現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 市販化が熱望されたものの無念! 東京モーターショーのイケてるコンセプトカー3選

ここから本文です

市販化が熱望されたものの無念! 東京モーターショーのイケてるコンセプトカー3選

掲載 更新 11
市販化が熱望されたものの無念! 東京モーターショーのイケてるコンセプトカー3選

■東京モーターショーでお披露目された秀逸なコンセプトカーを振り返る

 2年に一度開催されている「東京モーターショー」ですが、本来は2021年10月に第47回が開催される予定でした。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響から、本年4月時点でオンライン開催も困難ということから中止が決定されてしまいました。

マツダ「コスモスポーツ」が45年ぶりに復活!? ワイド過ぎる「COSMO VISION」の正体とは

 東京モーターショーといえば、かつては世界5大モーターショーのひとつといわれる規模を誇っていましたが、近年は海外メーカーの出典数が激減していまい、だいぶコンパクトなショーになったことは否めません。

 しかし、国産メーカーにとっては重要なショーであることに変わりなく、これまで膨大な数のコンセプトカーや市販予定車がお披露目され、来場者から注目を浴びました。

 そうしたコンセプトカーのなかには、完成度が高く市販化が大いに期待されたモデルもあり、実際に市販されたモデルと市販されなかったモデルが存在。

 そこで、市販化が熱望されたものの実現しなかったコンセプトカーを、3車種ピックアップして紹介します。

●トヨタ「S-FR」

 世界的にも貴重な存在である小型FRスポーツカーのトヨタ「86」とスバル「BRZ」は、2代目となる新型が発表されており、BRZはすでに販売を開始し、86ももうすぐ正式に発売となります。

 2012年に初代が誕生した時点で大いに話題となり、日本だけでなく海外でも高い人気を誇りましたが、トヨタはさらにコンパクトなFRスポーツカーとして、東京モーターショー 2015にて「S-FR」を出展しました。

 S-FRの外観はシャープな印象の86に対し、ボディ全体が丸みを帯びた可愛らしいデザインで、「ヨタハチ」の愛称で知られる「スポーツ800」を彷彿とさせました。

 ボディサイズは全長3990mm×全幅1695mm×全高1320mm、ホイールベース2480mmと、86よりもひとまわりコンパクトに設定され、4シーターです。

 エンジンのスペックは不明ながらフロントミッドシップに搭載し、前後重量配分の最適化と4輪独立サスペンションによって、優れたコーナリング性能を実現していたといい、トランスミッションは6速MTを搭載。

 その後S-FRは、翌年の東京オートサロン2016にもレース仕様にカスタマイズされたモデルが展示されるなど、市販化に向けて大きな期待が高まりました。

 実際に内外装のクオリティはコンセプトカーの域を超えた完成度だったことから、トヨタも市販化に向けて動いていたと噂されましたが、残念ながら開発は中止されたようです。

●日産「IDx」

 東京モーターショー 2013で日産ブースに展示され、新型「シルビア」なのではと期待されたFRスポーツカーが「IDx」です。

 それ以前も、日産はシルビアの後継車をイメージさせるコンセプトカーをモーターショーに出展した実績があり、IDxの登場でいよいよ現実味を帯びたと話題となりました。

 IDxのスタイルは2ドアクーペで、公式にはアナウンスされていませんでしたが、デザインは「510(ゴーイチマル)」の愛称で呼ばれる3代目「ブルーバード」をオマージュしていたのは、誰の目からも明らかでした。

 実際にエンジンは直列4気筒をフロントに搭載してリアを駆動するFRを採用していたこともあり、やはり510ブルーバードを彷彿とさせていました。

 バリエーションはスタンダードモデルと、スポーティな「IDx NISMO」の2タイプが出典され、どちらもクラシカルな佇まいのデザインでしたが、IDx NISMOはリベット留めオーバーフェンダーのような造形のワイドフェンダーが採用され、フロントにチンスポイラー風バンパーを装着。外装のカラーリングは往年のレーシングカー、ダットサン「BRE 510」や「BRE 240Z」のカラーリングをモチーフにしていました。

 内装では液晶モニターとアナログメーターが共存するネオクラシックかつシンプルなデザインのインパネで、IDx NISMOでは外装と同じくカーボン製部品をふんだんに使ったレーシーな装いです。

 IDxは公開当時の反響も大きく市販化に期待されましたが、実現されませんでした。

 なお、車名の「Dx」はローマ数字で「510」を表すことから、IDxは510ブルーバードをモチーフとしていたのは間違いないでしょう。

●ホンダ「スポーツEVコンセプト」

 ホンダは東京モーターショー 2017で、「アーバンEVコンセプト」と「スポーツEVコンセプト」の2台のEVを出展しました。

 このうちアーバンEVコンセプトのデザインを受け継いだ都市型EVの「ホンダe」が、2020年10月に発売されたのは記憶に新しいところです。

 そして、もう1台のスポーツEVコンセプトは、デザインはアーバンEVコンセプトと共通項がありながら、AIを搭載した電動ピュアスポーツカーとして開発されていました。

 外観はロングノーズ・ショートデッキのクラシカルな2シータースポーツカーのファストバックスタイルで、仮にエンジンを搭載していたならば間違いなくFRスポーツカーと想像できるフォルムです。

 モーターの出力や搭載位置など詳細なスペックは明らかにされず、次世代のスポーツカーデザインを提案するスタディモデルとしてつくられました。

 アーバンEVコンセプトがホンダeとして市販されたことを考えると、スポーツEVコンセプトの市販化も期待されましたが、現在までその動きは見られません。

※ ※ ※

 前述のとおり、東京モーターショーの規模は昔と比べるとだいぶ縮小されてしまいました。実はこうした傾向は海外のモーターショーでも同様で、市場規模の偏りが理由のひとつといわれています。

