現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > 今年はさらに“観るレース”としての魅力がアップ! 「GR86&BRZ」「MAZDA2」「トヨタ・カローラ」のメーカー系チームに注目【スーパー耐久2022】

ここから本文です

今年はさらに“観るレース”としての魅力がアップ! 「GR86&BRZ」「MAZDA2」「トヨタ・カローラ」のメーカー系チームに注目【スーパー耐久2022】

掲載 更新
今年はさらに“観るレース”としての魅力がアップ! 「GR86&BRZ」「MAZDA2」「トヨタ・カローラ」のメーカー系チームに注目【スーパー耐久2022】

開幕近づくスーパー耐久は例年以上の熱戦に期待大!

 吹く風は相変わらず冷たいものの、快晴に恵まれた2月23日。富士スピードウェイではシーズン開幕を前に、スーパー耐久の公式テストが開催されました。先立って発表された2022年シーズンの年間エントリーリストでは、61台もの参加が明らかに。今回のテストにはそのうち39台が顔を見せ、3月19日(土)~20日(日)の開幕戦まで残り3週間余りとなったタイミングもあってか、熱心に走り込みを続けていました。

名車なのに当時は不遇の扱い……偉大な兄に翻弄されて評価が低くなってしまった国産スポーツモデル4選

注目マシンも多く見て楽しめる要素が大幅アップ

 スカイラインGT-Rが圧倒的な強さを見せ、シビックとレビン/トレノがドッグファイトを演じていたグループAによる全日本ツーリングカー選手権(JTC)に対して、アマチュアにも門戸を広げたツーリングカーレースがありました。いわば参加型のツーリングカーレースとして、1990年に始まったN1耐久シリーズを源流とするスーパー耐久シリーズは、近年FIA-GT3やGT4、あるいはTCRといった世界的な新規定による車両を受け入れるようになり、参加型としてだけでなく“観るレース”としての魅力が随分アップしてきました。

 3月19日(土)~20日(日)に開催される鈴鹿5時間耐久レースで開幕するスーパー耐久シリーズ 2022 Powered by Hankookでは、さらにその“観るレース”としての魅力がアップすることになりました。これは昨年の最終戦でも公表されていましたが、これまでトヨタが支援するORC ROOKIE RACINGがエントリーしていただけのST-Qクラスに、マツダ(MAZDA SPIRIT RACING)とSUBARU(Team SDA Engineering BRZ CNF Concept)が登場したのです。

 富士スピードウェイで行われた公式テストでは3台のニューカマーが走行。ORC ROOKIE GR86 CNF ConceptとMAZDA SPIRIT RACING MAZDA2 Bio concept、BRZ CNF Conceptが初顔合わせとなりました。GR86 CNF ConceptとBRZ CNF Conceptはバイオマスを由来とした合成燃料を、MAZDA2 Bio conceptはバイオ燃料であるユーグレナ(どちらもカーボンニュートラル燃料のひとつ)を、それぞれ使用してレースを戦うことになります。

 3台のなかでも注目すべきはGR86 CNF Conceptでしょう。ベースモデルではBRZと同様に2.4Lのフラット4を搭載していますが、GR86 CNF Conceptでは1.4Lの直列3気筒エンジンをターボチャージャーで過給しています。

 ターボ係数を掛けると約2.4Lとなり、BRZ CNF Conceptや、ST-4クラスのGR86/BRZと“同じ土俵”に立つことも可能になってきます。23日の公式テストは、ともに今回が実質的なシェイクダウン。ベストタイムこそGR86 CNF Conceptが1分53秒454まで詰め、対するBRZ CNF Conceptは1分56秒台に留まっていたため、2秒7ほどのアドバンテージを見せつけていました。

 それに気温や路面温度が低すぎたことから、実戦を占うにはデータ不足。何よりもメーカー系のチームが本気で手掛けてくれば、タイムは大きく短縮されるはず。

 1.5L直4のターボディーゼルであるMAZDA2 Bio conceptはメカニズム的には2台に対してビハインドを背負っているのは間違いありませんが、同じST-Qクラスの車両に対して負けっぱなしになるとも思えず、何よりも大きく技術が磨かれることは間違いありません。

