現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > なぜワゴンやSUVだけ? ほとんどのミニバンのバックドアが「電動開閉」がしないワケ

ここから本文です

なぜワゴンやSUVだけ? ほとんどのミニバンのバックドアが「電動開閉」がしないワケ

掲載 更新 8
なぜワゴンやSUVだけ? ほとんどのミニバンのバックドアが「電動開閉」がしないワケ

 パワーバックドア付きのミニバンは数少ない

 世界的にクルマの電動化(HV、PHV、EV)が急速に進んでいるが、それ以前に電動化が推し進められてきたのが、ドア部分の電動化である。

3列シート+スライドドアでもダメ! 人気ジャンルなのに売れないミニバン5選とその理由

 ミニバンのスライドドアはもちろん、高級輸入ステーションワゴンやSUVのバックドアも、スイッチひとつで開閉できるようになっている。リモコン操作や足をセンサーにかざす操作でも全自動開閉が可能で、傘をさしていたり、両手に荷物を持っていたり、子供を抱いている際には便利この上なし。その全自動の便利さ、スマートさを一度体験すれば、重い手動操作のスライドドアやバックドアの開閉など、お役御免にしたくなるはずだ。

 ただ、ミニバンのパワースライドドア、ステーションワゴンやSUVのパワーバックドア機能が普及しているのに、なぜ、ほとんどのミニバンのバックドアにパワーバックドア機能が付いていないのか? という疑問が残る。パワーバックドアが標準、またはオプションで用意されている国産ミニバンは、トヨタ・アルファード&ヴェルファイア、日産エルグランド、三菱デリカD:5ぐらいなのである。

 その理由は、大きく分けて四つありそうだ。ひとつ目は、ステーションワゴンやSUVのバックドアに比べ、ミニバン、とくにボックスタイプのバックドアは巨大で重く、モーターの負担が大きすぎ、また、全自動化するにはそもそも重い車重が、パワー化のための補器によってさらに、さらに重くなってしまうからだ。結果、多くのミニバンは、代わりにダンパーを用いることで、操作力を軽減させ、対応しているというわけだ。

 パワーバックドアのコストやバッテリーの負担も問題だ

 二つ目は、これもまたボックス型ミニバンにかかわることだが、バックドアを全開にすると、車体後方に1m前後のスペースが必要なぐらい、大きく張り出してしまう(ステップワゴンのわくわくゲートのサブドアを除く)。万一、車体後方にスペースがない場所でうっかりスイッチ/リモコン操作をすると、壁や他車にぶつかってしまう可能性があるわけだ(ステーションワゴンやSUVのバックドアは全開にしても車体後部の張り出し量はそこまで大きくない)。センサーで障害物、挟み込みを検知、作動ストップ……という制御もあるが、Mクラス以下のファミリーユースのミニバンでは、コスト面で現実的ではないだろう。

 三つ目はやはりパワーバックドアそのもののコスト。アルファード&ヴェルファイアやエルグランドのクラスになれば、そもそも車両価格はそれなりに高価。パワーバックドアを付けても、それほど気にならない価格アップで済む。が、トヨタ・ヴォクシー&ノア、ホンダ・ステップワゴン、日産セレナなどのMクラスミニバン以下になると、価格重視のファミリーミニバンであり、仮にオプションで用意したとしても、積極的に選ばれることはまずないと思える。バックドアを途中まで下げればすーっと閉まる、オートクロージャ―機能があったりすれば、全自動でなくても、実際、十分と言えそうなのだ。

 そして、運転席側ドア、リヤスライドドアに比べ、バックドアを開け閉めする機会が圧倒的に少ない”使用頻度”の大小も、採用されにくい理由として挙げられるだろう(パワーバックドアは、たしかにあれば開閉操作が楽になり便利だが、ミニバンの場合、ステーションワゴンやSUVと違い、大開口の両側スライドドアからでも、大小の荷物を出し入れしやすい??)。さらに、パワーバックドアが故障すれば、多くの場合、モーター交換となるのだが、内張をはがすなど、工賃がけっこうかさむと聞いているから、その点でも、各自動車メーカーの高級・高額フラッグシップミニバンでない限り、装備しにくい理由だと推測できる。

 最後の四つ目は、両側スライドドア+バックドアの両方をパワー化すると、エンジンオフでも作動してしまうため、バッテリーの負担が大きくなりすぎる心配もありそうだ(ハイエンドな高級・高額ミニバンは、そのあたりもコストをかけて、しっかり対策済みのはず)……。