 本来、東京モーターショーのようなオートショーは、各メーカーが持てる技術をお披露目する「広報」の場でした。しかし、時代の移り変わりで、販売促進に直結する「宣伝」の場という意味合いが強くなりました。

 そのため、中国などマーケットが大きい地域では多くのメーカーが大々的に出展し、マーケットにあまり期待できない地域では、出展を見合わせるようになったのです。

 直近のオートショーはコロナ禍の影響で中止が相次いでしまいましたが、今後再開された時に、各メーカーの動きによってマーケットの最新の勢力図が見えてくるといえるでしょう。

こんな記事も読まれています

4モーターで587馬力! Gクラス初のEV「G580」世界初公開 メルセデス・ベンツ "最強" オフローダー誕生
4モーターで587馬力! Gクラス初のEV「G580」世界初公開 メルセデス・ベンツ "最強" オフローダー誕生
AUTOCAR JAPAN
トヨタ「プリウス」なぜ人気復活? 飽和状態のハイブリッド市場で“先駆者”が再び注目を集めるワケ
トヨタ「プリウス」なぜ人気復活? 飽和状態のハイブリッド市場で“先駆者”が再び注目を集めるワケ
くるまのニュース
一体どうすればいい? ツーリング先でブレーキやクラッチのレバーが折れてしまった場合の対処法
一体どうすればいい? ツーリング先でブレーキやクラッチのレバーが折れてしまった場合の対処法
バイクのニュース
"カチコチ" に凍ったこの車両は… 初公開「超高級EV」寒冷地テスト 英レンジローバー・エレクトリック
"カチコチ" に凍ったこの車両は… 初公開「超高級EV」寒冷地テスト 英レンジローバー・エレクトリック
AUTOCAR JAPAN
求人増加、物流業界に見るデジタル化の波…リクルート調査
求人増加、物流業界に見るデジタル化の波…リクルート調査
レスポンス
なぜホンダ「アクティ」に大量のハーブが…!? ペパーミントカラーの軽トラはアロマ専門店の看板車、抽出作業を披露いたします
なぜホンダ「アクティ」に大量のハーブが…!? ペパーミントカラーの軽トラはアロマ専門店の看板車、抽出作業を披露いたします
Auto Messe Web
GW渋滞、伊勢湾岸道・伊勢道・東名阪道で20km以上! ピークはいつ・どこで発生? 【ゴールデンウィーク渋滞予測2024】
GW渋滞、伊勢湾岸道・伊勢道・東名阪道で20km以上! ピークはいつ・どこで発生? 【ゴールデンウィーク渋滞予測2024】
くるくら
ホンダと旭化成、LIBセパレーターで協業 カナダで合弁生産へ 2027年量産開始
ホンダと旭化成、LIBセパレーターで協業 カナダで合弁生産へ 2027年量産開始
日刊自動車新聞
【新車価格情報】輸入車 デビュー&改良情報(ダイジェスト)※2024年4月20日時点
【新車価格情報】輸入車 デビュー&改良情報(ダイジェスト)※2024年4月20日時点
カー・アンド・ドライバー
【ゴールデンウィーク渋滞予測2024】混雑を避けて移動したい! 道路別・渋滞予測まとめ
【ゴールデンウィーク渋滞予測2024】混雑を避けて移動したい! 道路別・渋滞予測まとめ
くるくら
最近聞かない「水抜き剤入れますか?」のセリフ! なぜ勧められなくなった? 昔はよく声掛けられたのに…なぜ?
最近聞かない「水抜き剤入れますか?」のセリフ! なぜ勧められなくなった? 昔はよく声掛けられたのに…なぜ?
くるまのニュース
修理代を請求されることはある? 教習所で転倒してしまった場合の責任の所在
修理代を請求されることはある? 教習所で転倒してしまった場合の責任の所在
バイクのニュース
MINIに新種『エースマン』登場、航続406kmのEV…北京モーターショー2024
MINIに新種『エースマン』登場、航続406kmのEV…北京モーターショー2024
レスポンス
GW渋滞、京滋バイパス・阪和道・近畿道・西名阪道・京都縦貫道のピークはいつ?【ゴールデンウィーク渋滞予測2024】
GW渋滞、京滋バイパス・阪和道・近畿道・西名阪道・京都縦貫道のピークはいつ?【ゴールデンウィーク渋滞予測2024】
くるくら
ヨコハマタイヤ 日本のスーパーフォミュラマシンを使った無人自動運転レースにアドバンタイヤを供給
ヨコハマタイヤ 日本のスーパーフォミュラマシンを使った無人自動運転レースにアドバンタイヤを供給
Auto Prove
EVけん引役の米テスラ、4年ぶりの減収減益で“大騒ぎ”[新聞ウォッチ]
EVけん引役の米テスラ、4年ぶりの減収減益で“大騒ぎ”[新聞ウォッチ]
レスポンス
日産ではない日産車? 本格4WD「謎のSUV」発表!新型「パラディン」って? 手掛ける鄭州日産、中国で誕生
日産ではない日産車? 本格4WD「謎のSUV」発表!新型「パラディン」って? 手掛ける鄭州日産、中国で誕生
くるまのニュース
スバル『レガシィ』セダン、2025年春に生産終了へ…電動化への移行を反映
スバル『レガシィ』セダン、2025年春に生産終了へ…電動化への移行を反映
レスポンス

みんなのコメント

11件
  • IDxは出したら売れると思うし自分も買います
    ディーラーのセールス氏はそう語って期待しているご様子でしたな‥
  • プジョーeレジェンドコンセプト。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村