この記事をまとめると
■2021年12月の販売台数が発表された
目標を下まわるまさかの「販売不振」にあえぐ現行国産SUV3台と「売れない」理由
■登録乗用車の販売台数は19万1299台、軽四輪乗用車の販売台数は8万8842台
■軽自動車ではダイハツがトップとなった
納期遅延による悪影響はわずかに改善
自販連(日本自動車販売協会連合会)から登録車、全軽自協(全国軽自動車協会連合会)から軽自動車、それぞれ2021年12月単月の新車販売台数が発表された。登録乗用車の販売台数は19万1299台(前年比90.8%)、軽四輪乗用車の販売台数は8万8842台(前年比85.0%)となった。
世界的なサプライチェーンの混乱などにより、国内完成車工場の操業停止などが頻発し始めたのは、2021年9月。そこで登録乗用車について、それまでの2021年1月から8月までの様子を見ると、2月を除き前年比100%以上の新車販売台数となっていた。9月以降の深刻な新車の納期遅延さえなければ、ほぼ確実に2021暦年締め年間販売台数も前年比100%超えしていたことだろう。
そんな気になる、2021暦年締めでの年間販売台数も発表となった。登録乗用車の年間販売台数は239万9862台(前年比96.8%)、軽四輪乗用車の年間販売台数は127万5836台(前年比95.8%)となっている。
2022年の新車販売はどうなるのか? 正月3日と4日にかけて初売りセールをスタートさせていた新車ディーラーで話を聞くと、スタートは芳しくない様子が伝わってきた。話を聞いたセールスマンがまず異口同音に語っていたのが、「納期遅延のもっともひどかった、つまり新車がほとんど工場からこなかった2021年9月や10月よりは状況はほんのわずかだが改善している」とのこと。
しかし、全般的に納期遅延はまだまだ深刻な状況が続いており、軽自動車でも3~4カ月となる納期が人気車種でも当たり前のような状況が続いている。そのため、すでに事実上、事業年度(4月から翌年3月)締めでの、年度末決算セールはスタートしているのだが、事業年度内に納車の間に合う車種は限定的となっている。
年間でもっとも新車が売れる年度末決算セールにおいて、新車販売の世界での大原則である、登録(軽自動車は届け出)実績による、販売台数カウントでは2021事業年度末決算セールは厳しいものになるのではないかというのが現状での予測。販売現場では、「年度末に向けメーカーも完成車生産に弾みをつけるだろう」と半ば神頼み的期待を寄せているのが現状である。
軽自動車ではダイハツがトップ!
先進国で猛威を振るっているオミクロン株だが、今後は新興国でも感染爆発する可能性は高い。そうなれば、再び新興国の部品工場などの操業停止が再び深刻なものにもなりかねない。短期的に見れば、納期遅延の深刻な状況の改善はなかなか期待できないだろう。
筆者は軽自動車において、ブランド別年間販売台数でダイハツのトップが確実と予測していたが、その予測どおり軽四輪車総台数では、約2.3万台を2位のスズキに差をつけブランド別販売台数でトップとなった。そして、軽四輪乗用車のみの年間販売台数ではスズキがトップになると予測したが、これもスズキがダイハツに約1.7万台差をつけトップとなった。
2021年12月単月をみると、スズキよりダイハツのほうが納期は若干だが短めとなっていることもあり、軽四輪乗用車販売台数ではダイハツがトップとなっている。ただし、2022年になってから、定点観測している中古車専業店をウォッチすると、2021年12月に初度届け出を行った、ムーヴ キャンバスとウェイクの、届け出済み未使用軽中古車がズラリと並んでいた。タントなどに比べると、納期に余裕のあるモデルをこのご時世でも自社届け出を積極的に行い販売台数を積み上げ、軽四輪乗用車でも年間トップを狙っていた様子を筆者は統計数字から感じている。
一方でスズキに圧倒的な台数差を見せていた軽四輪貨物では、軽バンのアトレーとハイゼットカーゴのフルモデルチェンジと、ハイゼットトラックのマイナーチェンジを実施したばかりということもあり、2021年12月単月では、わずか654台差でダイハツがトップを死守している。
販売現場は当面の間、納期遅延に振り回される日々が続きそうであるが、そのなかでも、できる範囲でブランド間や車名(通称名)別などでの、ランキングトップ争いは行われ続けているようである。
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