キープコンセプトながら大胆な変更も随所に
この記事の公開日は2023年8月17日。今から45年前の今日――すなわち1978年8月17日に発売された名車をご存じであろうか? 日産フェアレディZのS130型系である。
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【画像11枚】懐かしの二代目Z、そのディテールを見る!
わが国を代表するスポーツカー、日産フェアレディZ。その初代モデルは、オープンスポーツカーであるフェアレディのモデルチェンジを機に生まれた。誕生(1969年10月)にあたっては日本国内同様、いやそれ以上に、北米市場に受け入れられることが目標だったが、北米市場では予想以上の大ヒットを記録。欧州製スポーツカーを駆逐したとまで言われてしまうほどであった。そんなZの二代目モデル・S130型系が発売されたのは、デビューから約9年後となる、1978年8月17日のことだ。
ボディスタイルは初代のイメージを踏襲しつつ空力面にも磨きをかけたものだが、サイズは拡大され、全長4340mm、全幅1690mm、全高1295mm。2.8Lモデルではバンパーにオーバーライダーが装着されるため、全長は4420mmとなる。先代とは異なりボディはBピラー付きで、代わりにドアがサッシレスとなり、構造的にも一新された。先代同様にボディタイプには2シーターと2by2(4人乗り)があり、後者はホイールベースが200mm延長されていた(2シーター:2320mmに対し2520mm)。そのため2by2の全長は2L:4540mm、4620mmとなる。
エンジンは先代同様L型6気筒だが、3ナンバー用は2.4Lから2.8Lへと排気量をアップしたL28Eへと変更。5ナンバー用は先代後期型から継承した2LのL20Eを搭載する。いずれもEGI(電子制御インジェクション)を装備し、最高出力はL28Eが145ps、L20Eでは130psであった。トランスミッションは5速マニュアルと3速オートマチック(ニッサンマチック)の2種類が用意されたが、標準モデルのZ(2L)のみオートマは設定されなかった。
サスペンションは先代では前後ともストラット式であったが、S130ではリアをセミトレーリングアーム式に改めている。フロントのストラットやリアのショックは摺動摩擦を低減するなど細かな改良を施し、操縦性と乗り心地の改良が図られていた。ステアリングは先代同様にラック&ピニオン式だが、上級グレードにはインテグラル型パワーステアリングをオプション設定。また、ブレーキも四輪ディスクへと進化している。
スペースと装備の両面で室内の快適さをアップ
快適性の向上も二代目の重要なテーマで、室内幅が75mm拡大された(2by2における数値)ほか、きめ細かい騒音振動対策や、空調システムの改善などが行われている。インテリアはダッシュボードに初代の面影を残すものの、装備も充実し、よりゴージャスなものとなった。本革シートがトップモデルの280Z-Tにオプション設定されたほか、当時自動車用としては世界初となるアンビエンス・システム付き4スピーカー・ステレオが一部に標準装備されたのも、ゴージャス化の例として挙げることができよう。最高グレードの280Z-Tには、新開発のフルオートエアコンもオプションで設定された。
グレード構成は2LのZを標準にZ-L、Z-Tの順で豪華モデルとなり、2.8LにはZ-LとZ-Tのみ。この5種類が2シーターと2by2両者にそれぞれ設定され、前述のトランスミッションの組み合わせにより、合計で全18モデルとなる。価格は2シーターのZで146万円、Z-Lで162.5万円、280Z-Tで215.5万円。2by2のZ-Tで198.8万円、280Z-Tで237.3万円。いずれも東京地域の価格、また全て5速MT車の場合で、AT車は2Lで+4万円、2.8Lでは+4.3万円であった。
この後1980年3月には、2.8L車にエンジン集中電子制御システムECCSを採用。またこのとき、ブルー/シルバーのツートンをZ-Tにオプション設定している。同年11月にはZ-TにTバールーフを追加、専用色としてブラック/シルバーのツートンも用意された。同時に、2L車にもECCSが採用されている。
1981年10月にはマイナーチェンジでデザインを変更、全車にソフトカラードバンパーが装着された。機構面では2.8Lの性能向上が図られ、最高出力10psアップを実現(155ps)。2.8LのZ-Lは廃止されている。1982年10月には2Lモデルにターボを追加。専用の扁平率60%タイヤが装着されるのも話題を呼んだ。そして登場5年目の1983年9月にフルモデルチェンジを行い、三代目・Z31型へとバトンタッチした。
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