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アルカンターラがライフスタイルイベントを開催

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アルカンターラがライフスタイルイベントを開催

自動車博物館に並べられた巨大インスタレーション作品。この圧巻の光景はアルカンターラの取り組みを具現したものだ。自動車新時代に向けて、様々な新素材が登場する中、老舗のアルカンターラは次のステップへ進もうとしている。ロサンゼルスで開催されたイベントを取材した。

 2015年に内外装を一新したロサンゼルスのピーターセン自動車博物館は、今や屈指の観光名所であるという。クルマ好きはもちろん映画や歴史、はたまたアートを好む人なら、訪れて後悔しない展示であると約束できる。
 そんな日本のクルマ好きがうらやむ場所を訪れたのは、アルカンターラのブランドイベントが開催されると聞いたからだ。そもそもクルマと親和性の高いアルカンターラである。この見所満載の博物館でも、きっと展示物に負けない内容でブランドイベントを盛り上げるに違いない──そう思って訪れた会場は、まさに奇想天外な展示物で埋め尽くされていた。写真の背景に目を凝らせば、ブガッティ・タイプ46が展示されているが、その隣には巨大な赤いハイヒールが屹立している。これらはすべてイタリアで活躍するアーティストのレベッカ・モーゼスとアルカンターラのコラボ作品である。

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 アルカンターラと言えば触れ心地の良さから、スポーティな高級車に採用されるトリム素材のイメージが強かった。しかし現代は超高級サルーンなどもカーボンコンポジットなど最先端素材を採用するような時代であり、いいものであれば積極的に取り入れていく。それは内装も同様なのだ。そして、イタリア発のアルカンターラはこういったアーティストとのコラボによって、新しい世界観を打ち出そうとしている。
 あらためて説明の必要もないかもしれないが、1970年代に登場したアルカンターラはアルカンターラ社が特許を取得している高級素材だ。ミラノに本社を置き、ローマから北に90kmのウンブリア州に45万平方メートルもの巨大な敷地の工場とR&Dセンターを持つメイドインイタリアのブランドである。高級ブランドに人気の秘密はそのテーラーメイドの多彩さだろう。カラーはほぼ無限に選択肢があるほか、表面処理にエンボス、レーザーカット、プリント、パーフォレーション、ラミネートなど様々な加工が施せる。様々な使用方法に応えられるように厚さは0.4mm、0.6mm、0.8mm、1.2mmの4種類から選べる。その多様性を利して、新しいライフスタイルにも進出中である。実際クルマ以外にもファッションや家具、最近で言うとマイクロソフト・サーフェスといったタブレット端末に採用されており、日用的なものでも他者とは違う個性で一格上級なものにカスタマイズする素材として浸透していくのかもしれない。
 近年、売り上げの3~5%をR&Dに投資しているという。「これまでは自動車中心のプロダクトブランドでしたが、今後はファッションなどライフスタイルのブランドとしても定着させたいと考えています」そう語るのはアンドレア・ボラーニョ会長兼CEOだ。「今後もこれまでのような自動車の内装向けの開発も進めていきますし、それがわれわれのビジネスの中心であることは変わりありませんが、アルカンターラが本来持つ、多様性を活かすことで用途を増やしていけると考えています」と力強く語ってくれた。

 実際、素材の可能性は高い。色やタッチが心地よいだけではなく、軽量で(採用する自動車メーカーによれば半分の重量のこともあるという)耐久性にも優れる。これらはきっとアドバンテージとなることだろう。軽量は省燃費に有効であり、自動運転によって運転から解放されたドライバーに快適をもたらすことも自動車メーカーは重要だと考えているのだから。
 2015年にそのブランド資産は8900万ユーロに達し、なおふた桁%で急速に成長中だという。そうした好調なビジネスで得た利益は、投資でさらなる循環を促し、しかもその多くをサステナビリティに充てているという。アルカンターラ社は09年以来サステナビリティに取り組んでいる。具体的には16年に2200万ユーロの投資を行っているが、そのうち700万ユーロをサステナビリティ関連に充てているという。なかでもカーボンニュートラルに熱心に取り組んでいる。現状アルカンターラは石油由来のプロダクトだが、今後はトウモロコシの廃棄物由来のバイオ素材から製造することで、さらにカーボンニュートラルを促進していきたいと考えているという。

 ピーターセン博物館では取材当時ブガッティの特別展示が行われていた。ブガッティ創業者のエットーレ・ブガッティの父親は家具デザイナーとして名を馳せた人物であり、その作品群も展示されており、ブガッティ一族の多様性には舌を巻いてしまった。ブガッティ一族はまさに華麗なる一族だったのだが、アルカンターラもまたノブレス・オブリージュ、つまり持てるものとしてその責務を果たしつつあるのかもしれない。

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