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グレード問わず上質ハッチバック 改良版 アウディA3 スポーツバックへ試乗 プログレ・ステアはオススメ!

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グレード問わず上質ハッチバック 改良版 アウディA3 スポーツバックへ試乗 プログレ・ステアはオススメ!

プレミアムな雰囲気を漂わせる見た目

上級コンパクト・ハッチバックの元祖として、四半世紀も市場をリードしてきたアウディA3。今でも同社のベストセラーで、2位へ2倍以上の差を付けて支持を集めている。そんな人気者も、競争力を強化するためアップデートを受けた。

【画像】グレード問わず上質ハッチバック アウディA3 スポーツバック 競合モデルと写真で比較 全125枚

2021年に登場した4代目の基礎骨格は、汎用性の高いMQBプラットフォームの進化版。パワートレインも改良を受けているが、2024年後半には新しいプラグイン・ハイブリッドも追加予定だ。

見た目の変化は最小限で、フロントグリルの4リングス・ロゴが、僅かに上方へ移動。スポーティなSラインとブラックエディションを選ぶと与えられる、バンパーの造形とリアディフューザーの処理も新しくなった。

ヘッドライト内のLEDデイライトは、4種類の点灯パターンから選択可能。ボディカラーには新色が設定された。

基本的な印象は従来どおり。ハンサムで、プレミアムな雰囲気を漂わせる。フォルクスワーゲン・ゴルフより、豪華に見えることは間違いないだろう。

欧州市場には、クロスオーバー風のA3オールストリートも存在する。僅かに車高が上昇し、フェンダーアーチをブラックのトリムが覆う。だが、残念ながら英国や日本に導入予定はないようだ。

現在の英国仕様のエンジンはすべてマイルド・ハイブリッドで、1.5Lガソリンターボか、2.0Lディーゼルターボの2択。1.5Lで115psの30 TFSIが、エントリーユニットとなる。その上に、150psで1.5Lの35 TFSIと2.0Lの35 TDIが据えられる。

他メーカーも見習うべきインターフェイス

上質なインテリアは、見慣れた雰囲気。ダッシュボードは上下に二分され、ドライバーを包むように、僅かに角度が付いている。

4代目の発表時は、品質やデザインに納得できないという声もあったが、今回の小改良ではそんな意見へ応えている。各部の素材が改められ、ドアパネルには間接照明を内蔵。エアコンの送風口やシフトセレクターは、形状が新しくなった。

インフォテインメント・システムは、同社最新世代のOSが稼働。コネクティビティが強化され、サブスクリプション・サービスなども利用できる。

大きなタッチモニターは、ダッシュボードへ自然に埋め込まれ、過度に目立つことはない。グラフィックは高精細で、処理は高速。メニューのレイアウトも整然としていて、走行中でも基本機能をタップしやすい。

ダッシュボードやステアリングホイールには、実際に押せるハードボタンが多数。エアコンの操作パネルは、前方からの目線移動を最小限にして扱える。

運転支援システムは、ハードボタンで切り替え可能。速度制限警告と車線維持支援が煩わしい場合は、5秒もあればオフにできる。他メーカーも見習うべきだろう。

車内空間は、3代目より左右方向にも上下方向にも数mmづつ増えている。後席側の空間は、やや限定的ではあるが。

荷室容量は380Lで、後席の背もたれを倒せば1200Lへ広がる。これ以上に空間が必要なら、ホンダ・シビックやミニ・カントリーマンなどを検討してもいいだろう。

動力性能に不足ナシ プログレ・ステアはオススメ

今回主に試乗したのは、150psの35 TFSI Sトロニック。動力性能に不足はないものの、豊かな余裕を感じるほどではない。1.5L 4気筒ガソリンターボは、常用域では静かに回転する一方、高負荷時にはやや張り詰めたノイズを放つ。許容範囲ではあるが。

同じく150psの35 TDIは、若干ディーゼルノイズが目立つものの、低域トルクは確実に太い。7速デュアルクラッチATとの相性も良く、少しザラついた印象を薄めている。プラグイン・ハイブリッドにも期待がかかる。

燃費は、35 TDIで20.9km/LとA3のベスト。35 TFSIでも19.2km/Lと悪くない。

アウディは往々にして、ドライバーの気持ちを高ぶらせるような走りの個性を与えることがない。それでも、A3の操縦性は魅力的といえ、主なターゲット層が不満を抱く可能性は低いだろう。

試乗車は、オプションの可変レシオ「プログレッシブ」ステアリングを装備。切込み角度が増えるほどクイックさが増し、回頭性は軽快といえる。駐車場で有効なだけでなく、コーナーが連続する区間では、かなり鋭い反応を引き出せる。

同時に、直進時はすわりが良い。利用条件を問わず、選んで損はないオプションだと思う。ちなみに、電気機械式の速度感応パワーステアリングが標準だ。

ステアリングは、最もスポーティなダイナミック・モードで手応えが明確に増す。切り込むほど不自然な抵抗感を伴うため、デフォルトのままでも良いかもしれない。

どのグレードでも期待通りのプレミアム

サスペンションの構造は、115psの30 TFSIではリアがトーションビーム式。それ以上はマルチリンク式で、乗り心地にはある程度の差があるはず。アダプティブダンパーは、英国では選択できない。

試乗車はブラックエディションで、ホイールはSラインと同じく18インチ。車高が15mm落ちる、スポーツサスも組まれていた。英国のアスファルトでは、ロードノイズが大きめ。乗り心地は硬めながら、不快なほどではないだろう。

小改良後のA3の英国価格は、約2万9000ポンド(約592万円)から。プラグイン・ハイブリッドの45 TFSIeは、4万ポンド(約816万円)を超える見込み。

装備は充実し、フロントのシートヒーターに加えて、3ゾーン・エアコン、スマホのワイヤレス充電パッドなどが標準。リアシートにも、USB-Cポートが設けられている。Sラインの場合、インテリアの間接照明の色を変更できるようになる。

どのグレードでも、不足ない動力性能と優れた運転体験を得られる、アウディA3。乗り心地は硬めながら、長距離走行で悩まされるほどではない。高価なハッチバックといえるが、期待通りプレミアムな仕上がりにある。

トリムグレードとエンジンを慎重に選べば、きっと理想へ近いA3が見つかるはず。パワフルなS3というチョイスもあるし、追加予定のプラグイン・ハイブリッドを待つというのも一手だ。

ベーシックなスポーツグ・レードが、筆者のイチオシ。金額的にも快適性でも、理にかなった設定だと思う。

◯:経済性とパワーのバランスが良いエンジン 実際より大きく感じる安定感 押しやすいハードボタンが多数
△:エントリーグレードは多少高級感が足りない ディーゼルエンジン+スポーツサスの組み合わせは洗練性で劣る 淡泊なステアリングフィール 少し狭めの車内空間

アウディA3 スポーツバック 35 TFSI Sトロニック・ブラックエディション(英国仕様)のスペック

英国価格:3万6015ポンド(約735万円)
全長:4343mm
全幅:1816mm
全高:1430mm
最高速度:225km/h
0-100km/h加速:8.1秒
燃費:17.6km/L
CO2排出量:130g/km
車両重量:1400kg
パワートレイン:直列4気筒1498cc ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:150ps/5000rpm
最大トルク:25.3kg-m/1500rpm
ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック(前輪駆動)

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