こんな記事も読まれています

宮田莉朋組レクサスがFP2でクラス最速タイム。ハイパーカーは6号車ポルシェが初日トップに/WECスパ
宮田莉朋組レクサスがFP2でクラス最速タイム。ハイパーカーは6号車ポルシェが初日トップに/WECスパ
AUTOSPORT web
【SCOOP!!】販売継続? それともファイナル? ヤマハYZF-R1に“新型”の情報アリ!!
【SCOOP!!】販売継続? それともファイナル? ヤマハYZF-R1に“新型”の情報アリ!!
WEBヤングマシン
トヨタの「爆速5ドアハッチバック」何がスゴイ? 6速MT×4WDのみなのに「普段乗り」できる!? 「GRカローラ」の魅力とは?
トヨタの「爆速5ドアハッチバック」何がスゴイ? 6速MT×4WDのみなのに「普段乗り」できる!? 「GRカローラ」の魅力とは?
くるまのニュース
レクサス新型「LM」に待望の6人乗り仕様登場 全長5.1mの最上級ミニバンの価格は1500万円
レクサス新型「LM」に待望の6人乗り仕様登場 全長5.1mの最上級ミニバンの価格は1500万円
VAGUE
トヨタ新型「“ヒンジドア”ミニバン」発表! タフ顔が超カッコイイ「クリスタ」! MT設定アリ&上品仕様な「GX+」印に登場
トヨタ新型「“ヒンジドア”ミニバン」発表! タフ顔が超カッコイイ「クリスタ」! MT設定アリ&上品仕様な「GX+」印に登場
くるまのニュース
日産が新型「SUV“ミニバン”」初公開! 斬新ヘッドライト&流行りの“オシャグリーン”採用! 超シンプル内装が超カッコイイ「VX6」中国に登場
日産が新型「SUV“ミニバン”」初公開! 斬新ヘッドライト&流行りの“オシャグリーン”採用! 超シンプル内装が超カッコイイ「VX6」中国に登場
くるまのニュース
[新型フリード内装解説]シエンタにない機能がいいゾ!! バカ売れ確定の内装だけど気になる点も多々
[新型フリード内装解説]シエンタにない機能がいいゾ!! バカ売れ確定の内装だけど気になる点も多々
ベストカーWeb
カワサキ「メグロ K3」【1分で読める 国内メーカーのバイク紹介 2024年現行モデル】
カワサキ「メグロ K3」【1分で読める 国内メーカーのバイク紹介 2024年現行モデル】
webオートバイ
まさかの250万円スタート!? 新型フリード爆売れ確定!? 樹脂マシマシのクロスターもヤバい!!
まさかの250万円スタート!? 新型フリード爆売れ確定!? 樹脂マシマシのクロスターもヤバい!!
ベストカーWeb
アースカラーのボディとインテリアがおしゃれなトヨタ ハイエースがベースのキャンパー
アースカラーのボディとインテリアがおしゃれなトヨタ ハイエースがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
初代ヴェゼルのカップホルダー最強説!!  超絶使いやすかったのに…なんでやめたん!?
初代ヴェゼルのカップホルダー最強説!!  超絶使いやすかったのに…なんでやめたん!?
ベストカーWeb
新型フリードが2024年6月に発売! 歴代モデルの相場は現在どうなってる?
新型フリードが2024年6月に発売! 歴代モデルの相場は現在どうなってる?
グーネット
パナソニック カーバッテリー「カオスW1シリーズ」発売 アイドリングストップに耐える長寿命
パナソニック カーバッテリー「カオスW1シリーズ」発売 アイドリングストップに耐える長寿命
グーネット
ジープ「ラングラー」新型モデル発売!エントリーグレード導入&2種類の限定モデル設定
ジープ「ラングラー」新型モデル発売!エントリーグレード導入&2種類の限定モデル設定
グーネット
ランドローバー「ディフェンダー」2025年モデル受注スタート 標準装備をアップデート
ランドローバー「ディフェンダー」2025年モデル受注スタート 標準装備をアップデート
グーネット
DS4 ヒナゲシのような赤いボディカラーの特別仕様車「コクリコエディション」発売
DS4 ヒナゲシのような赤いボディカラーの特別仕様車「コクリコエディション」発売
グーネット
渋谷の空に新型ラングラーが現れた!【改良新型ジープ ラングラー アンリミテッド】
渋谷の空に新型ラングラーが現れた!【改良新型ジープ ラングラー アンリミテッド】
グーネット
フェラーリ499Pが好調キープか、FP1でワン・ツー。ランボルギーニとアルピーヌが続く/WECスパ
フェラーリ499Pが好調キープか、FP1でワン・ツー。ランボルギーニとアルピーヌが続く/WECスパ
AUTOSPORT web

みんなのコメント

8件
  • 電動化しなくていいものまで電動化すれば、それだけ故障リスクは高まるわな。
  • BMWのパワーバックドア(電動テールケード)が勝手に開いて、最悪なのは廃車になるトラブルが出ているので、特に必要な機能ではないと思う。最近の車は樹脂で出来ていて軽いよ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

540.0872.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

25.02199.0万円

中古車を検索
アルファードの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

540.0872.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

25.02199.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村