オープンカーのルーフはそれぞれの性格により使いわけられている
3月も後半になり、日中は暖かい日が増えてきた。花粉症持ちの人だと辛いが、オープンカーが気持ちいい季節といえる。
【無防備だしうるさいしメンテも大変だしいいことある?】それでもソフトトップのオープンカーがなくならない理由
中古車も含めるとオープンカーの選択肢はなかなか幅広いなか、ルーフに目を向けると、開閉が手動と電動、ルーフ自体が幌となるソフトトップと鉄製(樹脂製)のメタルトップ(ハードトップ)があり、その組み合わせで大きく4種類にわけられる。4種類が使いわけられる理由を考えてみると、結論としては「一口にオープンカーといっても、いろいろな性格のものがあるから使いわけている」ということになる。それぞれの特徴を挙げてみよう。
1)手動ソフトトップ
日本で販売される1.5リッターのマツダ・ロードスターやホンダS660が代表となる手動ソフトトップ(幌)は、開閉機構の軽さやコストの低さといった手軽さが特徴だ。そのため比較的低価格帯に属するオープンのスポーツカーが採用するケースが多い。
メリットは前述した手軽さ、デメリットはクルマによってはオープンにするのに手間と時間が掛かる(現行ロードスターのようにシートの前後ポジションによっては座ったまま片手であっという間に開閉できるものもある)、高速道路の走行速度では幌を閉めたときの騒音、メタルトップに比べれば幌は耐久性が劣るといった点が挙げられる。
2)電動ソフトトップ
電動ソフトトップはミニコンバーチブルのような実用車ベースのオープンカー、ポルシェ・ボクスターや911といった高級オープンスポーツカー、これから発売されるレクサスLCやBMW8シリーズ、ベントレーコンチネンタルのコンバーチブルといった高級クーペのオープンモデルなど幅広く採用されており、バランス型とも言い換えられるかもしれない。
メリットとしては、幌の開閉が手間なくすぐにできるため気軽にオープンにしやすい、高額車になると幌の色を選べることがあるので組み合わせを楽しめる、人によっては弱い雨が幌に当たったときに、傘に弱い雨が当たるのと同じようなシトシト音に「不便なことが贅沢」という考え方にも通じる情緒を感じるといった点が挙げられる。デメリットは幌の開閉の手間と時間が掛かること以外、手動ソフトトップに準じる。
メタルトップは開閉時の利便性や静粛性の高さがメリット
3)電動メタルトップ
主に高級オープンカーに採用されており、ダイハツ・コペンにも採用例(コペンが軽自動車というのを考えると凄いことだ)もある。メリットはルーフの開閉に手間と時間がかからないことに加え、ルーフを閉めれば静粛性など鉄のルーフのクルマとほぼ同じ快適性が得られることが挙げられる。
デメリットは手動ソフトトップと対照的に、ルーフの開閉機構にコストと重量がかさむ点、開閉機構がスペースをとるためオープン時だとラゲッジスペースが狭くなる場合が多いことが挙げられる。
4)手動メタルトップ
手動メタルトップは市販車で思い浮かぶのは先代コペンのディタッチャブルトップくらいで、そのほかは初代と2代目のマツダ・ロードスター、ホンダS2000、S660のディーラーオプション品かアフターパーツである。最大のメリットはサーキット走行の際にルーフのあるクルマと認められるため、オープンカーだとサーキットによっては必要になるところがあるロールバーを着ける必要がなくなることだ。
デメリットは手動メタルトップを外して走るなら置き場所が要ること、クルマやそのパーツにもよるが重くサイズが大きい場合が多いため1人では脱着できないケース多々あるなど、脱着に手間と時間がかかるという点が挙げられる。そのため手動メタルトップは「そのクルマのオープンカー以外のところに大きな魅力を感じ、チューニングも施しながら硬派に使いたい」というマニアックな層が選ぶことが多く、オープンにするのは諦めて手動メタルトップを着けたら外すことはほぼないという人もいるくらいだ。
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