30年前に発売されたNAロードスターは大ヒットを飛ばし、フォロワーも続々と登場。また同時期に、BMWやロータスも、新世代のライトウェイト・オープン2シーターを模索し、意欲的なクルマをデビューさせていたのだった。中編となる2回目はBMW Z1をピックアップ!
前回『ユーノス・ロードスター』編はコチラから
これがフラッグシップサルーンの最新バランスシート、求めるのは冷静か刺激か―― BMW 740i編【メルセデスベンツ×BMW×アウディ2023】
BMWが思い描いた、もう一つの未来
これはきっと、未来を見据えた意欲作であると同時に、BMWのホンネが込められた一台だったのだろう。小さなボディのエンジンコンパートに押し込められた直列6気筒をフワワワワ……ッ! と3000回転辺りまで回した時、自然とそう思えた。
Z1のZがドイツ語で未来を表す「Zukunft」(ツークンフト)だというのは有名な話だ。その言葉通りZ1のボディは外板パネルが脱着可能なプラスチック製となっており(モノコックはスチール製)、全長は3921mmに抑えられている。乾燥重量で1250kgという車重はロードスターを知るボクたちから見ると重量級に思えるかもしれないが、アウトバーンを有する彼の地で超高速域での安定性を確保するためには、これ位の質量をもって剛性を得る必要があるはずだ。そしてこの重さを補うべく325i譲りの6気筒エンジンが選ばれ、前述した軽量化が行われたのだ。
【写真14枚】これがBMWが思い描いた、もう一つの未来。Z1の詳細を写真で見る
実際Z1を走らせると、その極めてドイツ的、いやもっと柔軟な古き良きBMW的走りに頬が緩む。柔らかなサスペンションは足長に路面を捕らえ続け、ステアリングを切り込めば、205と当時にしてはワイドながら40扁平のエアボリュームを有するタイヤを、しなやかに路面へ押しつける。
49:51という細かくてドイツらしい重量配分には笑ってしまうが、その挙動は実に落ち着いており、縦長な6気筒をノーズに積むことはおろか、旋回中心軸よりも後ろに座らされるような感覚も一切ない。今回は街中での試乗だったせいもあるが、ヘンテコなスライドドアを付けてまでサイドシル剛性を高めたボディはねじれる様子もなく、FR車が持つスイートスポットの広い後輪駆動感を満喫させてくれる。ライトウェイトスポーツに想起されるハンドリングゲインは一切ないが、これなら超高速ワインディングでタイヤを滑らせながら走れる気がする! というイメージが湧き上がる。
さらにそこからアクセルをグッと踏み込めば、歓喜の瞬間がじわじわッと訪れる。2.5Lの低中速トルクがもたらすイージードライブも確かにいいが、回すほどに漲るパワー感は格別。これぞ失われた自然吸気ユニットの美酒であり、オープントップごしに聴く動弁系の作動音はシルキーシックスを叫びたくなる瞬間である。ゲトラグ製の5MTはシンクロナイザーの柔らかな当たりが心地良く、Z1で初めて採用されたというマルチリンクがその蹴り出しをまろやかに受け止めてトラクションに変えてくれる。
きっとE36M3が軽くなると、こんな風になるだろうな! そのフィーリングは、次世代へと確かにつながっていた。これで6連スロットルでもつけられた日には、悶絶間違いナシだ。
30年の時を経ても十二分に通用する先進性を持つZ1だが、残念ながらセールスは不調に終わり、生産期間はわずか2年、生産台数は約8000台に終わった。時代を作ることはできなかったけれど太く短く生きたZ1を、いま手に入れて愛するのはBMWマニアにとって最高の愛かもしれない。
【SPECIFICATION】BMW Z1
■全長×全幅×全高:3921×1690×1277mm
■ホイールベース:2447mm
■トレッド(F/R):1456/1470mm
■車両重量:1250kg
■エンジン:直列6気筒SOHC
■総排気量:2494cc
■最高出力:170PS/5800rpm
■最大トルク:22.6kg-m/4300rpm
■サスペンション(F/ R):ストラット/ ダブルウイッシュボーン
■ブレーキ(F/R):Vディスク/ディスク
■タイヤ(F&R):225/45R16
■新車時価格:8万3000ドイツマルク(当時1DM≒80円)
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
不要or必要? やっちゃったらおじさん認定!? 「古い」「ダサい」といわれがちな [時代遅れ]な運転法
マジか…? 新制度導入で「車検」通らないかも!? 10月から始まった“新たな車検”何が変わった? 覚えておきたい「OBD検査」の正体とは
ついにその瞬間がやってきた!!!!! シビックベースの70年代風GTカー[ミツオカM55]が限定100台800万円で販売!!!!! 即売必至か?
運営ブチギレ!? 一般車が「検問突破」何があった? 国際イベントでありえない"蛮行"発生! ラリージャパン3日目の出来事とは
ついにトヨタ「新型セリカ」復活!? 次期8代目登場か… 中嶋副社長「セリカ、やっちゃいます。」宣言! 会長も後押し!? ラリージャパンで語られたコトとは
運営ブチギレ!? 一般車が「検問突破」何があった? 国際イベントでありえない"蛮行"発生! ラリージャパン3日目の出来事とは
給油所で「レギュラー“なみなみ”で!」って言ったら店員にバカにされました。私が悪いんですか?怒りの投稿に回答殺到!?「なにそれ」「普通は通じない」の声も…悪いのは結局誰なのか
ホンダ新型「プレリュード」まもなく登場? 22年ぶり復活で噂の「MT」搭載は? 「2ドアクーペ」に反響多数!海外では“テストカー”目撃も!? 予想価格はいくら?
レクサス新型「小型スポーツカー」がスゴい! “テンロクターボ”×初の6速MTを搭載! 最小SUV「LBX MORIZO RR」どんなモデル?
不要or必要? やっちゃったらおじさん認定!? 「古い」「ダサい」といわれがちな [時代遅れ]な運転法
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント