メルセデスVクラスのキャンピングカー「マルコ・ポーロ」 VWカリフォルニアより魅力あり

■どんなクルマ？

動くリビング

メルセデス・ベンツ・マルコ・ポーロを外側から見た時の印象は、バンそのものであり、内側から見たそれは、豪華な家である。まばゆく輝く木目調の床、キッチンにコンロ、それにダブル・ベッド等々。間取りの十分なロング・ホイールベース版のメルセデス・ベンツVクラスをベースにしている。

歴史家が説明するまでもなく、車名は、13世紀の偉大な冒険家から取られている。これは、ダイナミクスといった運動性能よりも、据付家具や器具、そして寝室等に焦点が集まる理由にもなっている。

メルセデス・ベンツは、ラグジュアリーをキャンピングカーというコンセプトへ持ちこんだのだ。

テスト車は、スポーツ・トリムで、これは同等のVクラスよりも£15,000（218万円）高価である。しかし、シートがあるべきところは、ベッドであるし、ところ狭しと設置されている家具や器具をみると、最近の狭いアパートさえも広く感じさせる。

約£55,000（801万円）あれば、まだまだイギリス国内でもそれなりの部屋を探すことができるが、果たしてこのキャンピングカーはその価格の正当性を証明することができるのだろうか？


■どんな感じ？

細部までこだわりぬいたインテリア

マルコ・ポーロのインテリアは、至福の場所である。ふた口のコンロ、冷蔵庫、キッチン・シンク、折り畳み式テーブル、そして、収納庫、これらの配置はコンパクトで、使い勝手も良い。

立ち上がって作業する場所の頭上スペースなど、細やかなところにも気を配っていると感じる。

標準のヨット・スタイルの床は、雰囲気を醸し出すのに貢献しているし、可動式のベンチ・スタイルのリア・シートは、座り心地が良く、簡単に移動させることができる。ボタン操作でダブル・ベッドにもなる。

フロント・シートは回転式で、これをクルマと呼ぶかキッチンと呼ぶかに関わらず、簡単な操作でリビングへと変貌させることができる。

しかも、シートは限られたスペースのなかでも、他に干渉することもなく、望む場所に配置できる。寝室側の屋根は、ボタンの操作で開閉可能。ふたつのクリップを外すことで、開け放つこともできる。

数少ない欠点は、フロント・シートの間にあるUSBポートの配置である。突き出た、ナビなどのコマンド・コントローラーの直下にあって、少々使いにくい。

しかし、これをして考え抜かれたインテリアのレイアウトに汚点を残すわけでもないし、USBポートとコンセントは車内中に張り巡らされているので、影響を受けるのは、ドライバーと助手席の乗員に限定される。

ドライバー・シートからの眺めは最高。前方の視界は良く、狭い場所での駐車でも、標準で備わるパーキング・センサーとリア・ビュー・カメラの助けを借りれば問題はない。大きなクルマではあるが、取り回しは悪くない。


エンジン、乗り心地も検証

Vクラスの4気筒ディーゼル・エンジンは、エンジンをスタートさせる時とアイドリング状態での雑音が少々気になる以外は、非常に良く躾けられている。

パワーは十分で、追い越しをする時、高速道路で流れに取る時や合流する時等で苦労することは皆無だ。

トルクの大部分は低回転域から発生するので、鞭打って走らせる必要もない。エンジンは、シルクのようになめらかな、7速デュアル・クラッチ・オートマティックと組み合わされる、ドライバーがどれだけ速く変速を望もうと、不満を訴えることはない仕上がりである。

バンのサイズのクルマに18インチのホイールを履かせているのだから、悪路での乗り心地を期待するまでもないが、それでも、マルコ・ポーロの車内は快適である。

このサイズと重量のクルマであるから、ブレーキには気遣う必要があるだろうという点は忠告しておこう。


■「買い」か？

フォルクスワーゲンに気になる1台が

マルコ・ポーロが打ち出す回答は、すべてが好意的で前向きなものである。しかし、問題はその価格。

マルコ・ポーロのライバルと目される、フル装備したフォルクス・ワーゲン・カリフォルニアは、マルコ・ポーロよりもわずかに魅力的な価格なのだ。

そのうえエントリー・レベルのカリフォルニアは、約£20,000（291万円）近くもお得だ。

しかし、仕様を精査した上で比較検討を行った場合、マルコ・ポーロの価格は妥当ともいえる。

高い品質、パフォーマンス、維持費を鑑みると、間違いなくライバルを凌駕している。

もし、あなたが究極のキャンピングカーを望み、それに対価を支払う心構えがあるのであれば、マルコ・ポーロは考察すべき選択である。

メルセデス・ベンツ・マルコ・ポーロ250dスポーツ・ロング

■価格　£55,055（806万円）
■全長×全幅×全高　5140×1928×1980mm
■最高速度　206km/h
■0-100km/h加速　9.8秒
■燃費　15.8km/ℓ
■CO2排出量　169g/km
■乾燥重量　2440kg
■エンジン　直列4気筒2143ccターボ・ディーゼル
■最高出力　190ps/5500rpm
■最大トルク　22.4kg-m/1400-2400rpm
■ギアボックス　7速オートマティック

Comments

いいね〜 欲しいな〜

島田紳助がCMやってたのが懐かしく感じる