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スパで12kg増もフェラーリの優勢性は「変わらない」とトヨタ技術ボス。ポルシェを加えた接戦を予想

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スパで12kg増もフェラーリの優勢性は「変わらない」とトヨタ技術ボス。ポルシェを加えた接戦を予想

 TOYOTA GAZOO Racingのテクニカルディレクターであるデイビッド・フルーリーは、ハイパーカーのBoP(性能調整=バランス・オブ・パフォーマンス)が変更されたにもかかわらず、今週末にベルギーで開催されるWEC世界耐久選手権第3戦『スパ・フランコルシャン6時間レース』においても、フェラーリ499Pが依然最速マシンであり続けるだろうと考えている。

 先月イモラ・サーキットで行われた2024年シーズン第2戦では、フェラーリは予選でトップ3を独占。ドライからウエットへと変わるコンディションのなかで戦略ミスを犯し、3台の499P全車が表彰台から姿を消したが、雨が降り始めるまで、レース前半パートでは圧倒的な強さを見せつけた。

前戦予選1-2-3のフェラーリに12kgの重量増、さらにパワー削減も。WECスパの性能調整が公開

 そのフェラーリは、第3戦スパに向けた性能調整によって12kgのウエイト追加が決定。さらに4kW(約5.4PS)の出力制限を受け取った。これらはトップカテゴリーに参戦する9つのハイパーカーに加わった調整のなかで最大の変更であり、同じBoPでトヨタGR010ハイブリッドは4kgの増加と1kW(約1.3PS)のパワーダウンとなっている。

 しかしフルーリーは、今回のBoP改定がイモラでのパフォーマンスにおいて根本的な違いを生むことはないと考えており、同時にフェラーリが昨年初めてスパを訪れた際に競争力を発揮した事実も指摘している。

 今季2024年からトヨタの技術部門を率いる彼は記者団に次のように語った。「状況は(イモラと)似たようなものになるはずだが、ギャップは小さくなるだろう。フェラーリが最速であることに変わりはないと思う」

「確かに私たち(スパでの)経験が豊富ではあるが、(GR010ハイブリッドがイモラよりも)適しているとは思っていない」

「フェラーリは昨年もここでペースを見せていたし、それと異なる光景を期待していない」

 したがって、火曜日に発表された性能調整の変更が不十分だったのではないかと尋ねられたフルーリーは、冗談めかして「次の質問!」と答えた。

 しかしこのフランス人技術者は、イモラでの“驚きの勝利”を取り戻すことがトヨタの今週末の最終目標であることに変わりはないと付け加えた。

「賢くなる必要がある。だが、今回は天候に助けられることはなさそうだ」

「しかし、この週末の目標は何かと聞かれれば、それはレースで勝利しチャンピオンシップの差を縮めることだ」

 また同氏は、イモラでのトヨタと現在チャンピオンシップをリードするポルシェの差は小さく、どちらのメーカーも今週末のレースでフェラーリの最大のライバルになる可能性があると述べた。

「(イモラでの)ラップタイムの統計を見ると、我々の方が少し良かった」とフルーリー。

「だが、その差はとても小さかったので、どちらに転ぶか分からない」

■ル・マンでの“パワーゲイン”ルール適用に期待

 今季3戦目となるスパ6時間レースに向けて発行された最新のBoPでは、カタールでのプロローグテスト(公式プレシーズンテスト)で試された、時速210キロを超えるとパワーが増減するいわゆる“パワーゲイン”ルールが今週末も使用されないことが確認された。

 トヨタのチームディレクターであるロブ・ロイペンは以前Sportscar365に対し、ハイパーカー・メーカー間のより良いバランスを実現するため、日本のメーカーが2段階システムの導入を熱望していることを示唆していた。

 この状況について意見を求められたフルーリーは、WECレースでのトライアルがなくてもル・マン24時間レースでこのシステムが導入されることを望んでいると述べたが、“疑問符”が残ることを認めた。

「(ル・マンの前に)どこかの段階で、何らかのかたちで導入されると思っていたが、まだ導入されていない」とフルーリーは語った。

「ル・マンで導入されるのを見たいね」

「FIA国際自動車連盟とACOフランス西部自動車クラブにとって、マシンのパフォーマンスを調整するための自由度がひとつ増えることになる。ラップタイムを調整することと、スピードプロファイルを調整することは別のことだ」

「それは“レースアビリティ”に影響するものなので、我々だけでなく、このスポーツ全般にとって役立つツールだと思う」

「LMGT3クラスでは今年の初めから使われているので、このシステムはすでに実証済みだ」

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