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アストン マーティン V8ヴァンテージ 中古なら4.3? 4.7? 故障のリスクは?

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アストン マーティン V8ヴァンテージ 中古なら4.3? 4.7? 故障のリスクは?

もくじ

ー アナログなスポーツカーのお手本
ー 4.3か4.7か
ー アストン マーティン V8ヴァンテージの中古車 購入時の注意点
ー 専門家の意見を聞いてみる
ー 知っておくべきこと
ー いくら払うべき?
ー 掘り出し物を発見

アナログなスポーツカーのお手本

全く新しく生まれ変わったアストン マーティン・ヴァンテージV8 4.0のために12万ポンド(1821万円)を準備できなくても、その祖先となるモデルの金額ならどうだろう。

ディーラーでの整備記録が整った、2006年式の走行距離8万kmほどのモデルなら、約3ポンド(456万円)で見つけることが可能なのだ。

前モデルのV8ヴァンテージの登場は、とてもセンセーショナルなもので、これまでのアストン マーティンのモデルの中で最も高い完成度を持っていると評価された、魅力的なクルマ。

というのは言いすぎかもしれないが、エンジンの信頼性は高く、部分的に発生する塗装面の気泡を除けば、ボディもしっかりしている。

また、現在の中古車市場を見渡すかぎり、ほとんどが複数オーナーだが、その多くのクルマは11万kmを超えていない。これはポルシェのディーラーの方が教えてくれたことだが、例えば5人のオーナーの履歴があったとしても、しばらく楽しんで手放される度に、メンテナンスされている可能性が高いらしい。

V8ヴァンテージ・クーペは2005年に発売が開始され、オールアルミ製の4.3ℓのV8エンジンは、385psと41.6kg-mを発生させる高回転型。リアホイールを6速マニュアルか、6速セミAT「スピードシフト」を介して駆動する。

サスペンションはアルミ製のダブルウイッシュボーンで、フロント、リアともにアンチロールバーが備わる。ボディはアルミニウム製が標準。インテリアもレザーが贅沢に使われ、パネルの一部はアルミ製となり、10ウェイのパワーシートが身体を支えてくれる。

オプションとしてナビも選択できたが、使い勝手はイマイチ。2007年にはロードスターが発表されたが、その中古車価格は約3万5000ポンド(531万円)からが相場となる。

4.3か4.7か

2008年には、指摘されていた低回転域でのトルク不足を改善させるため、さらに強力な、426psと47.8kg-mを発生する4.7ℓのV8エンジンに更新される。

これにより、ヴァンテージは0-100km/h加速を4.3秒でこなし、中回転域での出力特性も大幅に向上された。ちなみに4.3ℓモデルの0-100km/h加速は4.8秒だった。

4.7ℓモデルの方が状態が良いものが多いが、自動車税は排気量のぶんだけ高くなる。イギリスの場合、4.7ℓモデルは400ポンド(6万円)だが、4.3ℓモデルは165ポンド(2万5000円)。

そのほかの変更点としては、センターコンソール周りが新しくなり、19インチのアルミホイールも新デザインとなったこと。4.7ℓモデルの中古車相場は、4万2000ポンド(637万円)前後だ。

実際、われわれは4万2480ポンド(645万円)で、2009年モデルのワンオーナー車、走行距離が5.6万km、ディーラーでの記録簿が付いたクルマを発見した。もっと近年のモデルや状態が良いクルマとなると、5万(759万円)ほどは見ておきたい。

一方で4.3ℓモデルでも、望めばインジェクション・システムとECUのソフトウエアを更新することで、405psと42.7kg-mまで増強できる。

4.7ℓモデルでは人気のスポーツパック・オプションとして選べた、ビルシュタイン製のダンパーや軽量なアルミホイールも、別途入手が可能となっている。装着を検討する価値は十分にある。

予算に余裕があるなら間違いなく4.7ℓモデルをお勧めするが、4.3ℓモデルもコストバリューは高い。しかもスタイリングは変わらず美しい。通り過ぎるヴァンテージを振り返り、見とれるくらいなら、思い切って手に入れてはいかがだろう。