 さらに昨年から参戦していたCorolla H2 Conceptも、給水素に大きく時間がかかることで大きなハンディを背負っているのですが、こちらもパフォーマンスが大きくアップすることが期待されています。やはりレースは技術を磨く場なのです。

「レースは走る実験室」をビール片手に観戦するのも悪くない

 そう考えていくと、かつて本田宗一郎さんが口にしていた「レースは走る実験室」というフレーズが思い起こされます。ホンダが2輪ロードレースの世界GPやF1GPに挑戦を始めたころは、よりハイパワーを求めての実験が続けられましたが、現在では環境技術のひとつとして水素やバイオマスを由来とした合成燃料などのカーボンニュートラル燃料を研究する場としては最適なものとなります。

 世界耐久選手権(WEC)のシリーズ戦としてだけでなく、今もスポーツカーレースの最高峰とされるル・マン24時間レースでは、そんな新技術にトライする場として55台の出走枠に加えてガレージ56という特別枠を設けて未来の技術を探る場としていました。

 昨年から創設されたスーパー耐久のST-Qクラスは、「シリーズを統括するスーパー耐久機構(STO)が参加を認めたメーカー開発車両、または各クラスに該当しない車両により争われるクラス」に定義されています。初年度となった昨年は、ORC ROOKIE RACINGが市販レース車両であるGT4仕様のGRスープラを先行開発するためにエントリーしていて、直接的にはこれがクラス設立のきっかけとなりました。6月に富士で行われたシリーズ第3戦の富士24時間耐久レースでは、ORC ROOKIE RACINGからCorolla H2 Conceptがデビューしています。

 レースファンやクルマ好きだけでなく、広く関心を集めることになりました。まさに日本版のガレージ56が誕生した瞬間でした。

 新たな目標に向かって技術を磨いていくのは、クルマ好き、レース好きにとってもウェルカムですが、もちろんスーパー耐久の魅力はそれだけではありません。日産GT-RやレクサスRC-F、あるいはポルシェ911やメルセデスAMG、アストン・マーチン・バンテージAMRなど内外のスーパースポーツカーのFIA-GT3仕様から、トヨタ・ヤリスやホンダ・フィットなどのコンパクトハッチまで、さまざまなクラスの車両が、その持てるパフォーマンスを絞り出して熱戦を繰り広げることが大きな魅力となっています。

 そして現在日本では、これが唯一となっている24時間耐久レースも、スーパー耐久シリーズの大きな魅力となっています。取材していても充分に楽しめるレースですが、富士の24時間は仕事を放りだし、ビール片手にバーベキューを頬張りながら観戦するというのも手かな。そんな想いを馳せることになったスーパー耐久の公式テストでした。

