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【MotoGP】強力なライバルを打倒し、新王者となったマルティンの自負「これは運なんかじゃない。1年間の努力の賜物だ」

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【MotoGP】強力なライバルを打倒し、新王者となったマルティンの自負「これは運なんかじゃない。1年間の努力の賜物だ」

 MotoGP最終戦ソリダリティGPで3位となったホルヘ・マルティン(プラマック)は、フランチェスコ・バニャイヤに10ポイント差でチャンピオンに輝いた。

 スペイン人ライダーとしては、アレックス・クリビル(1999年)、ホルヘ・ロレンソ(2010年、2012年、2015年)、マルク・マルケス(2013年、2014年、2016年、2017年、2018年、2019年)、ジョアン・ミル(2020年)に続き、5人目の最高峰クラスタイトル獲得者となった。

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 サテライトチームに所属するライダーとしては、2001年にバレンティーノ・ロッシがナストロ・アズーロ・ホンダチームで500ccタイトルを獲得して以来の快挙となった。

 2023年もマルティンはバニャイヤと最終戦までタイトルを争ったが、当時はバニャイヤを追う立場。最終的に他車と接触転倒し、タイトル獲得はならなかった。

 今年は24ポイントのアベレージを築いて最終戦に臨んだマルティン。週末を前に、このリードは「1年間の努力の賜物」だと語っていた。

「この最終戦にキーポイントはないんだ。ここまで来れたのは19回のグランプリで積み重ねてきたおかげだ。このまま同じことを続ければ、タイトルを獲得するのがフェアなことだ」

 マルティンは、今年のタイトル争いで運が決定打になったわけではないことを自覚している。というのも、バニャイヤは今年のグランプリやスプリントレースで8回リタイアを喫している。マルティンは特にスプリントレースで強さを発揮したが、これは偶然にもバニャイヤの弱点でもあった。

 マルティンはバルセロナでの対決に向け、「フェア」や「ジャスティス」という言葉を繰り返し使っていた。マレーシアでは天候に翻弄されて下位に沈んだこともあって、メディアセンターの記者たちは最終戦での幸運を祈った。これにマルティンは「運ではなく公正な勝負なんだ」と応えている。

 その発言の背景には、バニャイヤがシーズン11勝を記録しながらも安定感を欠いてマルティンに敗れたという事実があるのだろう。強いバニャイヤが自滅したのではなく、自らが勝ち取った栄光だとマルティンは強く自負しているのだ。

■マルティンのこれまでのキャリア

 マドリッド近郊で熱狂的なモーターサイクル・レース・ファンの家庭に生まれたマルティンは幼少の頃、両親とともにヘレスで開催されるレースを訪れていた。

 KTMとエナジードリンク大手のレッドブルが共同で運営するヨーロッパの若手ライダーの登竜門、レッドブル・ルーキーズカップに出場できるようになったのは2012年のことだった。マルティンは2014年にタイトルを獲得し、2015年の世界選手権挑戦への扉を開いた。

 アスパー・マヒンドラ・チームで2シーズン、あまり競争力のないバイクでレースをし、最初のシーズンは後にMotoGPでライバルとなるバニャイヤと走った。

 2017年にホンダのバイクを使うデル・コンカ・グレシーニに移籍したマルティンは、シーズン最終戦のバレンシアで世界選手権初優勝を達成。これが若いライダーの意欲に拍車をかけ、翌年には7勝を挙げてMoto3タイトルを獲得した。

 2019年はKTMからMoto2クラスにステップアップしたが、ここでは安定した成績は残せなかった。その翌年、使う車両がカレックス製となったこと戦闘力が向上。2勝を上げてランキング5位となった。

 この2020年はマルティンのキャリアを決定づける重要な年となった。彼はKTMと契約を結んでおり、KTMからMotoGPに昇格することになっていた。しかしその契約には、もしKTMがある期日までに彼のトップクラス昇格を認めなければ、契約を解除できるという条項があった。

 新型コロナウイルスの流行もあり、KTMはこの条件を満たさず、マルティンはドゥカティとファクトリー契約を結び、2021年と2022年の2年間、プラマックでレースを行ない、2023年にはファクトリーチームに昇格するチャンスに指をかけるところまで来た。

 MotoGPにデビューして2年間で、マルティンは優勝1回、表彰台8回、ポールポジション9回という好成績を残したが、ドゥカティはマルティンではなくエネア・バスティアニーニを昇格させることを選んだ。

 マルティンの年俸は上がったものの、もう2年間プラマックでレースをすることになった。

 それでもマルティンは2023年にバニャイヤとタイトル争いを展開。チャンピオンを獲得すればファクトリー昇格が約束されていたものの、この年は敗北……条件を満たせなかった。

 そして2024年、ドゥカティは1年落ちのバイクで印象的なパフォーマンスを見せたマルク・マルケスを2025年のファクトリーライダーに選んだことで、マルティンとドゥカティは今季限りで袂を分かつことになった。

 当初はマルティンを昇格させ、マルケスにはプラマックでファクトリー仕様バイクを与えるという青写真を描いていたドゥカティだったが、マルケスがプラマック移籍を拒否。ドゥカティは方針を変えることになったのだ。

 今季チャンピオンに輝いたマルティンは、現役チャンピオンとしてアプリリアに移籍することになる。マルティンという才能あるライダーを逃し、彼がアプリリアのバイクにゼッケン1のステッカーを貼って参戦する可能性があるのは、ドゥカティにとっては複雑だろう。

 マルティンはまだ26歳。今後彼がどんなキャリアを歩んでいくか楽しみだ。

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みんなのコメント

1件
  • kyb
    アプリリア機でどんな走りをするのだろう?
    凄く楽しみw
    小椋君と共に驚かせて下さいw
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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