筑波研究学園専門学校の学生が初代クラウンを今風にリメイクして甦らせる
東京オートサロンには、自動車に関する学校が活動の一環として作り上げたカスタムカーの晴れ舞台という側面もあったりします。東京オートサロン2020に筑波研究学園専門学校 自動車整備工学科(TIST)が持ち込んだのは、学生によってレストアされた初代クラウン。観音開きドアが印象的な最初のクラウン、じつは1.5Lエンジンという小さなエンジンを積んでいました。
しかしTISTの学生によってスーパーレストアされた「クラウン2020」は違います。そのフロントには2JZ-FSE(17系クラウンに搭載されていた3.0L直列6気筒ガソリン直噴エンジン)がスワップされています。もともとは4気筒エンジンですから、そのまま搭載するのは不可能。ダッシュパネル(バルクヘッド)をカットして、17系クラウンのエンジンとトランスミッション(5速AT)を載せています。そのため室内にはみ出していますが、ダッシュボードは純正をそのまま活かしているというのがポイント。それでも、よく見るとメーターパネルは17系クラウンを流用していたりと、エンジンスワップに対応したアップデートがさり気なくなされているのは心憎いフィニッシュです。
なお、トランスミッション以降の駆動系はもともとのメカニズムを使っているということです。具体的には、初代クラウンのプロペラシャフトを加工してつないでいます。そのためリアデフは初代クラウンのまま。3.0Lエンジンのトルクに耐えられるのかどうか疑問もありますが、タイヤが先に音を上げてしまうのだそうで、まだナンバーをとって公道走行できる段階にはありません。そうした部分のフォローも含めて学生の学びとして活用していきたいというのが、このクルマの狙いなのです。
それにしても、あらためて見ると初代クラウンのスタイルはいまでも新鮮な部分があります。旧車に現代的なパワートレインを載せるというのは、流行りつつあるスタイルですが、初代クラウンをベースに選ぶセンスはナイス。必見の一台です。
文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)
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みんなのコメント
楽しければいいじゃん