現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > THS-IIの技術をベースに生まれたスバル初のPHVモデル「クロストレック ハイブリッド」

ここから本文です

THS-IIの技術をベースに生まれたスバル初のPHVモデル「クロストレック ハイブリッド」

掲載 更新
THS-IIの技術をベースに生まれたスバル初のPHVモデル「クロストレック ハイブリッド」

スバルUSAは2018年11月20日、初のプラグインハイブリッド「CROSSTREK HYBRID(クロストレック ハイブリッド)」を発表した。クロストレックの日本名はXVだ。


実はこのクロストレック ハイブリッドは、日本ではプロトタイプと称して9月30日~10月3日に神戸コンベンションセンターで開催された「第31回 国際電気自動車シンポジウム・展示会」(EVS 31)に出展されていた。しかしその後日本でお披露目されることはなく、アメリカで2019年モデルとして発表されたのだ。
※関連情報:スバル初のプラグインハイブリッド車「クロストレック ハイブリッド」を米国で発表

トヨタ、中国・広州ショー「カローラセダン」発表 詳しく説明

このクロストレック ハイブリッドの正式のお披露目は11月30日から開幕する2018 ロスアンゼルス・オートショー」となる。この新型モデルは、カリフォルニア州大気資源局(ARB)との約束に従って送り出されるスバル初のZEV規制対応モデル第1号となる。

新プラグインハイブリッドはトヨタTHS-IIの改良型

クロストレック ハイブリッドに搭載されるPHVシステムは「スタードライブ・テクノロジー」と名付けられている。その意味は、スバル独自の水平対向エンジン、リニアトロニックCVT、モーター、シンメトリカルAWDを組み合わせたハイブリッドシステム名だとしている。

しかしプラグインハイブリッドの基本システムはトヨタのプリウスPHVのユニットだ。もちろん、プリウスPHVは横置きエンジン/横置きTHS-II改型のFF用のシステムなのだが、クロストレック用は横置きの2モーター/電気式CVTトランスファーを縦置き用ユニットに設計変更したものだ。

プリウスPHV用のTHS-IIは、モーターの複軸配置のリダクションギヤによる平行軸歯車化ユニットをデュアルドライブ化したユニットで、通常の駆動用のMGU2(モーター/ジェネレータユニットNo2)モーターに加え、急加速などの大負荷時には発電用のMGU1ジェネレーターを駆動モーターとして使用し2モーター駆動になるシステムだ。

このユニットを縦置き配置にし、しかも従来のスバルの縦置きトランスミッションに近い形状にまとめているのがクロストレック ハイブリッドのハイライトだ。レイアウト的にはMGU1をフロントデフの真上にやや左側にオフセットして配置し、MGU2をトランスミッションケース後方に、最後端に前後プロペラシャフトの出力部と一体化されたトランスファーを配置している。

そしてMGU1とMGU2の間にリダクション平行軸ギヤを配置している。このギヤ部分は横置き用のプリウスPHV用よりスペースに余裕がある。当然ながら、モーターの配置、ギアユニット、そしてトランスミッションケースはスバル専用になっている。このPHVの心臓部となるハイブリッド・トランスファーの部品の製造はトヨタが行ない、組み立てはスバルが担当する。

NEXT:リチウムイオン・バッテリー、PCUもトヨタ製


リチウムイオン・バッテリー、PCUもトヨタ製

PHVのもう一つの心臓部が、リチウムイオン・バッテリーとパワコントロールユニット(PCU)だ。クロストレック ハイブリッドはこれもトヨタ製のユニットを採用している。そのためバッテリー電力容量8.8kWhはプリウスPHVと同容量でバッテリーヒーター付きであることも共通だ。またPCUも同じものを使用している。

なお、リチウムイオン・バッテリーはリヤのラゲッジスペースのフロア上に配置されているので、ラゲッジスペースは通常のガソリンエンジン車より上下方向に狭くなっている。またPCUはリヤ席の足元下面に置かれている。

このように、クロストレック ハイブリッドのモーター/エンジン制御もプリウスPHVと共通だが、加速特性のチューニングはスバル独自になっているのかどうか、現時点では判明していない。モーター総出力は120ps、最大トルクは202Nm。

搭載エンジンはFB20型だ。当然ながらこのFB20型はハイブリッド専用の仕様で、高圧縮比、大量EGRを採用。このクロストレック ハイブリッド用は139ps/182Nmと発表されている。このエンジンはプリウスPHVの2.0Lエンジンの98ps/142Nmより出力が大きいのが特長だ。

常時AWDのハイブリッド

クロストレック ハイブリッドの性能は、バッテリーの電力のみで走行するEV走行距離は
27km、燃費性能はアメリカ方式のMPGe(Miles per gallon of gasoline equivalent:ガソリン等価換算燃費)で38km/Lと発表されている。


このクロストレック ハイブリッドが、プリウスPHVと大きく違うのは機械式の常時AWDであり、モーター駆動ならではのレスポンスのよさを活かし悪路走破性をベースモデルより高めている。

クロストレック ハイブリッドのエクステリアは、ハイブリッド専用のサテンシルバー加飾を加えたグリルや前後バンパーを採用し、インテリアは全体をブルー基調でコーディネートしている。またメーター表示、マルチインフォメーションモニターは専用の表示となっている。


さて、このクロストレック ハイブリッドは日本では販売されるのか? XVは日本では「e-BOXER」を搭載したXV アドバンスが発売されているため、このプラグインハイブリッドモデルの販売の可能性は低く、当面はアメリカ専用モデルとされる可能性が大きいと考えられている。

