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【走り出し、すぐ体感】スズキ 新型ソリオ/バンディット試乗 どこが変わった? 荷室/内装/マイルドHVを評価

掲載 更新 13
【走り出し、すぐ体感】スズキ 新型ソリオ/バンディット試乗 どこが変わった? 荷室/内装/マイルドHVを評価

どんなクルマ?

text:Shigeo Kawashima(川島茂夫)

【画像】細部まで見る スズキ新型ソリオ【ダイハツ・トールと比較】 全140枚

photo:Masanobu Ikenohira(池之平昌信)

FMCでリア・オーバーハングを延長したが、それでも全長は3.8m弱でしかない。

スモール2BOX車で標準的なサイズのヤリスよりも150mm短いのだ。対して全高は1745mm。これは1BOX型のノアよりも80mm低いだけ。

ちなみにカタログ室内高は1365mmであり、対ノアの35mm減でしかない。小さな平面寸法で最大限のキャビンを狙ったパッケージングだ。

このスペースを活かしたキャビンユーティリティが、ソリオの最大のセールスポイント。

ゆとりの室内高を活かした高い座面高設定でレッグスペースを稼ぐのはセオリーだが、1BOX型に比べると床面地上高は低く、座面地上高も乗降時の足着き性を考慮した設計。

そのため、一般的な乗用車に比べると不自然なほどヘッドクリアランスが大きい。

スーパーハイト系の軽乗用も同様だが、高い天井と上方が開けた見晴らしはサイズ以上の開放感と前後席の空間共有感を高める。広いだけではなく和める居心地をもたらしてくれるのだ。

実用面の新型の見所の1つが荷室長の拡大。

広くなった荷室を確認

荷室長は、従来車に対して100mm延長され、後席スライドを最後位置にセットしても奥行き550mmを確保。

後席使用荷室最大では715mm、後席収納時は1390mmにもなる。

後席最前位置セットでも男性の4名乗車に十分なニースペースを備えている。また、後席のスライド/リクライニングおよび収納は左右独立型となっている。

助手席下の着脱型ボックスや豊富な小物収納など、軽乗用開発で培ってきた実用性向上のノウハウを遺憾なく発揮。

気軽なタウンカーでありながら、このキャビンユーティリティによりクラスを超えたファミリー&レジャー用途適性を実現している。

自然吸気1.2L+MHV どんな感じ?

HV仕様は、先代ではAMTと組み合わせたパラレル式ハイブリッド車も設定されていたが、新型ではNA 1.2L 4気筒/CVT、ISG(スタータージェネレーター)を用いたマイルドハイブリッドのみの設定となった。

専用のハイブリッド用のリチウムイオン電池には単セル電圧2.4Vの東芝SCiBを採用し、5セル12Vとすることでコンバーターなしで補機類用バッテリーへの給電を行える。

ハイブリッドバッテリーの充電はエンブレ時の回生が基本。モーター出力(ISG)も2.3kWでしかなく、コストアップを最小限に抑えたシンプルな構成だが、電動の使い方が絶妙だ。

巡航からの緩やかな踏み込みの初期に電動アシストを効かせてダウンシフトを抑制。ダウンシフトを伴う加速でも初期加速をアシスト。

パワーアシストはごく短時間であり、電動の駆動力を実感できるほどでもないが、低負荷領域での加速応答のよさがアクセル踏み込み量を減らす。

低い回転数と少ない踏み込み量で加速すれば、余力感はスペック以上だ。

回生頻度も少なくモーターアシストも期待できない高速巡航では排気量相応の余力だが、ダウンシフト量を抑えた早めの変速制御もあって、NA 1.2Lにしては非力感は少ない。

長距離用途向けとは言わないが、ちょっとした遠出に十分な動力性能である。

静音性/コーナリングは?

