるからこそ、またいじりたくなるわけである。チューニングをしたくなるパッケージなのである。
フロントにエンジン、ミッションはリアにあるトランスアクスル方式にすることで前後重量バランスを改善。エンジンパワーはもちろんだが、それはあとから高めることも可能。むしろこの駆動方式とトラクション性能こそGT-Rの凄いところ
さすが日産。この瞬間が日産車だね。と言いたくなる。
しかも、ミッションは大パワーを出しても全然平気なのだ。
■フェアレディZ Z33は一大ブームに。Z34はこれから!!
もう20年近く前のモデルである初期型。壊れにくく、チューニングパーツは豊富で遊びやすい。ネックなのは自動車税の高さか
復活したZ33(2002~2008年)で大ブレイクしたフェアレディZ。3.5L V6エンジンは高級感にあふれ、300万円台からの価格もあって大ヒットに。
意外にサーキットでも、ロングホイールベースのゆったりとした動きで「振り回せるクルマ」として人気。サーキットでスライドコントロールしやすいと年配層にも受け、草レースは大盛況。
チューニングパーツもあらゆるものがリリースされ、排気量アップやスーパーチャージャーまでラインアップされた。
HKSからはスーパーチャージャーキットがラインアップ。ノーマルに対して約100psアップが可能。キット価格は55万8800円
そして2008年Z34型に進化。エンジンは3.7L化され、ホイールベースは10mm短縮。トルクが増し、ショートホイールベース化で、キビキビ走れるようになった。マニュアル車の上位グレードには「シンクロレブコントロール」が装備。
Z33ベースのメーカーチューンドが380RS。専用チューンの3.8Lエンジンにエアロをまとった。現在はプレミア的価格がついていて、その速さはZ34をも凌ぐほど
エンジンパワーはECUチューンで引き上げられるが、過給器装着などの大幅なパワーアップは難しい。ECUと排気系チューンでほぼ完成。もともとトルクはあるので、あとはサスペンションやデフなどのファインチューンがメインとなる。
Zは33も34も、サスペンションはダブルウィッシュボーン&マルチリンクでしなやかに動き、車重は重いので段差に乗ってもボディが持ち上げられにくい。つまり乗り心地が極めて良い。結構バネレートを上げても足まわりはしなやかで街乗りからサーキットまで楽しめる。
■スカイライン400R
R33GT-Rのチューニングコンプリートカー以来数十年ぶりに「400R」の名を冠したスカイライン400R
スカイライン400R リア
NISMOが企画したR33GT-Rのチューニングコンプリートカー「400R」の名を、数十年ぶりに引っ張り出してきたスカイライン400R。V6 3.0L+ツインターボで405ps/48.4kgmというとんでもないパワーを発揮するセダン。ミッションは7速ATのみ。
とっつぁんセダンがそんなに馬力出して……と思われていたが、走るとこれが激速。もともと405psもあるのに、ECU書き換えによるブーストアップでサクッと450psは可能。パーツ点数はそれほど多くはないが、サスペンション、マフラーなどそこそこのパーツは揃っていて、十分にいじって遊べる。
実際サーキットを走るユーザーは多いとは思えないが、鈴鹿サーキットではエスプリの400Rがサクッと2分30秒を切っていて、これはとっつぁんセダンとしては相当速い。
まもなく詳細が発表になるというウワサの次期Z。これをみすえて各チューナーは400Rをいじってデータを集めているという
そして、注目はこのエンジンが次期フェアレディZに搭載されるというウワサ。幸いなことに400Rと同様の制御であればECUチューンも可能なので、フェアレディZにも期待が持てるというわけだ。
ちなみに先代スカイラインには2.0L+ターボのFRモデルがあり、「RSターボの再来!!」とチューニング業界では話題になったが、メルセデス系のエンジンで制御方法もそっち系だった。国産系チューナーではECUがチューニングできず、そのままなかったことになった……。
■マーチニスモ・ノートニスモ
マーチ ニスモ。走りのきれ味はなかなかのものだ
マーチとノートにはホットモデルの「ニスモ」が存在する。どちらも専用チューニングのエンジンが載り、ボディもブレースの追加などがされていて、マニュアルミッションが存在する。
速さ的に言えば1500cc/1600ccのNAエンジンなので知れているが、ニスモの名を冠するだけあって走りのきれ味はなかなかのもの。どちらのチューニングパーツはそこそこリリースされていて、インテーク、触媒、マフラーなどで、自分色に染めることも可能。ECUチューニングも可能で出力アップもできる。
サーキットでタイヤやブレーキパッドが減りにくく、走行会派が増えてきている。SCCN主催の「マーチ&ノートサーキットトライアル」は、マーチニスモとノートニスモだけによるタイムアタック大会で30台近いエントリーを集めるなど人気が高まっている。
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みんなのコメント
出来ればメンテナンスはノーマルと変わらず、そこそこトルク感が得られるぐらいの
ECUチューンやライトチューンが個人的には好みだ。他車とはちょっとの違いぐらい
いい。