輸入しやすく信頼性も高い日本の中古車
2000年代初頭に人気を博した、日本から輸入された右ハンドルのマツダMX-5、ユーノス・ロードスターを覚えている英国人は多いだろう。
【画像】日本の中古車が欧州で人気上昇中【シビック、スカイライン、セリカ、インプレッサを写真で見る】 全52枚
筆者(英国人)が所有していた個体は整備履歴がなく、走行距離も不確かだったが、信頼性が高く、錆びもなかった。
現在も、英国と同じように左側通行の日本から、日産スカイラインやホンダ・シビック・タイプRといった中古車が輸入され、高性能車でありながら、整備履歴や走行距離の証拠が十分に揃ったコンディションの良い個体が手に入る。
また、日本仕様のドイツ車、スウェーデン車の中古右ハンドル車も人気が高まっている。フォルクスワーゲン・トゥーラン、ゴルフ、ポロ、BMW 1シリーズ、3シリーズ、5シリーズ(特にステーションワゴンタイプ)、メルセデス・ベンツCクラス、Eクラス(こちらも主にステーションワゴンタイプ)、アウディA4アバント、A6アバント、ボルボのステーションワゴンなどだ。
ほとんどがガソリンのAT車で、製造から10年以上経過している。この年式の日本からの輸入車は、英国の複雑な個別車両認証制度に基づく試験を受ける必要がないからだ。ただし、日本の型式認証は取得する必要がある。
今年に入ってからの3か月間で、英国は日本から約5000台の中古車を輸入した。そのうちの約30%は欧州車であり、大半はフォルクスワーゲンであったが、BMW、メルセデス・ベンツ、アウディ、ボルボ、ミニも含まれていた。残りの70%は日本車で、ハイブリッド車、MPV(ミニバン)、SUV、そして一部の高性能車であった。
鍵を握る「車検」制度 排ガス規制も影響
こうした中古車輸入の起源は2008年にさかのぼる。日本と欧州の型式認証規制がより緊密に連携するようになり、欧州の自動車メーカーがリアフォグランプやヘッドライトウォッシャーなどの装備を搭載したクルマを日本に輸出し始めたのである。
英国にもその中古車が少しずつ入ってくるようになった。しかし、英国が都市中心部に低排出ガスゾーン(LEZ)を設けたことで、その流れは一気に加速した。これは、2014年に導入された排出ガス規制ユーロ6以下のディーゼル車と、ユーロ4(2005年)以下のガソリン車にペナルティを課すものだ。
この低排出ガスゾーンは、9000ポンド前後のファミリーカーに適用されることはなかったため、そうしたクルマの需要を呼び起こしたのである。
残念なことに、条件を満たす英国の中古車は不足しており、走行距離が多く、コンディションも怪しいことが多い。しかし、日本から輸入された中古車は違う。
フォルクスワーゲンのレポートによると、日本では「多くの顧客がクルマを非常に入念にメンテナンスし、ちょっとしたことでもディーラーのワークショップに行く」という。その理由の1つが、英国のMOT制度に相当する「車検」の存在である。
車検は新車から3年目で受け、その後は2年ごとに受ける。フォルクスワーゲンのレポートによれば、多くのオーナーは高い車検費用を支払うよりも、「スマートフォンと同じくらいの頻度」でクルマを買い換えるのだという。
日本のドライバーはその後、規制が厳しく混雑した市場で不要になったクルマを売るという、難題に直面する。その結果、毎年約120万台の中古車が日本から輸出されている。
ロシアとアラブ首長国連邦がそれぞれ20万台の輸入で大きなシェアを占めている。英国は2万台で16位である。
輸入業者「英国車よりはるかに状態が良い」
ニール・ハウ氏は、2016年から日本から欧州車を輸入している。英ブリストル近郊で販売店を営むウィンターストーク・モーター・カンパニー(Winterstoke Motor Company)などに供給するために、2、3か月に1度日本を訪れ、クルマを見たり、仕入れを担当するエージェントに会ったりしている。
「典型的な日本車は、英国車よりもはるかに状態が良く、走行距離も少ない」と彼は言う。「完全な整備履歴(デジタルであるため確認が容易)は低走行距離車でも一般的で、交換部品の多くはメインディーラーが取り付けた純正品です」
彼が輸入するクルマは、英国の自動車輸入組合(BIMTA)によって走行距離と来歴をチェックされている。20年前、英国への自動車輸入を増やすキャンペーンの一環として結成されたBIMTAは、今日では政府機関にも認められている。
BIMTAのチェックをクリアしたクルマには証明書が発行され、走行距離が正しいことが保証される。さらにハウ氏は、日本で発行されるが一部英語で書かれた輸出証明書を用意する。この輸出証明書では、車両のシャシー番号や車検証などの詳細と、ローンの借り入れが残ってないことが確認でき、整備記録またはデジタル整備記録のプリントアウトのいずれかが、やはり英語で書かれている。
輸入車は日本だけでなくEEA/UNの型式認証規則にも適合するように製造されているため、工場出荷時のライトなどは英国の道路交通法を満たしている。車載のシステムメニューで、オドメーターとスピードメーターをkm表示からマイル表示に変更できる。
必要な調整としては、通常、ナビゲーション・システムのアップデートに関するものがある。しかし、この点に関しては個体によって違いがあり、ボルボは特に難しいとハウ氏は言う。
英国の中古車不足が続き、超低排出ガスゾーン(ULEZ)非対応のクルマを手放す人が増える中、日本製の中古輸入車は、少ない予算内で購入できるファミリーカーとして1つの答えになるかもしれない。
日本からの輸入中古車の保険
日本から輸入された中古欧州車は、欧州の型式認証法を満たし、英国車と同じような仕様で、修理や部品調達も容易かもしれないが、保険料は割高のようである。例えば、日本から輸入されたフォルクスワーゲン・トゥーラン1.4 TSI SE DSGの保険料は312ポンド(約5万6000円)だが、英国仕様は276ポンド(約5万円)であった。
英国車より安価なものも 編集部が見つけた5台
フォルクスワーゲン・トゥーラン1.4 TSI SE DSG:2011年6月、走行距離7万km、8990ポンド(約160万円)/英国の同等車は少ないが、約1500ポンド(約27万円)安い。
フォルクスワーゲン・ゴルフ1.4 TSI SE DSG:2012年12月、7万9600km、7995ポンド(約145万円)/英国の同等車より約500ポンド(約9万円)安い
BMW 116iスポーツ:2012年12月、7万km、8990ポンド(約160万円)/英国価格とほぼ同額。
アウディS4クワトロ:2010年10月、7万4000km、1万3995ポンド(約250万円)/これほど走行距離の少ない英国車はあまり見られない。
ボルボV70 2.5 RデザインSE :2009年5月、8万8500km、9990ポンド(約180万円)/ディーゼルよりULEZで有利な希少ガソリン仕様。
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