エネルギッシュなデザインで攻める コンパクトSUVの真打ちその実力は?
アクティブなユーザーにぴったりなBMW Xシリーズのニューモデルがついに登場。 新しいデザインエッセンスが注がれた「BMW X2」を、ポルトガル・リスボンで”今井優杏”がテストを行なった。その試乗レポートをお届けしたい。
古臭さがエエ感じの「オーディオユニット」 はネオクラユーザー待望の技ありデザイン
偶数Xシリーズの元気な末弟が登場
【NEW BMW X2】
競合ひしめくコンパクトSUVに、またまた期待の新車。2018年3月に本国ドイツでデリバリーが始まり、日本にも今夏の導入が囁かれる『BMW X2』の国際試乗会に参加した。 まず、思った以上に「小さい! そしてカッコいい!」。ワイド&ローなスタイリングで写真では大きく見えるかもしれないが、全長4360mm×全幅1824mm×全高1526mmというボディサイズ。
日本のパレット式立体駐車場にも納まるサイズ感だから、都市生活者には嬉しいニュースだろう。 お馴染みキドニーグリルを据えつつも新解釈のなされたフロントグリル周りは新鮮。BMWのSUV(同社はSAVと呼ぶ)シリーズでも偶数ナンバー、つまり『BMW X6/X4』とは異なり、ルーフラインをリアエンドに向けて傾斜させたクーペスタイルではなく、ウエストラインを切り上げたようなデザインを採用している。 見るからに勇ましく若々しく、ルックスはひとつフェーズが上がったような印象。正直、最近のBMWはあんまり代わり映えしないなぁ、なんて思っていた人にも刺さるはずです。
さらに期待してほしいのは、肝心要の走りそのもの。末っ子ファミリーらしい、ヤンチャめの味付けは同グループブランドであるMINIを思わせるほど! 実は『BMW X2』、最新の”X3″と同じパワートレーンを抱く。 より軽量ボディのX2へ、X3譲りのパワフルなエンジン×トランスミッションが乗っかるのだから、見た目通りのアグレッシブなドライブフィールは言わずもがな。試乗は2リッター直4ディーゼルエンジンの”20d”のみとなったのだが、市街地のゼロスタートでは、不用意に踏み込めば飛び出し感を体感するほどのトルクが瞬時に生まれるし、高速巡航に入ればほんの少しペダルに足を置くだけでスルスルと登坂道を攻略する。
ただし、いわゆる”SUVらしさ”をX2に求めるなら要注意。アシはオンロード向けに固く締められているから、あくまでもメインユースは都市部に設定した方が良さそう。 ともあれ、その辺はさすがオンロード系SUVのパイオニアでもあるBMW、守備範囲が狭いと言うわけではない。今回の試乗では一般道がメインだったために実際に試すことは適わなかったのだが、エンジニアのプレゼンテーションによれば悪路走破性も網羅している様子。 実際に試乗ルート上の海岸線には、ビーチの砂が路面に吹き上げられてダスティーかつスリッピー、つまり左右タイヤでμが変わるようなシーンにも遭遇したのだが、滑りを体感するに至らないほどの安心感が車内にもたらされていた。 つまり、既存SUVたちのX Driveテクノロジーはきっちりと継承されているから、レジャー程度の悪路は何の問題もないはず。むしろ、カッチリとしたアシのおかげでコーナリングはすこぶるスポーティ。きちんとキャラクターがブランド内で咀嚼され、クルマに還元されていて、そちらのほうに好感が持てた。 さらにX2からは新グレード『MスポーツX』も導入される。従来のMスポーツよりもポップなキャラクターが登場するので、乞うご期待だ。
偶数のXシリーズながら、ルーフラインは極端に傾斜させずに室内空間を確保。硬派なイメージと若さをバランスしたインテリアがX2のキャラクターによくマッチしている。
通常時で470ℓ、40:20:40の分割可倒式リアシートバックをフルフラットにすると1355ℓという容積を確保。
(PHOTO:BMW TEXT:今井優杏)
BMWカスタマー・インタラクション・センター TEL0120-269-437 http://www.bmw.co.jp
(リポート:オートファッションimp編集部)
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