【概要】

スバル XV 関連情報
スバル 関連情報
スバル 公式サイト

こんな記事も読まれています

【ポイントランキング】2024年WRC最終戦ラリージャパン後
【ポイントランキング】2024年WRC最終戦ラリージャパン後
AUTOSPORT web
無冠の帝王が汚名返上。苦節13年で初王者のヌービル「本当に長かった。大変な努力へのご褒美だ」
無冠の帝王が汚名返上。苦節13年で初王者のヌービル「本当に長かった。大変な努力へのご褒美だ」
AUTOSPORT web
フェルスタッペンがドライバーズ選手権4連覇【正式結果】2024年F1第22戦ラスベガスGP 決勝
フェルスタッペンがドライバーズ選手権4連覇【正式結果】2024年F1第22戦ラスベガスGP 決勝
AUTOSPORT web
古さと新しさが同居した天才的デザインに仰天!! ディフェンダーの「貫禄」にシビれた!!!【テリー伊藤のお笑い自動車研究所】
古さと新しさが同居した天才的デザインに仰天!! ディフェンダーの「貫禄」にシビれた!!!【テリー伊藤のお笑い自動車研究所】
ベストカーWeb
ドリキンが自腹購入したホンダ「シビックタイプR」でチューニング指南! 無限×ヤマハコラボの「パフォーマンスダンパー」は買いです
ドリキンが自腹購入したホンダ「シビックタイプR」でチューニング指南! 無限×ヤマハコラボの「パフォーマンスダンパー」は買いです
Auto Messe Web
【F1第22戦決勝の要点】 岩佐歩夢が分析するメルセデスの速さの秘密「マシン特性の不利を覆すほどのいい仕事」
【F1第22戦決勝の要点】 岩佐歩夢が分析するメルセデスの速さの秘密「マシン特性の不利を覆すほどのいい仕事」
AUTOSPORT web
1.2L 3気筒+モーター3基で300ps ルノー・ラファール E-テックへ試乗 アルピーヌに相応しい走り
1.2L 3気筒+モーター3基で300ps ルノー・ラファール E-テックへ試乗 アルピーヌに相応しい走り
AUTOCAR JAPAN
ヒョンデ「アイオニック5」がマイチェンで航続可能距離703キロに! 気になる車両価格は523万6000円から…30台限定の「コナ マウナ ロア」にも注目
ヒョンデ「アイオニック5」がマイチェンで航続可能距離703キロに! 気になる車両価格は523万6000円から…30台限定の「コナ マウナ ロア」にも注目
Auto Messe Web
『絶対完走』の重圧に耐えた勝田。来季シートがかかっていたことを示唆【ラリージャパン後コメント】
『絶対完走』の重圧に耐えた勝田。来季シートがかかっていたことを示唆【ラリージャパン後コメント】
AUTOSPORT web
米国にある「廃車の山」で見つけたお宝 40選 後編 ジャンクヤード探訪記
米国にある「廃車の山」で見つけたお宝 40選 後編 ジャンクヤード探訪記
AUTOCAR JAPAN
中型からステップアップ 人気の“ミドルクラスネイキッド”スズキ「SV650」とカワサキ「Z650RS」どっちを選ぶ?【スペックでライバル比較】
中型からステップアップ 人気の“ミドルクラスネイキッド”スズキ「SV650」とカワサキ「Z650RS」どっちを選ぶ?【スペックでライバル比較】
VAGUE
ラリージャパンで一般車の侵入という衝撃トラブルが発生! SSのキャンセルもあるなかトヨタ勢は2・3・5位に着ける
ラリージャパンで一般車の侵入という衝撃トラブルが発生! SSのキャンセルもあるなかトヨタ勢は2・3・5位に着ける
WEB CARTOP
米国にある「廃車の山」で見つけたお宝 40選 前編 ジャンクヤード探訪記
米国にある「廃車の山」で見つけたお宝 40選 前編 ジャンクヤード探訪記
AUTOCAR JAPAN
サーキット派に朗報! ウェッズスポーツ「TC105X」に16インチの新サイズ登場…マツダ「ロードスター」や走りのFF車にオススメです
サーキット派に朗報! ウェッズスポーツ「TC105X」に16インチの新サイズ登場…マツダ「ロードスター」や走りのFF車にオススメです
Auto Messe Web
【ラリージャパン2024】最終ステージでトヨタが逆転! マニュファクチャラーズタイトル4年連続獲得、豊田章男会長「感動という共感を生んだ」
【ラリージャパン2024】最終ステージでトヨタが逆転! マニュファクチャラーズタイトル4年連続獲得、豊田章男会長「感動という共感を生んだ」
レスポンス
独創的な「近未来」フォルム! シトロエンCX 5台を乗り比べ(1) モデル名は空気抵抗係数から
独創的な「近未来」フォルム! シトロエンCX 5台を乗り比べ(1) モデル名は空気抵抗係数から
AUTOCAR JAPAN
1度の運転では好きになれない シトロエンCX 5台を乗り比べ(2) GTiにファミリアール 仏大統領も愛用
1度の運転では好きになれない シトロエンCX 5台を乗り比べ(2) GTiにファミリアール 仏大統領も愛用
AUTOCAR JAPAN
4連覇を決めたフェルスタッペン「苦しいシーズンの中で多くのことを学んだ。だからこそ特別だし、誇らしい」
4連覇を決めたフェルスタッペン「苦しいシーズンの中で多くのことを学んだ。だからこそ特別だし、誇らしい」
AUTOSPORT web

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

338.3401.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

44.8390.5万円

中古車を検索
プリウスPHVの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

338.3401.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

44.8390.5万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村