■バブルの頃にヒットしたベーシックなセダンを振り返る
近年、日本の自動車市場ではミニバンやSUVが定番の人気車となったためセダン人気が低迷し、各メーカーともラインナップは減少傾向にあります。
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しかし、1990年代くらいまでは、セダンがファミリーカーやパーソナルカーとして、高い人気を誇っていました。
そこで、かつて販売されたベーシックなセダンのなかから、とくに高評価だったモデル3車種をピックアップして紹介します。
●ホンダ「アコード」
ホンダは1976年に、好調な販売を続けていた「シビック」からステップアップするドライバーのために、ひとクラス上の3ドアハッチバックである初代「アコード」を発売しました。
その後代を重ね、1989年に登場した4代目ではベーシックなセダンとしてデビュー。
ボディサイズは全長4680mm×全幅1695mm×全高1390mmと、当時のミドルクラスセダンでは一般的な5ナンバー枠に収まるサイズです。
外観は、3代目が流行のリトラクタブルヘッドライトを採用してスポーティさを演出していたのに対し、固定式の薄型マルチリフレクターヘッドライトに変更され、落ち着いた印象のフロントフェイスとなっています。
また、オーソドックスなセダンスタイルながら、角を丸くすることでボリューム感をもたせ、欧州車のような佇まいのスタイルでした。
エンジンはトップグレードの「Si」シリーズに、150馬力を発揮する2リッター直列4気筒DOHCを搭載し、ほかにも2リッター直列4気筒SOHCのインジェクション仕様とキャブレター仕様、1.8リッターのキャブレター仕様が設定されています。
足まわりは3代目と同様4輪ダブルウイッシュボーンとし、3代目「プレリュード」で定評のあった4WS(4輪操舵)が搭載され、安定したハンドリングを実現。
4代目アコードは目を見張るような高性能モデルではありませんでしたが、好景気を背景に、品質にはかなりこだわって開発されたといいます。
バリエーションも豊富で、北米生産のステーションワゴンとクーペを追加ラインナップし、姉妹車として「アスコット」も販売されました。
●日産「プリメーラ」
日産は1980年代に『1990年までに走りにおいて世界一を目指す』というスローガンを掲げ、これを「901活動」と名付け、プロジェクトをスタートさせました。
この901活動を具現化した車種が、日本市場をターゲットとした3代目「スカイラインGT-R」、北米市場には4代目「フェアレディZ」、そして欧州市場をターゲットとしたモデルが初代「プリメーラ」です。
初代プリメーラは1990年に発売されたFFセダンで、欧州車に匹敵する走りの性能と、快適性の両立をコンセプトとしていました。
ボディはやや丸みを帯びたオーソドックスなフォルムですが、スタイリッシュながら派手すぎず、飽きが来ない優れたデザインと評されます。
エンジンは150馬力を発揮する2リッター直列4気筒もしくは、125馬力の1.8リッター直列4気筒を搭載し、トランスミッションは5速MTと4速ATが設定されました。
FF車のハンドリング世界一を目指すため、足まわりはフロントにマルチリンク、リアにパラレルリンクストラットを採用し、実際に高いコーナーリングスピードでも安定した走りを実現。
さらに、広い室内空間と大容量のトランクなど、正統派セダンにふさわしいユーティリティも兼ね備え、日欧でヒット作になりました。
■高級車を身近にした立役者とは!?
●メルセデス・ベンツ「190E」
BMW「3シリーズ」に対抗すべく、メルセデス・ベンツはエントリーモデルのセダン「190シリーズ」を1982年に発売し、日本には1985年から正規輸入が始まりました。
ボディサイズは全長4420mm×全幅1678mm×全高1390mmで、もっとも人気があった「190E」グレードは2リッターエンジン搭載していたため、日本では5ナンバーです。
当時のメルセデス・ベンツのクルマとしてはかなりコンパクトですが、設計思想はメルセデス・ベンツの流儀に則っており、走りの質はクラスを超えていると評されました。
エントリーモデルといっても価格は500万円近く、車格の割にはかなり高価でしたが、やはり日本ではメルセデス・ベンツというステータスは大いに魅力的だったようで、セールス的に大成功を収めます。
190シリーズは日本においてメルセデス・ベンツの普及に多大な貢献をしたクルマで、現在まで続くプレミアムセダン「Cクラス」の礎となったモデルです。
※ ※ ※
1989年に普通/小型自動車の税率見直しにより、日本でも一気に3ナンバーサイズのクルマが普及し、その後もサイズアップが顕著になりました。
これは日本だけでなく世界的な潮流となっていて、グローバルで販売するにはもはや5ナンバーサイズでは小さく、現在のモデルは大型化が必須となるのは仕方がないことです。
一方、今回紹介した3車種はすべて5ナンバーサイズに収まっており、振り返ってみると日本の道路環境における使い勝手と居住性のバランスという点では、ベストなクルマだったのではないでしょうか。
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みんなのコメント
長距離ドライブしても疲れないし燃費も良いしで、文句がつけようもないクルマだったと思います。
ただ一つ欠点があるとすればダイアル式のシートくらいかな?
あの当時の日産だからこそ作れたクルマであって、今の日産にはもう二度と作れないクルマでしょうね。