■走行性能を大幅に高めた「LC EDGE」の特徴は?
レクサスは2023年6月8日、フラッグシップクーペ「LC」を改良するとともに、特別仕様車「EDGE(エッジ)」を発表しました。
改良を実施したLC標準モデルよりもさらに高い走行性能を実現したと言いますが、どのようなポイントに手を加えたのでしょうか。
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LCは、2017年に発売したレクサスのフラッグシップクーペ/オープンカー(コンバーチブル)で、独創的なデザインや優れた走行性能を実現し、レクサス全モデルの乗り味を方向づけているモデルです。
今回の改良では、エンジンマウントの変更やリアサスペンション部の補強、従来のナットからボルトへホイールの取り付け方法を変更するなど、乗り心地と操縦安定性の向上を図っています。
また、機能面では12.3インチのタッチディスプレイとともにパノラミックビューモニターや先進運転支援「レクサス セーフティ システム+」の拡充も図りました。
改良について、LCチーフエンジニアを務める武藤 康史氏は以下のように話します。
「今回、全体を通して1番やりたかったのはLC500 コンバーチブルの『トンネルブレース追加、床下ブレース補強』でした。これにより剛性や振動といった部分は大きく改善されています。
もうひとつはパノラミックビューモニターの採用です。LCはラグジュアリークーペということもあり、やはり日常でも扱いやすいという部分も重要な要素でした。
最後はやはり他のレクサスモデルでも採用しているホイールのハブボルト化で、これは走りの質が大きく向上しました」
この改良とともに登場したのが60台限定のEDGEです。
開発コンセプトは「より鋭く、より優雅に」。内外装から走行性能に至るまでスポーティさに磨きをかけて登場しました。
エクステリアでは、専用色の「HAKUGIN(白銀)」を採用。光と影が織りなす静寂の銀世界から着想を得たと言います。実車を見るとフラッグシップモデルらしい威厳を高めつつも、引き締まった印象も与えます。
「クリア塗装のなかに艶消し剤の粒子を入れて、全体的にコーティングしています。
一般的なマット塗装とは工程としては大きい違いはありませんが、ホワイトの場合塗装のアラが目立ってしまい、塗装粒子のコントロールが難しく、生産時点でも難易度の高いものです」(武藤氏)
フロントグリルやドアミラー、ヘッドライト下部などはグロスブラック加飾とし、21インチホイールも合わせてマットブラック仕上げにすることで、走りへのストイックさとブラック・ホワイトのコントラストが映え、精悍な印象を与えています。
また、空力性能向上のために一体成形カナード付きフロントバンパーと固定式リアウイングを装備しています。
このカナードについて、先出の武藤氏は世界初の樹脂成形技術を採用したと言います。
「カナードはフロントバンパーに別途装着するタイプのものではなく、バンパー素材に裏側から専用金型を押し当て、バンパー自体をカナード形状に変形させています。
これにより、空力性能だけでなく、つなぎ目のないスムーズなデザインを両立しました」
リアウイングは軽量のCFRP素材を用いたもので、取り付け剛性についても計算されたものだということです。
「最大限まで空力性能を確保するために、リアフェンダー近くまで回り込ませることで長さを確保しました。
長さが必要なぶん台座も内側に寄せ、片持ちとなってしまうため素材自体も剛性の高いCFRPを採用しました」(武藤氏)
テールにかけてなだらかなラインをえがくトランクに、サイドまで回り込んだリアウイングがグッとスポーティな印象へと変化させています。
■エンジン&ボディも強化 インテリアは専用色を採用
一方でボディについても、改良によって剛性を高めたベースモデルよりもさらに強化を図っています。
フロントの床下ブレース追加に合わせ、新開発のリアアルミ中空サスペンションメンバーを採用。従来のスチール製と比べて大幅に剛性を高めました。
合わせて、サスペンションチューニングも実施することによって旋回性と操縦安定性を向上。
パワートレインには大きな変更はありませんが、5リッターV型8気筒エンジンはスムーズで上質な吹け上がりを実現したと言います。
「主に、コンロッドやピストンの質量合わせを実施しました。インジェクターの噴射量もこれに合わせて調整することで、ばらつきを低減しています。
エンジンルームをのぞいただけではわからないので、EDGEにのみ装備される特別なエンブレムも考えています」(武藤氏)
ATには改良モデルでオプション設定されるATクーラーを採用することで、サーキットなどでの全開走行でも油温の上昇を抑制します。
加えて、リアのディファレンシャルギアは一度組み上げたパーツをばらし、熟練工による手作業でバックラッシュ(間隙によって生じる遊び)の調整を実施し、加減速時の応答性とドライブフィールを高めています。
インテリアは、藍を生地に染み込ませるために行う作業の「かつ(叩く)」から転じ、古くから勝利の色として伝わる専用色「KACHIIRO(勝色)」を採用し、運転に没入できる空間としました。
実車では光が当たると深みのあるブルーがハッキリとわかり、天井やピラーにも用いられたアルカンターラ素材と合わせることでスポーティさと特別感を感じられる仕上がりです。
LC EDGEの価格(消費税込)は1760万円です。
※ ※ ※
LC EDGEについて武藤氏は以下のように説明します。
「EDGEという名称は、切れ味鋭くという思いをこめて採用しました。
全体のテーマとしてはHAKUGINのイメージと、インテリアではエアレースで活躍している室屋義秀氏とのコラボレーションでも使用したKACHIIROの要素を取り入れ、全体的に『走り』のイメージを創造しました」
なお、LC EDGEは2023年6月8日から27日まで販売店で抽選申込受付を実施し、当選者は29日から商談を開始する予定です。
申込期間中の6月17日から26日までは「レクサスインターナショナルギャラリー青山」(東京都港区)でプロトタイプを展示し、22日から27日までは「レクサスギャラリーミッドランドスクエア」(名古屋市中村区)にて日本仕様車を展示する予定です。
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みんなのコメント
なんでトヨタ系はワクワクするような内装がデザイン出来ないんでしょうね。
レクサスなんて好きな人は内装分高くなってでも買うでしょうに。