現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > かつては電卓片手に華麗に見積もり作成がディーラーマンの見せ場! 対面商談すら煩わしく感じるイマドキの世の「新たな見せ場」とは

ここから本文です

かつては電卓片手に華麗に見積もり作成がディーラーマンの見せ場! 対面商談すら煩わしく感じるイマドキの世の「新たな見せ場」とは

掲載 4
かつては電卓片手に華麗に見積もり作成がディーラーマンの見せ場! 対面商談すら煩わしく感じるイマドキの世の「新たな見せ場」とは

 この記事をまとめると

■新車ディーラーでの商談はセールスマンのワザの見せどころでもあった

かつての新車セールスマンはグルメ多し! 働き方改革と共に消えた「営業の醍醐味」とは

■昭和から平成初期はお客の目の前で「手計算」にて見積書を作成するのが主流だった

■働き手不足も深刻で「1980年代フォーマット」を継承することはすでに限界にきている

 昭和・平成の商談はエンターテインメントの場でもあった

 新車購入においては、最近では若い世代ほど「ウザい」と感じるかもしれないが、ディーラーのショールームを訪れてセールスマンとひざを突き合わせて車種選びや値引き交渉を進める「商談」を行うのがまだ一般的である。新型コロナウイルスの感染拡大が進むなか、オンライン会議システムなどを活用した「リモート商談」なるものが注目されたが、その後、新型コロナウイルスの感染拡大収束後はすっかりなりを潜めている。

 日本よりはるかに社会のデジタル化が進んでいるアメリカでも、いまのところリモート商談の利用は限定的との話もある(アメリカでは契約成立後すぐに店頭にある購入した新車に乗って帰ることもできる)。面倒くさいとは思いつつも、セールスマンとのリアルワールドでの商談が世界的にはまだまだ主流となっているようだ。ただし韓国では例外的ともいえるが、オンライン商談が主流となっているようである。

 商談はもちろん購入条件の交渉の場なのであるが、単に交渉するだけではなくセールスマンは交渉の課程でお客の購買意欲を喚起させるための「ワザを見せる」エンターテインメントの場でもあったのだ。

 昭和や平成初期には「手計算」にて見積書(一般消費者に対しては正式書式のものではないが)を作成するのが主流であった。電卓を華麗に操り、いかに短い時間で作り上げるかがセールスマンのワザの見せどころでもあった。

 一覧表はもっていたのだが、自動車税や重量税、自賠責保険料などをすべて暗記しておき、計算対象車種に合わせてパッパと計上し、任意保険料についても手計算で保険料を算出するなど、商談テーブルにてお客の目の前でセールスマンは見せ場を作っていたのである。そして、お客も知らず知らずのうちにそのワザに魅入られていき購入意欲が高揚していったのである。

 そして令和のいま、見積書は端末入力して作成しプリントアウトするのが当たり前となっている。トヨタ系やスズキ系の一部ディーラーなどでは、タブレット端末や商談テーブルに大きめなディスプレイを設置してお客の目の前で作成するが、多くのメーカー系ディーラーでは、お客の希望を聞くと奥の事務スペースへ引っ込み、そこにある端末で見積書を作成してもってくることになる。お客としては作成している間は待ちぼうけを食らうことになる。これではなかなか購入意欲も高まらない。

 仮に商談テーブルで作成できたとしても、最近では税金など諸費用が複雑になっていることもあり、端末に条件入力すると自動的に各諸費用が算出されて見積書が完成してしまうので、見せ場というものはなくなってきている。

 商談にもそろそろ時代にあったまったく新しい見せ場が必要

 たとえばアメリカではセールスマンはそれぞれが間仕切りされた専用スペースをもち、そこで商談することになるので、セールスマンが商談中に端末入力のためなどで中座することはない。日本でも専用スペースを設けているディーラーもあるが、まだまだ限定的。日本ではそもそも道路沿いのショーウインドウに沿って商談テーブルを置くなど、外から見えやすい場所に商談スペース(テーブル)を設けていることがほとんど。通りすがりの人が、「あそこの店は人が多くいる」としてショールームに足を運びやすくさせるという考えがあったようだ。

