現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 【最新モデル試乗】今や貴重品、メルセデス・ベンツCLE200クーペが演出する優雅で特別な「特別な時間」

ここから本文です

【最新モデル試乗】今や貴重品、メルセデス・ベンツCLE200クーペが演出する優雅で特別な「特別な時間」

掲載
【最新モデル試乗】今や貴重品、メルセデス・ベンツCLE200クーペが演出する優雅で特別な「特別な時間」

あえて「クーペという選択」、それはクルマ好きの贅沢

 メルセデスはクーペに強い思い入れを持つメーカーである。過去に何台もの印象的なクーペを送り出してきた。少し前までSクラス、Eクラス、Cクラスのそれぞれにクーペとカブリオレをラインアップしていたほどだ。ところが時代は変わり、セダンやステーションワゴン以上にニーズの減少が顕著な2ドアクーペは存続するのが難しくなってきた。

ダイナミックなクーペプロポーションとエモーショナルなディテールを纏ったメルセデスの次世代クーペ「CLEクーペ」が日本上陸

 それでもプレミムブランドのメルセデスにとって、伝統的な2ドアクーペは守るべき存在。ラインアップしないわけにはいかない。そこで従来は個別に設定されていたEクラスとCクラスの2ドアクーペを統合するというアイデアを実践。CLEという新しい名称を与えた。

 ボディサイズや登場時期からして実質的には新型Eクラス・クーペの後継と考えるのが妥当だろう。誰の目にも魅力的に映るスタイリッシュな姿が最大の魅力だ。
 伝統のロングホイールベースとロングボンネット、フロントが短くリアが長めのオーバーハング、力強く張り出した前後ホイールアーチがこれほど絵になるのは、クーペなればこそ。2ピースデザインのスリムなリアコンビランプに象徴されるように各部はクーペにふさわしくデザインされている。

 ラインアップは2リッター直4直噴ターボ(204ps)を搭載したCLE200クーペ・スポーツのモノグレードで、内外装にはAMGラインを標準装備し、価格は850万円となる。

優雅な室内。快適で大人を虜にする走りが味わえる

 あえてクーペを選ぶユーザーのために、室内はスペシャル感の演出が施されている。大きなドアは日本の商業施設のような狭い駐車場では不便に感じる場合もあるだろう。だが標準装備されるオシャレな専用スポーツシートを目にするや、クーペに乗る特別感に浸ることができる。着座するとシートベルトフィーダーが自動的にせり出してくるの機構は、クーペならではの装備だ。ドライバーズシートにリラクゼーション機能が付くのもうれしい。

 後席には2人掛けのフルサイズのシートが備わり、アクセスする際に便利なイージーエントリー機能が付く。前席肩口にあるレザーストラップを引くと自動的に前席がスライドしてくれる。

 ホイールベースが長いので、後席に乗り込んでしまえば成人男性でもそれほど苦にならない。ヘッドレストも大人が座るシーンを想定したしっかりとしたものが用意されている。ただし、リアウィンドウは開閉しない。メルセデスのクーペはサイドウィンドウを下ろすとBピラーがなくなるのが伝統だった。この点は少々寂しい。

 縦のラインを配した新感覚のインパネはオシャレなクーペによく似合う。タブレット状の大画面ディスプレイが眼前と中央に配されているのは、すでに見慣れた光景ながらやはり先進感がある。
 新型セダンやワゴンに採用された運転席から助手席までを覆うMBUXスーパースクリーンの設定がないのは、クーペには似合わないと判断されたのだろうか。

 メルセデスの最新モデルらしく、機能面は充実している。学習能力を高めた第3世代のMBUXは実に便利だ。あらかじめ設定しておくと一定の条件を満たしたときに作動するルーティン機能、設定を予測提案する機能、より簡単に音声対話できるジャストトーク機能により、ドライバーや乗員の操作負担を軽減してくれる。

 足回りはスポーツサスペンションが標準となり、オプションのドライバーズパッケージ(40万円)を装着すると、標準で19㌅のタイヤ&ホイールが20インチとなるほか、連続可変ダンピングシステムを備えたダイナミック・ボディコントロール・サスペンションやリアアクスルステアリングが装備され、ダイレクトステアリングのギアレシオがクイックな設定になる。

 走り出して感心した点は、予想よりも乗り心地がずっといいことだ。低偏平な20㌅タイヤを履くとは思えないほど路面にしなやかに追従し、突き上げを感じさせない。
 しかもクルマの動きが極めて素直で、まさしく意のままに操れる感覚がある。操舵に対する応答遅れはもちろん、どこにも動きにカドを感じない。挙動を乱すことなくイメージしたラインを正確にトレースしていける。

 巧みなサスペンションチューニングと完成度の高い後輪操舵の組み合わせで、俊敏ながら落ち着いた安定した走りを実現している。これなら助手席に大切なゲストを迎えて快適なドライブを満喫できる。

 従来のBSGに替えてISGを搭載したパワートレーンは、1.8トン級の車体を軽やかに加速させてくれる。とはいえエンジンの選択肢が4気筒に限られる点は、このクラスのプレミアムクーペを求めるユーザーにとってどう映るか気になるところではある。ゆくゆくAMGモデルが追加されればつじつまがあうのだろう。

 CLEは、このところクーペがめっきり少数派になってきた中に現れた、すべてを身につけたメルセデスのニューカマーである。スタイリッシュで上品。存在自体が素敵だ。なぜあえて自動車メーカーは伝統的にクーペを手がけ、ユーザーはクーペを選ぶのか、その答えの一端がうかがえた。

