V型12気筒を最も理解するフェラーリ
V型12気筒エンジンという存在へ、特別な思い入れを持つ読者もいらっしゃるだろう。バランスに優れ滑らかに回転する、内燃エンジンの頂点といえる。筆者もその1人だ。
【画像】フェラーリ550マラネロと812 GTS 575Mと最新812コンペティツィオーネも 全61枚
電動化技術の時代を迎え、永眠の宣告を伝えられる日は来るのだろうか。クリーンでグリーンなエネルギーに対する、過去の自動車技術の最後の砦ともいえるかもしれない。
V型12気筒を、最も理解しているのがフェラーリだ。アストン マーティンとランボルギーニ、ロールス・ロイスといったブランドも、V12エンジンを載せたモデルを販売している。だがフェラーリは、公道用モデルで最長の歴史を有する。
1970年代から1990年代にかけては、水平対向12気筒、ボクサーエンジンを作ってきた。それも実際は、広角のV型12気筒と考えることができる。
ただし、その時代のフェラーリはミドシップ・レイアウトを選んだ。 365 GT4 BBやテスタロッサなど。それ以前のフロントエンジンの2シーターと、世代としては分けて考えるべきかもしれない。
ボクサーエンジンが登場する以前、FRレイアウトでV型12気筒を搭載していたのは、1973年までの365 GTB/4 デイトナ。現行のモデル世代では、1996年の550マラネロが起点となる。
550は登場から25年が経過した。今回ご登場願った2台では、ダークブルーのフェラーリだ。もう1台、最新のFRモデルとしてダークグリーンの812 GTSを用意した。
四半世紀の間に、V型12気筒の味わいは変わったのだろうか。その進化を、比較で探ってみたいと思う。
バンク角65度の5474cc V12を積む550
AUTOCARが初めて550マラネロへ試乗したレポートでは、次のような印象が記されている。「スピードやスタイリングなどすべての面で、ミドシップの後継モデルが必要といえるでしょう。550が、その事実を示しています」
しかし、筆者が2000年に550を初めて運転した時の印象は、少し違っていた。当時試乗した場所は、英国のミルブルック自動車試験場。欧州屈指のテスト施設で、バンク角の付いた高速周回コースもある。
路面は荒れており、平滑でもない。240km/hを超えた辺りで、持ち込んだ550は耐えきれなくなるのではと想像した。ところが実際は、猛烈なスピードでも目立った恐怖感はなかった。
22年前の経験の浅さが、不安を生まなかったのかもしれない。それでも、550は遥かに安定していて、扱いやすいと感じたことは間違いない。
550のスタイリングは、当時ピニンファリーナ社に在籍していたデザイナー、ロレンツォ・ラマシオッティ氏が手掛けている。大きなグラスエリアを備え、ボンネットが長いプロポーションが特長といえる。筆者には、今でもとても魅力的に映る。
プラットフォームを共有した、2+2レイアウトの456とも、しっかり差別化されている。ホイールベースは100mm短縮されていたが、バンク角65度の5474cc V型12気筒は基本的に同じだった。
オールアルミ製シャシーで一新した599
フェラーリとしては、歴史に刻まれるべき重要な節目にもなった。ミドシップのスーパーカーへ傾倒していたマラネロが、V12エンジンを載せたFRの2シーター・グランドツアラーへ回帰したのだから。
同時に、550へ批判的な見方をする人も少なからず存在した。それを受けてか、サスペンションを引き締めたオプション、フィオラーノ・パッケージがすぐに選べるようになっている。
2年後には、英国では1万6450ポンドという高額オプション、ハンドリングGTCパッケージも追加された。1枚当たり10kgも軽くなるカーボンセラミック・ブレーキに、強化サスペンションを採用。フェラーリの本気といえる内容で、選ぶ価値はあったといえる。
2002年には大改良を受け、575Mマラネロへ進化。われわれが望む通りの、FRのフェラーリへ仕上がっていた。本質的には、8年前の550を受け継いでいたが。
現行の812 GTSに乗ってみると、V12エンジンを搭載したFRの2シーターであるということ以外に、550マラネロとの結びつきは殆ど感じられない。それは後継モデルとして2006年に登場した、599 GTBフィオラノが理由となる。
ピニンファリーナ社で腕を振るっていた、ジェイソン・カストリオタ氏によるスタイリングの599は、すべての面で新しかった。550マラネロでは、スチール製スペースフレームを骨格としていたが、599にはオールアルミ製シャシーが与えられていた。
この続きは後編にて。
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みんなのコメント
さすがピニンファリーナ。900万くらいで売っているので欲しいと思う。
赤や黄色、白もいいけど、個人的には青が一番好きだな。