ホンダが2021年限りでF1から撤退するため、2022年以降のパワーユニット(PU)サプライヤーを探す必要が生じたレッドブル。ただ、その選択肢は決して多くない。
レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、知的財産などを含めホンダのプロジェクトを全て引き継ぎ、レッドブルでPUを運用していく選択肢が望ましいと語った。
■レッドブルの“第一希望”はホンダの施設を引き継ぐこと?「ただしPU開発凍結が前提」
レッドブルはPUマニュファクチャラー間の開発競争に加わるつもりはないため、2022年にPUの開発が凍結されていることが、この案を実行に移す前提条件だという。
メルセデスのチーム代表であるトト・ウルフは、レッドブルとその姉妹チームであるアルファタウリが2022年以降もホンダのパワーユニットを使い続けることができるようにするために、PU開発凍結に賛成するだろうと語った。
「F1には3つのサプライヤーがおり、良い状態にあると思う」
ウルフは10月24日(土)にそう語った。
「レッドブルがどういう状況なのかは完全に理解しているよ。彼らはカスタマーの立場に戻ることを望んでいない」
「彼らはワークスチームになりたいと思っているし、それ(PU)を微調整したり、最適化したりする能力を持っている。ホンダが現在開発しているものの中に、エンジンのパフォーマンスが向上するという自信を与えてくれる要素がいくつかあるかもしれない」
「レッドブルにその機会を与えるため、我々はあらゆることをすべきだと思う」
PUの開発凍結が合意に至らなかった場合、レッドブルはかつてのパートナーであるルノーからPU供給を受けることができる。ルノーはレッドブルと契約に応じるとコメントしており、競技規則ではレッドブルがFIAに申請を出せば、ルノーにPU供給の義務が生じる。しかしレッドブルがそれを望んでいる可能性は低いだろう。
ウルフは、レッドブルがPU開発にかかる莫大なコストを負担することなく、ワークスチームとしての地位を維持したいと考えていると理解している。
「エンジン開発において、彼らは他のマニュファクチャラーと支出戦争をしたくないというのは理解している」
motorsport.comの取材に応じたウルフは、PU開発凍結を支持する理由を訊かれ、そう答えた。
「それは賢明な提案だ。私は支持したいと思っている」
「レッドブルはF1にとってとてつもなく重要なブランドだと思うし、ふたつのチームをF1に留め、ワークスチームというステータスを維持するという選択肢を与えるために我々はあらゆることをすべきだよ」
レッドブルがF1をPU開発凍結に追い込もうとしていることについて、ウルフはそれもF1恒例の駆け引きの一部であり、レッドブルがF1に残るのであればどんな案に落ち着いても問題ないと話した。
「F1では誰もが最高の契約、最高のパフォーマンスを得ようとしていると思う」
「私はどちらでも構わないと思っている。それが現在の立場だ。彼らがカスタマーエンジンを手に入れたとしても、ホンダの開発プログラムに資金を提供しても、自分たちでそれをやってもいい」
「どんな決断でも構わない」
開発凍結の可能性については、10月26日(月)に行なわれるF1コミッションで議論される予定だ。
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