2023年12月20日、マクラーレン・オートモーティブはニューモデルの「GTS」を発表した。これは「GT」の後継モデルとして、スーパーカーのドライビングダイナミクスに加え、日常的な使いやすさと快適性を両立して、ラインナップに追加された。
マクラーレン GTより主張の強いデザインに
マクラーレン GTSは、マクラーレン GTの発展モデルといえるだろう。GTが誇るエクステリアのエレガントなラインは、エアロダイナミクス パッケージやシルエットのベースとして引き継ぎつつも、GTSはいっそう主張の強いデザインとなっている。特徴的な「ハンマーヘッド」のフロントバンパーのスタイリングも刷新され、エアインテークも新しいフォルムに変更された。インテークの幅が拡大したことで、ラジエターに送り込む空気の量も増大している。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
リアフェンダーにおいては、車両の肩にあたる部分のエアスクープが新たに採用された。リデザインされたフロントエンド同様に、リアフェンダーも強化された。巨大なリアディフューザーとデュアルエグゾーストも、GTSの力強いビジュアルとフォルムに貢献している。
その特徴であるカーボンファイバー製モノコックシャシは「モノセルII-T」で、マクラーレン車に求められる強度、超軽量構造、剛性を誇る。標準のコンポジット製ルーフは、再生カーボンファイバー製だ。これを含め、GTSの構造部には多くの軽量化ソリューションが施され、パフォーマンスとダイナミクスの最適化に貢献している。こうした選択は、軽量スーパーカーならではの刺激的なドライビングエクスペリエンスを実現しつつ、乗り心地を損うことなく、不要なノイズ、ハーシュネス、振動を排除する上で役立っている。
4LのV8ツインターボは635psにパワーアップ
車両重量(DIN)はクラス最軽量の1520kg(マクラーレン GTより10kg軽い)で、パワーウエイトレシオはセグメントトップの418ps/トンを誇る。4.0LのM840TE型 V8ツインターボエンジンの最高出力は、635ps/7500rpmに引き上げられた。15psの向上をもたらしたクランクシャフトのトルク増大は、よりアグレッシブな燃焼行程と点火タイミングの改良で可能となった。ローンチコントロール機能を標準装備し、これを稼動させると、0-→100km/h加速はわずか3.2秒、0→200km/h加速は8.9秒で達成し、最高速度は326km/hだ。
組み合わされるトランスミッションは7速SSG(DCT)で、デフォルトの「コンフォート」の他に「スポーツ」と「トラック」の2モードも備え、よりアグレッシブな変速を実現する。なお、どのモードでもステアリングホイールのシフトパドルで変速が可能だ。ブレーキは、前390mm/後380mmのカーボンセラミック製ディスクに前6ピストン/後4ピストンのアルミニウム製キャリパーを備え、100km/hからわずか32mで停止する制動力を誇る。
サスペンションはアルミニウム製のダブルウイッシュボーンで、モンロー製の連続可変ツインバルブ式油圧ダンパーを装備する。マクラーレンの可変ダンパー技術であるプロアクティブ ダンピング コントロールも搭載し、コンフォート/スポーツ/トラックという3種類のアクティブダイナミクス モードによって、サスペンション特性を変化させる。
GTSは、最も実用的なスーパースポーツカーだ
GTSは、都市部でも快適に走行可能だ。前方視界は良く、広々としたガラスのテールゲートやガラス張りのCピラー、大型のリアクオーターウインドーにより、後方視界もとても良い。アンダーボディのグランドクリアランスは、車両リフト機能によって110mmから130mmに拡大できる。車両リフトシステムはGTのシステムから強化され、わずか4秒でノーズを昇降でき、2倍以上のスピードアップを果たした。
リアのカーボンファイバー製アッパーストラクチャーをモノコックシャシに組み込む設計で、パッセンジャーセルの後方には、利便性の高い広々としたラゲッジスペースが生まれた。カーゴエリアの容量は420Lで、これにアクセスできる全面ガラス張りのテールゲートは前方ヒンジの電動式で、ソフトクローズ機能を搭載する。また、ノーズにも150Lの収納スペースがあり、荷室容量は合計570L。前後とも容量はマクラーレン GTと変わらないが、マクラーレン GTSは現在販売されているモデルの中で最も実用的なスーパースポーツカーといえるだろう。