アストン マーティン V8ヴァンテージの中古車 購入時の注意点

エンジン

補機類のベルトは、冷間時にまれに鳴くことがあるが、テンション・プーリーの交換で治る。冷間時にエンジンの回転数を上げすぎると痛める場合があるので注意。

マフラーのバイパス・バルブがオリジナルのままかどうか、確認しておきたい。4.3ℓモデルのオイルストレーナーは、オイル交換時に一緒にクリーニングしてもらうとよい。

トランスミッション

冷間時には、1速と2速に入りにくくなる。クラッチの賞味期限は6万5000kmほど。交換費用は約3000ポンド(45万円)。

ホイールとブレーキ、サスペンション

ホイールのアライメント確認は大切。摩耗したブレーキディスクやパッドは交換が前提となる。走行距離が余りに短いクルマは、ショックアブソーバーのオイル漏れやスプリングの破損も疑う。ジオメトリーを調整するボルトは、交換に多額の費用が必要だ。リアのハブ付近にあるロワーブッシュ・ハウジングの破損も要確認。

ボディ

排水孔の詰まりによって、トランク内が浸水していないかを確認。ボディがサビている場合は、その箇所の修復を疑う。Aピラーの付け根や、パーキングセンサー付近の塗装状態、グリルの緩みや変色などもしっかり観察する。

アルミニウムの酸化は生産初期のモデルでの問題で、鏡面仕上げのウイング・ステーやドア下面、ドアハンドルの内面などの白濁化を確認したい。ラジエターグリルの奥にある垂直に伸びるバーは、塗装が剥がれやすい部分だ。

インテリア

ナビの反応速度を確認する。またモニターを開閉するプラスチック製のギアは割れやすい。レザーのスレや破れにも注意が必要だが、加えてダッシュボードの上面の表皮は収縮する場合がある。

専門家の意見を聞いてみる

スチュワート・ゴルードスミス
リッキー・カン社シニア・エンジニア


「ヴァンテージのV8エンジンは頑丈で信頼性も高いですが、もちろんメンテナンスは重要です。しっかりした整備記録があるか、確認は不可欠ですね。ただ、そのメンテナスは必ずしも正規ディーラーで受けていなくても大丈夫です。様々な車種に関わっている分、ディーラーのサービス工場と遜色ないメンテナスが可能だと思います」

「タイヤのブランドや、その状態の確認も大切なポイント。エアコンやヒーターのコントロールが正常に機能するかも見ておきましょう。修理はかなりの高額となります」

「しっかりメンテナスされたアストン マーティンV8ヴァンテージなら、想像以上に手頃な費用でオーナーとなれるはずです」

知っておくべきこと

アストン マーティンのディーラーで延長保証を付加することが可能だ。標準プランは1年間2192ポンド(335000円)だが、1498ポンド(229000円)の追加でプレミアムプランにも変更が可能。その際、アストン マーティン正規ディーラーでの有償での点検が求められ、90日後にさらに再点検をしてもらう必要がある。点検費用は初回が600ポンド(91000円)、再点検が300ポンド(45000円)。

いくら払うべき?

2万9000ポンド~3万4995ポンド(440万~531万円)

発売当初から2008年までの、4.3ℓモデルが中心。マニュアルとセミATがあり、ほとんどはアストン マーティンでの整備記録があるはず。

3万5000ポンド~3万9995ポンド(532万~607万円)

走行距離6万km程の4.3ℓモデルが中心。ロードスターもわずかながら見つかるかも。

4万ポンド~4万4995ポンド(608万~683万円)

セミATのクーペとロードスターが揃う。4.7ℓモデルも少数ながら選べる可能性がある。

4万5000ポンド~4万9995ポンド(684万~764万円)

状態の極めて良い4.3ℓモデルのロードスターや、4.7ℓモデルが見つかるはず。

5万~6万9995(765万~1070万円)

4.7ℓモデルの2010年から2015年モデルまで、選択できる。

掘り出し物を発見

アストン マーティン・ヴァンテージ  登録2006年 走行8.1万km 価格3万3000ポンド(504万円)

この価格帯でも、魅力的なヴァンテージが多く見つかるが、個人売買で出品されているこのクルマは、正規ディーラーでの整備記録が全て揃い、クラッチとブレーキディスク、パッドは新品に交換済み。またクルマに関して、詳しい情報をオーナーから直接聞くことも可能だろう。

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