■「プロパイロット」標準装備化の一方で「プロパイロット2.0」は最上級グレード専用装備に
日産は2022年11月28日、「セレナ」を6年ぶりにフルモデルチェンジしました。正式な発売は今冬以降(e-POWERは2023年春)です。
新型の目玉装備としては、「スカイライン」やEV「アリア」に次いで、ミニバンでは初採用となる先進運転支援技術「プロパイロット2.0」の搭載が挙げられます。
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セレナは、ファミリー層を中心に根強い支持を集めるミディアムクラスの3列シートミニバンで、国内における日産の主力車種です。
強力なライバル車であるトヨタ「ノア」「ヴォクシー」やホンダ「ステップワゴン」と、常に販売台数の上位を争っています。
2016年登場の先代セレナでは、自動運転技術を用いた先進運転支援機能「プロパイロット」を搭載。当時、日本の自動車メーカーでは初採用の先端技術でした。
具体的には、一定車線上で車速を時速約30キロから約100キロに設定すると、先行車両との車間距離を一定に保つよう制御し、さらに車線の中央を走行するようステアリング操作を支援してくれるというものです。
渋滞時のみならず長距離の高速巡行でアクセルやブレーキ、ステアリングを自動制御することで、ドライバーの負担を軽減してくれるため、ロングドライブの機会も多いファミリー向けミニバンにぴったりの機能として支持を集めました。
さらに2018年には、100%モーター駆動による電動パワートレイン「e-POWER(イーパワー)」も搭載し、ハイブリッド性能でもライバルと肩を並べています。
その後2022年1月にノア/ヴォクシー、そして5月にはステップワゴンがフルモデルチェンジし、同様の先進運転支援技術を投入。
今回フルモデルチェンジした新型セレナは、e-POWERを第2世代に進化させたうえ、プロパイロットの進化版、プロパイロット2.0を新採用したのです。
前出の通り、プロパイロット2.0自体はスカイラインやアリアに先行採用されていますが、ミニバンでの採用は初めてです。
先代セレナのプロパイロットと、新型セレナに新採用のプロパイロット2.0の違いは「ハンズオフドライブ」と「車線変更追い越し支援」のふたつの機能にあります。
ハンズオフドライブとは、文字通り「手放し運転」のことです。
高速道路においてクルマが車速や車線維持をアシストするのは従来のプロパイロットと同様。しかしプロパイロット2.0の場合、さらに3D高精度地図データを搭載した専用のカーナビゲーションシステムと連動させているのが大きな違いとなります。
プロパイロット2.0の作動は、目的地のルート設定をおこない、高速道路の本線に入ると開始するものです。
カメラやレーダー、ソナー類による360度のセンシング機能で車線や標識、周辺の車両状況などを判断し、同一車線上でルート走行中に限り、ハンドルから手を放したままドライブを楽しむことができます。
さらに車線変更追い越し支援機能も備わり、前方車両の速度に応じてシステムが追い越しを提案し、スイッチ操作で車線変更をアシストしてくれます。
これらの技術を総称したものがプロパイロット2.0です。ライバルの新型ノア/ヴォクシーや新型ステップワゴンにまた差をつけた格好です。
※ ※ ※
新型セレナでは、プロパイロット2.0が最上級グレード「e-POWER LUXION(ルキシオン)」専用装備であることが発表されました。
なおルキシオン以外の新型セレナ全車には、これまでのプロパイロットが標準装備化されたほか、メーカーオプションとして進化系の「プロパイロット(ナビリンク機能付き)」も新設定されます。
新しいプロパイロット(ナビリンク機能付き)は、文字通りナビ(メーカーオプションのNissanConnectナビゲーションシステム)とプロパイロット機能が連動するものです。
ナビで設定したコース上のカーブやジャンクションに備え、設定速度をスムーズにコントロールしてくれます。
あわせて「衝突回避ステアリングアシスト」も標準装備化されるほか、「SOSコール機能付きプロパイロット緊急停止支援システム」もオプション設定(ルキシオンには標準装備)するなど、ほかにも新機能の数々が採用されています。
※ ※ ※
新型セレナの消費税込み価格は、2リッターガソリン車が276万8700円から、e-POWER車が319万8800円から。発売はガソリン車が今冬から、e-POWER車が2023年春からの予定です。
なお最高峰となるe-POWER ルキシオンはFFモデル・7人乗り仕様のみの設定で、価格は479万8200円となります。
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