■まさかの「オフロード180SX」出現!
2024年1月10日、アメリカのカーオークションサイト「Cars and Bids」において、日産「180SX」の改造車が出品されました。
純正状態からは大きくカスタマイズされ、まったく違った雰囲気となっていますが、どのような個体なのでしょうか。
【画像】めちゃカッコイイ!? SUVスタイルの「激ヤバ180SX」を画像で見る(47枚)
Cars and Bidsは主に1980年代から現在に至るまでの名車を扱うカーオークションサイトで、米国車をはじめ、欧州や日本車など、数多くのクルマが競売にかけられています。
今回登場した180SXは、1989年4月に発売された3ドアハッチバッククーペです。
軽量かつコンパクトなボディにハンドリングに優れたFR駆動を採用するなど、基本構造は2ドアスポーツクーペ「シルビア(5代目・S13型)」と同一です。
その一方で、リトラクタブルヘッドライトやスラントノーズを備えたスポーティなフロントフェイス、ラウンドデザインのテール周りなど、より若者志向のモデルへと仕立てています。
またシルビア同様に高性能な4気筒ツインカムターボエンジンを設定し、5速MT車を用意することから、ドリフト走行など競技車両としてのニーズも高く、人気モデルとなりました。
なお、米国においても「240SX」として販売されていましたが、国内の180SXとは異なる部分も多く、スポーティなターボエンジンは設定されていません。
今回落札された個体は1996年式の180SXで、2023年初頭に北米に輸出され、ニューハンプシャー州で登録されています。
パワートレインは202馬力を発揮する2リッターターボエンジン「SR20DET」型と5速MTを組み合わせる人気のグレード「タイプX」で、1996年8月にデザイン変更を含むマイナーチェンジが実施されたタイプです。
この個体の最大の特徴は、精悍でスポーティな180SXのスタイリングから、リフトアップを施し、タフなSUVをイメージさせるオフロードスタイルへとカスタムされていることが特徴です。
ボディカラーは無機質なグレーに塗装されており、ボディサイドやボンネットにはカーキ色のストライプが貼付されています。
サイドはビス留めのワイドフェンダーを装着し、ホイールはオフロード用の15インチを装着。タイヤはホワイトレター入りBFグッドリッチ製オールテレーンタイヤを装備しています。
フロントバンパーはアプローチアングルを稼ぐためにカットされ、インタークーラーを保護するX字バーを装着したほか、リアバンパーは完全に取り外され、代わりにリアガードバーを装備し、無骨に仕上げました。
インテリアはステアリングとシフトノブ、パナソニック製ナビゲーション以外は純正状態が残されていますが、ダッシュボードには大きなヒビがあり、純正シート自体も亀裂が見られるなど、補修が必要な状態です。
このほか、カスタム品としてGReddy製インタークーラーや社外マフラー、社外エアクリーナー、フロントストラットタワーバーが装着されています。
なお、走行距離は16.6万キロを示していますが、2023年2月時点とのデータで相違が見られ、メーターの巻き戻しが行われた履歴があるようです。
このほかにも2023年1月の米国での事故歴、および車両に残された日本国内のオークション出品票には、ボンネットとフロントフェンダーの交換歴があるなど、いくつか気になる点があることも書かれています。
そんなカスタム180SXは180ドルでオークションが開始され、27件の激しい入札合戦が繰り広げられたあと、1万4000ドル(当日レートで約203万円)で落札されました。
賛否のあるカスタムや、クルマとしてはいくつかの瑕疵(かし・欠点や欠陥のこと)が見られたためか、近年世界的に人気が高まっている国産スポーツカーとしては比較的安価に取り引きされました。
※ ※ ※
映画やマンガ、アニメなどの影響から日本車の人気が高まっており、特に人気なのはトヨタ「スープラ」や日産「スカイラインGT-R」、マツダ「RX-7」をはじめとする1980年代から90年代のスポーツカーです。
特に北米では「25年ルール」という、クラシックカーとして登録できる決まりがあり、通常走行ができない右ハンドル車であっても、製造から25年が経過すれば走行可能になります。これにより、多くの国産スポーツカーが輸出され、現地のオーナーによって大切に乗られているのです。
程度の良さやカスタムのスタイルだけでなく、日本のみでしか販売されなかった希少な仕様などでは、新車価格を遥かに超えるプライスで取り引きされることも珍しくはありません。
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