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一度慣れたら病みつきになる…「賢く使いこなす」が大事なACCの「使いどころ」

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一度慣れたら病みつきになる…「賢く使いこなす」が大事なACCの「使いどころ」

 走行中に運転をアシストしてくれるアダプティブクルーズコントロール(Adaptive cruise control、以下ACC)。設定した車速内で前走車に合わせて追従走行してくれるほか、昨今では、渋滞時のストップアンドゴーも自動でしてくれたり、コーナーのRがきついところや料金所手前でも自動減速してくれたりと、高性能なACCも増えてきました。便利なACCを上手く使いこなしたい、という人に向け、ACCの賢い使い方を考えてみましょう。

文:吉川賢一
アイキャッチ画像:Adobe Stock_ Andri
写真:SUBARU、LEXUS、Adobe Stock

一度慣れたら病みつきになる…「賢く使いこなす」が大事なACCの「使いどころ」

運転が楽になるだけでなく、安心安全を高めることにも貢献してくれる

 車載レーダーと車両周囲に付けたカメラによって、前走車との車間距離を常に検知し、前走車が自車よりも遅ければ、それに合わせて減速し、一定の車間距離を保つ「追従走行」をしてくれるACC。昨今は、前走車の停止に合わせて自車も停止し、前走車が再発進した場合には再び追従走行を開始する「全車速追従タイプ」が主流となっています(再発進をする際に、アクセルペダルの操作が必要になる車種とそうでない車種がある)。また、レーン中央をキープするようにステアリング制御も加えた高度先進運転支援テクノロジーも増えてきました。

昨今は前走車の停止に合わせて自車も停止し、前走車が再発進した場合には再び追従走行を開始する「全車速追追従タイプ」のACCが主流(PHOTO:Adobe Stock_ scharfsinn86)

 ACCが作動している最中は、アクセルとブレーキによる車速調整はクルマ側がサポートしてくれるため、ドライバーの疲労軽減につながりますし、ヒューマンエラーを防ぐことも可能。無駄なアクセル・ブレーキ操作が減るため、燃費向上にも貢献します。さらに高性能なACCでは、ドライバーを常時モニタリングして、万が一、体調不良などで意識を失ったときには、安全に停止する高次運転支援制御も。ACCは、運転が楽になるだけでなく、安心安全を高めることにも貢献してくれるのです。

レクサスに搭載されているレクサスチームメイト・アドバンスドドライブ (渋滞時支援)。一部の高速道路や自動車専用道路にて渋滞(0-40km/h)になると、ドライバーが周囲の監視をしている条件でハンズオフが可能となる

高速道路、流れのいい国道、長い下り坂でもACCは活用すべし

 そんなACCを積極的に活用したいシーンとして、真っ先に考えられるのは、やはり高速道路でしょう。高速道路を周囲のクルマの流れに合わせて運転するようなシーンでは、ACCは常時ONでの走行が適しています。また、ノロノロ運転が続くような渋滞時の高速道路では、車速ゼロまで追従するACCが便利。アクセル・ブレーキの頻繁な操作から解放されて、足が疲れにくくなります。このほか、道幅の広い国道のような一般道路でも、ACCは活用したいところです。

 また、長い下り坂がつづく道路も、ACCが役立ちます。ACCは設定した車速を維持してくれますので、アクセルペダルを離していても加速していってしまう下り坂でも、自動で車速調整をしてくれるので、運転に余裕が持てます。筆者はよく、神奈川県の箱根湯本から箱根峠を結ぶ箱根新道を利用しますが、下りを走行する際はACCを積極的に活用します。

 下り勾配がきつすぎる箇所では、ACCによる減速が間に合わない(加速が上回ってしまう)場合もありますので、そのあたりはクルマの特徴と坂の状況を確認しながら、見極める必要がありますが、ACCを活用することで、車速に気を遣うことが減るため、運転がぐっと楽になるのです。

長い下り坂でも、一定速を維持してくれるACCをセットすることで、車速に気を遣うことなく運転ができる(PHOTO:Adobe Stock_ kaedesyrup)

豪雨や霧・雪などの視界が悪い場合には使用NG

 以前は、ACCについて自動車メーカーは、「ACCは高速道路上でのみご使用ください」や「夜間や雨天、霧などの場所ではご使用をおやめください」としていましたが、ここ数年で、カメラやセンサーの性能向上や制御ロジックが飛躍的に進化したことで、対応可能なシチュエーションが増え、そうした注意書きを見ることも少なくなってきました。

 ただそれでも、一般道で使用する際にはドライバーが慎重に監視することが必要。クルマや障害物を検知する車載センサーが進歩してきたとはいえ、人間の細かな動きや、歩行者や自転車、オートバイ、キックスケーターなどの見えないところからの飛び出しには、ACCはまだ対応できないためです。

 このほか、高速道路の料金所付近や合流・流出エリア、カーブのきつい首都高、また、豪雨や霧・雪などの視界が悪い場合には、ACCは使わないほうがよいでしょう。センサーが正常に動かない可能性のある環境では危険となりうるためです。レクサスやスバル(アイサイトX)のような一部のメーカー車種によっては、料金所前自動減速機能がありますが、そうした車種であっても、機能を過信することなく、ドライバーが慎重に監視する必要はあります。

スバルのアイサイトX。ツーリングアシストの運転支援機能をオフにすることなく、料金所手前で、ETCゲートを安全に通過できる速度まで減速、通過後はセット車速まで再加速する機能を有している

「賢く使いこなす」ことが重要

 昨今は、ワンタッチで自動レーンチェンジと自動加減速をしてくれる、高度な先進運転支援テクノロジーも登場してきました。ただくれぐれも制御を過信してはなりません。ACCはドライバーの運転をサポートしてくれるだけの機能であることを忘れることなく、便利な機能を賢く使いこなしましょう。

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みんなのコメント

8件
  • ********
    要は使い方なんだろうけど
    一般道でACC使うと予期せぬ加速など
    危ない面もある。
    N箱なんか足回りフニャフニャで
    カーブで加速したら怖いのなんの。
    追従は楽だけどね。
  • vxk********
    下り坂でセットしてもブレーキを踏めば解除になりまた再設定することになります。ブレンドを上手く使えば疲労するのも最小限で走れます。慣れれば難しく有りません。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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