先代と共通のホイールベースから想像がつくと思うが、プラットフォームはキャリーオーバー。ただし、構造用接着剤の採用やリアフェンダーライニングの全面化など骨格からサスペンションまで細かな改良が加えられた。

その効果は走り出してすぐに理解できる。

第一のポイントは静粛性である。ロードノイズの耳当たりがいい。

シャーという高音域が目立ったり、音量音質の変化が大きいと薄っぺらな印象を受けるが、ソリオは路面舗装状態の変化が大きい状況でも落ち着いている。

上級クラスのような遮音性はないものの加速時エンジン騒音も穏やかであり、会話やオーディオの邪魔になりにくいのが長所だ。

フットワークもなかなかのレベル。

従来車もたっぷりとしたストロークを使い、日常域の乗り心地には優れていたのだが、新型になってそこに安定感が加わった。

サスの動き出しは緩いのだが、ストローク速度の抑制がうまく、大きめのストロークをゆったりと使い、揺れ返しも少ない。ハイト系特有の頭の重さを意識させないロール感も好印象。

粘りはあるが締まりは程々というフットワークなのでハンドリングは小気味よさに欠くのだが、高速直進やコーナリングでの挙動は安定している。パワートレインの印象同様にちょっとした遠出も苦にならないタイプだ。

ADASのあり/なし

新型のセールスポイントの1つが運転支援機能。

その核になるのがACCの全車速型へのグレードアップなのだが、全車速型とはいえ電子制御パーキングブレーキを採用していないので停車は最大で2秒程度。車線維持支援は逸脱警報のみで、操舵補正機能はなし。

前走車の加減速が頻繁でも早めの加減速で自車は速度変化は穏やかに、という具合にACCの車間距離維持機能はこなれた印象を受けた。

スモールクラスの運転支援機能水準の高まりを考えると操舵補正LKAがないのは多少不満だが、短中距離を主用途とするなら十分だろう。なお、ACCはハイブリッド車(MX/MZ/MV)に標準装着される。

進入禁止や一時停止を標識通過前に表示する標識認識機能はもちろん、今や安全の定番機能となっている誤発進抑制は前後進で機能する。

スズキセーフティサポートなら標準で

車体周辺モニターは俯瞰表示だけでなく、前後は左右の死角表示も可能。

ハイブリッド車に設定された工場装着ナビとのセットOPだが、それ以外の支援機能はスズキセーフティサポート装着車に標準装着。

安全&運転支援を充実させたら高額OPでビックリとならないのも安心だ。

新型は、従来車と比べると内外装ともに大人っぽくなったように思えた。ファミリー色が減少し、雰囲気に落ち着きが出たと言い換えてもいいだろう。

ファミリー層向けのタウン&レジャー用途向けのハイト系というコンセプトは変わっていないが、内外装デザインや快適性、走りの安心感と運転支援機能の進化でポストファミリーのダウンサイザー適性がさらに向上。

基本コンセプトを継承しつつ着実な進化と汎用性の拡大を図っていた。

「買い」か?

試乗したソリオ・ハイブリッドMZは約203万円。ソリオ・バンディット・ハイブリッドMVは約201万円。

両車の基本装備の違いは右パワースライドドアがバンディットはOP設定になるくらいで、ともにナビ/周辺モニター以外の利便快適装備を備える。因みにナビ/周辺モニターのOP価格は約19万円だ。

車格からすれば230万円近い投資は割高に思えるかもしれないが、タウン&レジャー用途でのコスパはトップクラス。

クルマ好きを唸らせるような魅力には欠くものの、生活と余暇を楽しむ道具としての完成度は高く、使って元を取るユーザーにはお勧めの一車だ。

新型ソリオ スペック

スズキ・ソリオ・ハイブリッドMZ

価格:202万2900円
全長:3790mm
全幅:1645mm
全高:1745mm
最高速度:-
0-100km/h加速:-
燃費(WLTC):19.6km/L
CO2排出量:118.5g/km
車両重量:1000kg
パワートレイン:直列4気筒1242cc+ISG
使用燃料:ガソリン
最高出力(エンジン):91ps/6000rpm
最大トルク(エンジン):12.0kg-m/4400rpm
最高出力(モーター):3.1ps/1000rpm
最大トルク(モーター):5.1kg-m/100rpm
ギアボックス:CVT
乗車定員:5名

新型ソリオ・バンディット スペック

スズキ・ソリオ・バンディット・ハイブリッドMV

価格:200万2640円
全長:3790mm
全幅:1645mm
全高:1745mm
最高速度:-
0-100km/h加速:-
燃費(WLTC):19.6km/L
CO2排出量:118.5g/km
車両重量:1000kg
パワートレイン:直列4気筒1242cc+ISG
使用燃料:ガソリン
最高出力(エンジン):91ps/6000rpm
最大トルク(エンジン):12.0kg-m/4400rpm
最高出力(モーター):3.1ps/1000rpm
最大トルク(モーター):5.1kg-m/100rpm
ギアボックス:CVT
乗車定員:5名

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