こんな記事も読まれています

“プロフェッサー”プロストに肩を並べたフェルスタッペン。偉大なる「4度のF1チャンピオン」は史上6人目
“プロフェッサー”プロストに肩を並べたフェルスタッペン。偉大なる「4度のF1チャンピオン」は史上6人目
motorsport.com 日本版
アウディだけどポルシェが作ったRS2! 名車誕生のワケは「財政難のポルシェを救うため」の仕事だった
アウディだけどポルシェが作ったRS2! 名車誕生のワケは「財政難のポルシェを救うため」の仕事だった
WEB CARTOP
F1 Topic:4連覇に王手をかけたフェルスタッペン。タイトル獲得条件をおさらい
F1 Topic:4連覇に王手をかけたフェルスタッペン。タイトル獲得条件をおさらい
AUTOSPORT web
世界的に数字の入った車名だらけ! 数え歌的に車名で1から10まで数えてみた
世界的に数字の入った車名だらけ! 数え歌的に車名で1から10まで数えてみた
WEB CARTOP
【試乗】ボルボ XC90が大幅改良。「完全電動化への橋渡し」だけでは役不足だと感じる、新型の熟成度
【試乗】ボルボ XC90が大幅改良。「完全電動化への橋渡し」だけでは役不足だと感じる、新型の熟成度
Webモーターマガジン
[15秒でわかる]トライアンフ『タイガー・スポーツ660』…先進機能を多数搭載
[15秒でわかる]トライアンフ『タイガー・スポーツ660』…先進機能を多数搭載
レスポンス
約260万円! スバル新型「インプレッサ」発表に反響! 新色に「爆オシャブルー」採用したスバルの人気「5ドアハッチ」どんな人が買ってるの?「最新の納期」もまとめて紹介!
約260万円! スバル新型「インプレッサ」発表に反響! 新色に「爆オシャブルー」採用したスバルの人気「5ドアハッチ」どんな人が買ってるの?「最新の納期」もまとめて紹介!
くるまのニュース
教習所での路上試験で安全運転義務違反は何点減点されるのか?
教習所での路上試験で安全運転義務違反は何点減点されるのか?
LE VOLANT CARSMEET WEB
【MotoGP】経営悪化のKTM、レッドブルによる『救済』のウワサは否定。MotoGPへの影響懸念も「全ての参戦シリーズに残る」
【MotoGP】経営悪化のKTM、レッドブルによる『救済』のウワサは否定。MotoGPへの影響懸念も「全ての参戦シリーズに残る」
motorsport.com 日本版
まだ多くの日本人が知らないEVの「走る以外」のメリット! 東京都なら実質約3万円で設置できる「VtoH」とは
まだ多くの日本人が知らないEVの「走る以外」のメリット! 東京都なら実質約3万円で設置できる「VtoH」とは
THE EV TIMES
日本導入に期待! アウディのコンパクトクロスオーバー「A3オールストリート」に本国でPHEVを追加
日本導入に期待! アウディのコンパクトクロスオーバー「A3オールストリート」に本国でPHEVを追加
Webモーターマガジン
山本舞香さんがラリージャパン2024でトークショーに出演。特注のレーシングスーツ姿を初披露
山本舞香さんがラリージャパン2024でトークショーに出演。特注のレーシングスーツ姿を初披露
AUTOSPORT web
マツダのフラッグシップといえば『センティア』があった【懐かしのカーカタログ】
マツダのフラッグシップといえば『センティア』があった【懐かしのカーカタログ】
レスポンス
ついに首都高八重洲線10年間の通行止めに! 2025年4月上旬から。KK線ともお別れ。【道路のニュース】
ついに首都高八重洲線10年間の通行止めに! 2025年4月上旬から。KK線ともお別れ。【道路のニュース】
くるくら
トヨタが「大逆転ワールドチャンピオン」に! 最後の最後でドラマがあった!? トヨタ会長「感動という共感が生まれる」 WRCで「マニュファクチャラーズ」獲得、ラリージャパンもトヨタ優勝
トヨタが「大逆転ワールドチャンピオン」に! 最後の最後でドラマがあった!? トヨタ会長「感動という共感が生まれる」 WRCで「マニュファクチャラーズ」獲得、ラリージャパンもトヨタ優勝
くるまのニュース
市川團十郎×佐藤琢磨、同い年のふたりが歌舞伎とレースに共通点見出す。白熱するトークの裏で11歳の新之助が大物ぶりを発揮!?
市川團十郎×佐藤琢磨、同い年のふたりが歌舞伎とレースに共通点見出す。白熱するトークの裏で11歳の新之助が大物ぶりを発揮!?
motorsport.com 日本版
日産が新型「車中泊ミニバン」発売! 巨大ベッド&高性能四駆を搭載した「4人乗りセレナ」がスゴい! 車高アップで走破性高めた新モデルとは?
日産が新型「車中泊ミニバン」発売! 巨大ベッド&高性能四駆を搭載した「4人乗りセレナ」がスゴい! 車高アップで走破性高めた新モデルとは?
くるまのニュース
ポルシェの超レアな限定車「911ダカール」がついに生産終了!最後の1台は斬新なカラーリングで驚愕
ポルシェの超レアな限定車「911ダカール」がついに生産終了!最後の1台は斬新なカラーリングで驚愕
VAGUE

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

332.2381.7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

75.0550.0万円

中古車を検索
BRZの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

332.2381.7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

75.0550.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村