先日終了した東京モーターショーで登場した日産IMk。筆者を含め、デイズルークスの後継車だと考えていた方は多いだろう。
しかし、関係者によると、ルークスとしてではなく、どうもこのまま軽規格EVとして登場するという説がある。
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となると、この軽EV、日本国内で大ヒットする可能性がある。日産関係者から聞いた生の声を元に、元日産エンジニアの筆者が考察する。
文;吉川賢一、写真:日産、ベストカー編集部
【画像ギャラリー】軽EV ニッサンIMkとアリア コンセプトを見る!!
ニッサンIMkをこのタイミングで出した理由とは?
今回の東京モーターショーにおいて、EVのコンセプトカーは他メーカーからも多く出品されていた。
数年前までのフワフワとしたEV像とは違い、今回はマツダのMX-30など、直ぐにあのままのスタイルで登場してもおかしくないほどに作りこまれたクルマが登場してきている。
東京モーターショーで行われた日産記者会見の様子
日産が発表したIMkとアリア コンセプトもまた、良く作りこまれたコンセプトカーだ。
筆者の経験上、あのクオリティまで作りこまれたコンセプトカーは、既にプロトタイプカーに近いレベルにまで、開発が進んでいることが多い。
より具体的な話をお聞きしようと、日産関係者にヒアリングをした。
日産関係者に話を聞いてみると…
IMk
筆者「まず、IMkは新型ルークスではないのでしょうか?」
担当「それについては将来の商品計画になりますのでお答えできないのですが、弊社の中期経営計画で、“今後EVを出していく”と宣言していますので、その方針に従って進めていると考えていただければと思います。」
筆者「ということは、IMkとアリア コンセプトもあのままEVとして登場するということでしょうか?」
担当「その件に関しましてもお答えできかねます。アリア コンセプトとIMkとは断言できませんが、方向性はあっていると考えています。詳しくは私も分かっていないのです。」
アリアコンセプト
筆者「なるほど。ただ、私の経験上、エクステリアが現実味のある形で作りこまれたコンセプトカーは、ほぼその姿で出ることが多いですよね。今回のIMkとアリア コンセプト、どちらもデザインの完成度が非常に高く見えます。」
担当「お褒めいただきありがとうございます。ズバリお答えできないのですが、どちらも日産らしく、クオリティ高く作り込んだクルマです。」
軽自動車のEVは大人気となる兆し
量産軽EV 三菱i-MiEV
筆者「では話題を変えて、軽EVといえば三菱i-MiEVが既にありますよね。あの辺は意識されたのでしょうか?」
担当「これも具体的に意識したとは言えませんが、そうですね。もちろん視野にはありました。」
筆者「ではi-MiEVに限らず、他車に対してIMkやアリア コンセプトの強みと考えている点は何でしょうか?」
担当「弊社がもつ強みとして、これまで世界中の日産車販売に携わる営業の皆さんが、リーフを売りぬいてきたという自信があります。
EVオーナーになるお客様への適切なフォローや、EVに関するトラブル対処、どういったシーンでお客様が不安に感じたのかなど、膨大な経験とデータがあります。
この経験値は、これからEVに参入する他メーカーにはまだないものです。こうした情報を生かしたIMkやアリア コンセプトには、他車にはないおもてなしが入っていると思いますし、営業サイドにはこれらのEVが出たら、他メーカーに売り勝つ自信があると思います。」
リーフ
筆者「なるほど。リーフの販売台数は他社では経験していませんよね。強みではありますが、その経験がどのように生かされているのかが気になります。
私も1年間リーフに乗っていましたが、あったらいいなと感じたのが例えばワイヤレス充電です。ショーでは良く話題にはなりますが、なかなか出てこないですね。」
担当「コネクタ無しの給電の要望があるのは承知していますが、残念ながらお答えできません。」
IMkは海外展開を考えているか?
筆者「軽規格のEVは海外で流行りませんか? i-MiEV はシトロエンへOEMしていましたよね。フランスでは認知ゼロではなく、市場がないわけではないですね。どう思われますか?」
担当「あるともないとも言えませんが、マーケットはすべての可能性を加味しながら検討しています。」
筆者「軽のガソリン車であっても、ヨーロッパの都市部やアジアなど、道が狭い地域では売れるかもしれませんよね。今年登場したデイズの走りは相当よくなったと感じています。」
担当「ただし、海外では路面が荒れている地域が多いため、今の軽自動車の作りではクルマが合わないかもしれません。
日本の軽は綺麗な路面に合わせて作られていますから、海外の路面に合わせたしっかりとした作り込みでないと、そのままでは認めてもらえないでしょうね。」
筆者「なるほど。ぜひIMkには日本を飛び出して、海外に向けても発信をしていただきたいと祈っております。本日はありがとうございました。」
まとめ
具体的に国内販売を開始するとは答えられないものの、担当者の語り癖から推測すると、実際に登場する可能性が大と考えられる。
プロパイロット2.0搭載でハンズフリーでの高速走行も合わせて優位に立てば、サブカーとして小型車を考えているお客様には、ジャストフィットの可能性がある。
ただし、ネックとなるのが車両販売価格に直結するバッテリー容量。筆者の希望は、200万円以下で200km走れる超軽EVだ。
将来的に、日産がIMkにどういったシナリオを与えて出してくるのか、楽しみである。
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