メルセデス・ベンツCLE主要諸元

グレード:CLE200クーペ・スポーツ
価格:9SATC  850万円
全長×全幅×全高:4850×1860×1420mm
ホイールベース:2865mm
トレッド:フロント:1605mm/リア:1585mm
車重:1760 kg(*1)
エンジン:1997cc直4DOHC16Vターボ(プレミアム仕様)
エンジン最高出力:150kW(204ps)/5800rpm
エンジン最大トルク:320Nm/1600~4000rpm
モーター出力:17kW/1500~3000rpm
モーター最大トルク:205Nm/0~750rpm
WLTCモード燃費:14.5km/リッター(燃料タンク容量66リッター)
(市街地/郊外/高速道路:9.8/15.1/17.8)
サスペンション=フロント:4リンク/リア:マルチリンク
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=フロント:245/40R19/リア:275/35R19+アルミ
駆動方式=FR
乗車定員=4名
最小回転半径=5.2m

こんな記事も読まれています

【最新モデル試乗】日産ノートがリフレッシュ! 日常性能を磨いた電動車の心踊るパフォーマンス
【最新モデル試乗】日産ノートがリフレッシュ! 日常性能を磨いた電動車の心踊るパフォーマンス
カー・アンド・ドライバー
EVモードで100km近く走るメルセデス・ベンツ「E350eスポーツ エディションスター」の高い実用性
EVモードで100km近く走るメルセデス・ベンツ「E350eスポーツ エディションスター」の高い実用性
@DIME
メルセデス・ベンツの新世代2ドアクーペのCLEクーペに高性能バージョンの「メルセデスAMG CLE53 4MATIC+クーペ」を設定
メルセデス・ベンツの新世代2ドアクーペのCLEクーペに高性能バージョンの「メルセデスAMG CLE53 4MATIC+クーペ」を設定
カー・アンド・ドライバー
使い勝手の良さが際立つメルセデス・ベンツ「E220dステーションワゴン」の万能感
使い勝手の良さが際立つメルセデス・ベンツ「E220dステーションワゴン」の万能感
@DIME
ファッショナブルかつエレガントなメルセデス・ベンツCクラスの新しい4名乗りオープンカー「CLEカブリオレ」が日本デビュー
ファッショナブルかつエレガントなメルセデス・ベンツCクラスの新しい4名乗りオープンカー「CLEカブリオレ」が日本デビュー
カー・アンド・ドライバー
いかにもドイツ車らしい──フォルクスワーゲン・ゴルフIIGTI試乗記
いかにもドイツ車らしい──フォルクスワーゲン・ゴルフIIGTI試乗記
GQ JAPAN
【AMGラインエクステリア標準】 メルセデス・ベンツCLEにカブリオレ発表 艶消しカラーも
【AMGラインエクステリア標準】 メルセデス・ベンツCLEにカブリオレ発表 艶消しカラーも
AUTOCAR JAPAN
日産のインフィニティブランドのフラッグシップSUV「QX80」が第2世代の新型に移行して本年7月末より米国で発売
日産のインフィニティブランドのフラッグシップSUV「QX80」が第2世代の新型に移行して本年7月末より米国で発売
カー・アンド・ドライバー
現代における「世界一価値の高いファミリーカー」を追求した新型ホンダ・フリードが発売
現代における「世界一価値の高いファミリーカー」を追求した新型ホンダ・フリードが発売
カー・アンド・ドライバー
高級ファミリーカーの新提案──新型アウディQ6 e-tron試乗記
高級ファミリーカーの新提案──新型アウディQ6 e-tron試乗記
GQ JAPAN
【新時代のイタリアンエレガンス】 マセラティ・グランカブリオに現地試乗 楽しくないはずがない
【新時代のイタリアンエレガンス】 マセラティ・グランカブリオに現地試乗 楽しくないはずがない
AUTOCAR JAPAN
メルセデス・ベンツ唯一のカブリオレモデル 新型「CLEカブリオレ」日本上陸 新たな名前で登場した4座オープンカー
メルセデス・ベンツ唯一のカブリオレモデル 新型「CLEカブリオレ」日本上陸 新たな名前で登場した4座オープンカー
VAGUE
カーブで光るトヨタ・セリカ ワンランク上のマツダMX-6 ホットハッチ的なローバー220 クーペ 1990年代の煌き(2)
カーブで光るトヨタ・セリカ ワンランク上のマツダMX-6 ホットハッチ的なローバー220 クーペ 1990年代の煌き(2)
AUTOCAR JAPAN
【クーペにAMG 53が追加】 メルセデスAMG CLE 53 4マティック+クーペ ハンドルは左右選択可能
【クーペにAMG 53が追加】 メルセデスAMG CLE 53 4マティック+クーペ ハンドルは左右選択可能
AUTOCAR JAPAN
メガーヌ R.S.のように旋回? 新型ルノー・ラファールへ試乗 ドイツ銘柄からの顧客獲得へ期待
メガーヌ R.S.のように旋回? 新型ルノー・ラファールへ試乗 ドイツ銘柄からの顧客獲得へ期待
AUTOCAR JAPAN
PHEVとしての完成度も高いメルセデスAMGのスポーツセダン「C63S Eパフォーマンス」
PHEVとしての完成度も高いメルセデスAMGのスポーツセダン「C63S Eパフォーマンス」
@DIME
【最新モデル詳報】最新モデルは個性明快。ホンダ・ヴェゼルのクラスレスな魅力を体感
【最新モデル詳報】最新モデルは個性明快。ホンダ・ヴェゼルのクラスレスな魅力を体感
カー・アンド・ドライバー
【ロングセラーモデルが新型に】 ホンダ・フリード 「エアー」/「クロスター」 福祉車両も同時発表
【ロングセラーモデルが新型に】 ホンダ・フリード 「エアー」/「クロスター」 福祉車両も同時発表
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1207.51254.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

248.0568.0万円

中古車を検索
クーペの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1207.51254.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

248.0568.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村