丹念に新車ディーラーを周って「生」の新車情報を当サイトに届けてくれる流通ジャーナリストの遠藤徹氏。今回は日産衝撃の新車スケジュール(なんと2019年3月まで新型車ゼロ!)やトヨタの、いや日本の最高級セダン、センチュリーの新型発表日、さらにセレナe-POWERの売れ行き、スバル新型フォレスター、スズキ新型ジムニーの最新情報など、盛りだくさんの内容でお届けします。
文:遠藤徹
『ベストカー』2018年5月26日号「遠藤徹の地獄耳スクープ」より
■日産、今年のニューモデル投入はゼロ!?
まだ作るのかよ!!!?? 日産ジューク一部改良で9年目に突入
日産は、新規モデルやフルモデルチェンジなど、新しい型式をともなう国内向けのニューモデルを今年度投入しないことがわかりました。
今年度は秋にリーフのスポーティバージョンである「リーフニスモ」を追加しますが、ほかに目立った新型車展開については予定していません。ビッグマイナーチェンジも存在しないと思われます。
日産リーフのNISMOバージョン。今年、これから日産が新車として導入するのはこの1モデルのみだという。なんというか、大丈夫か日産ディーラー……
グローバルではアメリカや中国など積極的に新型車を投入していく予定ですが、国内は極端に少なく、販売店にとっては厳しい1年になりそうです。
ただ、2019年度になるとジューク、エクストレイル、ノート、マーチ、電気自動車、軽自動車など戦略モデルの発売が予想され、三菱自動車とのタイアップの具体化も含めて、再び攻勢を強めることになりそうです。
■トヨタ、センチュリーを6月25日にフルモデルチェンジ
トヨタは「センチュリー」を(新型クラウンと同じ)2018年6月25日にフルモデルチェンジします。
トヨタ新型センチュリー。昨年の東京モーターショーに出品されたプロトタイプと同じ姿で登場する
新型はハンドメイド感を一段と盛り込んだ最高のクオリティを追求し、パワーユニットは5L、V8ハイブリッドエンジンを搭載します。
なお、各トヨタ店に割り当て制オーダーメイドとしており、大量生産ができないため、すでに年内分の発注は終了している販売店も出始めています。ほとんどが法人の役員用となっており、大半は従来モデルの代替えで年内販売ぶんは埋まっているようです。
先代型はすでに生産を中止しており、新型の在庫もありません。昨年の東京モーターショーで見て「ほしい」と考えている法人の責任者の皆さんは、早くトヨタディーラーへお問い合わせください。
■来春発売の新型RAV4はトヨタ全系列店併売か?
トヨタが来春にも復活させて発売する新型RAV4の販売はトヨタ全系列店での扱いが有力になっています。新型は、グローバルモデルでは2.5LのNA&ハイブリッド仕様ですが、国内仕様は新開発の2LのNA&ハイブリッドを搭載する方向で開発を進めているようです。この2Lハイブリッド仕様は今後トヨタの屋台骨を支えるエースユニットとなるようです。
シートレイアウトは、2列シート5人乗りのほか、3列シート6人乗りも設定し、日産のエクストレイル、ホンダCR-V、マツダCX-8などと対抗し、トップシェア確保を目指す構えです。
■トヨタの東京での4販社統合は全国規模へ拡大か?
トヨタは東京の直営4会社を2019年4月に統合すると発表しました。東京では統合した新会社がトヨタ店、トヨペット店、カローラ店、ネッツ店の4系列を運営することになります。そして、この販売体制の再編は名古屋地区をはじめ全国規模で広がりそうな趨勢となっています。
販売現場は、これまでのような別会社の場合、他系列店へのお客さんの紹介を無償で行っていましたが、これが同じ会社になると営業マンのノルマとしてカウントされる可能性がでてきます。
ただし、こうした統合はトヨタの直営店であれば可能ですが、全国で80%以上を占める地場資本店ではスムーズに統合が行えるかどうか難しい面もあります。
どちらにしても新車を購入するユーザーにとっても影響は大であり、同じ車種同士を競合させて、より大きな値引きを引き出せるケースが少なくなる可能性があります。
■日産セレナe-POWERは引き続き好調な販売で推移
3月から発売開始しているセレナe-POWERは引き続き好調な受注推移を見せています。納期は4月上旬現在で6月上旬と、約2カ月待ちの状況となっています。
売れ筋は、標準グレードのハイウェイスターで、ボディカラーは有料色の「ブリリアントホワイトパール」の人気が高くなっています。
e-POWERの販売構成比は当初計画ではセレナ全体の40%としていましたが、現在は半分強を占めています。
■新型フォレスターは6月20日前後発表、7月発売か
スバルは新型フォレスターを6月20日前後にも発表、7月下旬に発売する見込みです。現行モデルは4月16日にオーダーストップし、在庫一掃セールに入っています(すでに在庫ゼロの販売店も多数)。
スバル今年最大の目玉車である新型フォレスター。「乗るとすごい」と関係者は口をそろえるが、果たしてその実力やいかに!?
新型はキープコンセプトですが、中身は大幅に変えて進化させています。搭載する水平対向4気筒エンジンは、これまでの2LのNAと2Lターボのラインアップでしたが、新型は2.5LのNAへと一本化(マイルドハイブリッド仕様も用意)。インプレッサ同様に「スバルグローバルプラットフォーム」(SGP)を採用します。
また、先進安全システムは最新の「アイサイト・ツーリングアシスト」が標準装備される模様です。
■スバルグローバルプラットフォームの一本化へ
スバルは次世代モデルを「スバルグローバルプラットフォーム」(SGP)で一本化し、サイズやクラスの異なる車種にも採用して、フレキシブルに対応する方針です。
現在、SGPはインプレッサを起点にXV、まもなく新型フォレスターに採用されます。今後は次期型レガシィなどにも順次拡大されるなど、ボディサイズの異なるモデルでも対応します。
スバルは今後5年間におおよそ毎年1車種ずつ新型車を投入する計画で、これによりSGPへと切り替えて全面刷新する見込みです。
■スズキ新型ジムニーを7月に発売か
スズキは7月にもジムニーをフルモデルチェンジすると各販売店に通知、いよいよ発売まで秒読みとなってきました。
スズキ新型ジムニー(これは本誌予想CG)。すでに全国の販売店に新型登場が正式に告知されており、現行型は在庫販売となっている
次期型ではオフロードでの走破性を強化したフルタイム4WDを投入する可能性があります。ラダーフレームと軽自動車&小型車版シエラの2シリーズ構成は現行型から継続します。
パワーユニットは軽自動車が660ccターボ、小型車(ジムニーシエラ)は1Lターボで、どちらもマイルドハイブリッドを搭載すると思われます。衝突軽減ブレーキも用意され、安全性能は大幅に向上する見込みです。
なお、現行型は3月いっぱいで生産終了して、在庫一掃セールに入っています。
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