洗練された上質なキャビンは、パフォーマンスとラグジュアリーを感じさせるよう、厳選された素材が組み合わされている。インテリアを彩るのは、精密な研磨加工やローレット加工を施したアルミニウム製のスイッチやコントロールだ。その中には、ステアリングホイールのシフトパドルや、グロスブラックのインフォテインメントスクリーン サラウンド、センターコンソールのギアセレクター、エアベント、ウインドースイッチなどがある。
標準仕様では、コンフォートシートはナッパレザーで、ステアリングホイールはレザーで仕上げられている。新しいインテリアスキームの「パフォーマンス」と「テックラックス」は、デザインと素材が一新された。パフォーマンス仕様のシートは、ソフトグレイン アニリンレザーとアルカンターラで、色はジェットブラックかバローロ、コントラストカラーのパイピングが施される。また、パワーアジャスト ヒーテッド メモリー コンフォートシートも含まれる。
テックラックス仕様では、クラシカルなエレガンスが際立つ、マクラーレンらしいモダンなアレンジが加味される。インテリアにはソフトグレイン アニリンレザーがあしらわれ、シートには洗練されたカラーのハイライトと、新たに採用されたユニークなダブルパイピング パターンが施される。
気になる日本仕様については、現在のところ未発表
10.25インチのデジタル インストゥルメント ディスプレイを装備し、鮮明でシャープなグラフィックによって、車速、ギア、エンジン回転数といったドライビングに不可欠な情報を明瞭に表示する。また標準装備のナビゲーションシステムも統合され、ターン by ターン方式で方向を示す。中央には、7インチの縦型タッチスクリーン式インフォテインメント システムも搭載する。
ルーフは標準仕様ではグロスブラックのカーボンファイバー コンポジット製ルーフだが、パノラミック ガラスルーフを選択すれば、車内に自然光を取り込むことも可能だ。これにはエレクトロクロミック ガラスパネルが使われており、ドライバーはボタンひとつで光の透過率を5段階から選べる。
10スポークの「ターバイン」軽量鍛造アロイホイールも追加設定でき、シルバー、グロスブラック、ダイヤモンドカット加工グロスブラック、オルムから選択可能だ。標準仕様は10スポークの鍛造アロイホイールで、シルバー、グロスブラック、グロスブラック ダイヤモンドカットのほか、専用の「タングステン」も選択できる。どちらのデザインも、新オプションのチタン製ホイール ロックボルト(標準ボルトより35%も軽量)との組み合わせが可能だ。
タイヤは、マクラーレンのテクニカル パートナーであるピレリが供給するPゼロで、GTSのため特別に開発されたものだ。高いレベルのパフォーマンスとグリップだけでなく、洗練された乗り心地も兼ね備えている。
なお、今回発表されたマクラーレン GTSの概要は本国仕様のものであり、日本仕様に関しては車両価格なども含めて現段階ではアナウンスされてはいない。
マクラーレン GTS 主要諸元
●全長×全幅×全高:4683×2045×1213mm
(ミラーをたたんだ状態)
●ホイールベース:2675mm
●車両重量(DIN):1520kg(フルード類+90%の燃料含む)
●エンジン種類:90度V8 DOHCツインターボ
●総排気量:3994cc
●最高出力:467kW(635ps)/7500rpm
●最大トルク:630Nm(64.2kgm)/5500ー6500rpm
●燃料・タンク容量:無鉛プレミアム・72L
●トランスミッション:7速DCT
●0→100km/h加速:3.2秒
●最高速度:326km/h
●WLTP EU複合燃費:8.4km/L
●駆動方式:縦置きミッドシップRWD
●タイヤサイズ:前225/35R20、後295/30R21
[ アルバム : マクラーレン GTS はオリジナルサイトでご覧ください ]
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
【リコール】レクサス、トヨタ スバル25車種23万台超リコール
首都高つながらない「関越道」どう行く? 渋滞を“まるっと避ける”マル秘ルートとは “練馬から正面突破”は最悪?
日産はレクサスLMよりずっと早く「超VIPミニバン」を作っていた! 「エルグランド・ロイヤルライン」の中身がスゴイぞ!!
400馬力! スバルの美しすぎる「スポーツクーペ」が凄い! パワフルな「ツインターボ×四輪駆動」搭載! ガバっと開く「斬新ドア」採用した「B11S」とは
トヨタ新型「スポーツコンパクト」発表! 全長4.3m以下ボディ&6速MTの設定アリ! ブレンボ製ブレーキも搭載の「GR86」墨に登場
みんなのコメント
マクラーレンさん、どうしたんすか???