 アメリカのように、「それじゃ私のスペースへ」とセールスマンに通されれば、何か特別扱いされているようで悪い感じは抱かないはずである。個人的には日本のように愛車をもち込んで点検・整備が終わるのを待つ人と同じ空間で商談をすることには違和感を抱いてしまっている。これもアメリカの例だが、商談スペース及びショールームと点検・整備を待つスペースは建物内でもキッチリわけられており、ディーラーによっては建物はおろか場所すら別になっていることもある。

 まれな話だが、日本では商談に来たのに、点検・整備を待つ人でテーブルが埋まっているといった本末転倒みたいなシチュエーションに遭遇することもある。

 手計算が商談では当たり前だったころには、いまよりもセールスマン個々のパーソナリティを知ることができた。日本では車検制度など厳格な点検・整備制度もあり、そのため購入ディーラーと納車後も担当セールスマンを介して付き合いを続けるケースが多い。ある意味商談という場は、セールスマンとの相性が合うかあわないか(相性が合わなければ値引きなど好条件も引き出しにくい)、「お見合い」の場でもあった。

 セールスマンは店頭で完結せずに、お客の自宅へお邪魔して商談し、お客の生活状況なども確認していたので、まさに商談はお見合い色が強かった。とはいっても、令和のいまに昔のようなお見合い感覚の商談に戻せというつもりはない。それは社会がすでにそのようなものを許容していないからである。

 昔のような手数の多い見せ場のないなか、セールスマンがいかに「セルフプロデュース」してくるのかを見極めようと思っていれば、煩わしさの目立ついまどきの商談も楽しんで受け入れることができるともいえよう。すでに過去に比べれば店頭一発契約のように商談にかける時間は短くなっている。それでも「面倒くさい」と思う気もちは減らないどころか、クルマ以外の買い物に比べれば面倒くさいと感じる人は増えてきている。

 すでに新車購入商談は見せ場が少なくなり、条件交渉に終始することも目立ってきているのが現状である、そして働き手不足も深刻である。

 働き手不足に悩むファミリーレストランでは、テーブル備え付けのタブレットで注文し、ネコ型配膳ロボットが頼んだ食事を持ってくる。そしてセルフレジで会計を済ますことになることも多い。このように激変したサービスであっても、たいした混乱もなくお客はそれを受け入れているが、際立って不満をもっているようにも見えない。そしてネコ型配膳ロボットは、すでに世界中で活躍している。

 新車購入の商談もそろそろ時代にあったまったく新しい見せ場を見せる時期に差しかかっているのではないかと考えている。働き手も足りないなか、いつまでも基本的な部分で「1980年代フォーマット」を継承することはすでに限界にきているように見える。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

ハースがレースチーム体制を変更、F1史上初の女性レースエンジニアが誕生。2025年型マシンのデビューは2月16日の予定
ハースがレースチーム体制を変更、F1史上初の女性レースエンジニアが誕生。2025年型マシンのデビューは2月16日の予定
AUTOSPORT web
「エンジンブレーキは迷惑行為!」で物議を呼んだ「エンブレ問題」って何!? そもそもなぜ「エンジンブレーキ」は存在し、どう使うべきなのか?
「エンジンブレーキは迷惑行為!」で物議を呼んだ「エンブレ問題」って何!? そもそもなぜ「エンジンブレーキ」は存在し、どう使うべきなのか?
くるまのニュース
半蔵門線の最新車両を有楽町線の新富町駅で撮影できる!---東京メトロ×はとバス共同企画
半蔵門線の最新車両を有楽町線の新富町駅で撮影できる!---東京メトロ×はとバス共同企画
レスポンス

みんなのコメント

4件
  • abk********
    元セールスと思しきネット自動車ライターのコタツ昔話なら個人ブログでやってよ
  • まほほん
    昔ながらのダラダラ時間を浪費する見積りを好む
    年寄りが多くて中々やり方を変えられないのかな?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

あなたの愛車、今いくら?

申込み最短3時間後最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!

あなたの愛車、今いくら?
※1:本サービスで実施のアンケートより (回答期間:2023年6月〜2024年5月)
メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

あなたの愛車、今いくら?

申込み最短3時間後最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!

あなたの愛車、今いくら?
※1:本サービスで実施のアンケートより (回答期間:2023年6月〜2024年5月)
メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村

あなたの愛車今いくら?