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テスラ「モデルS Plaid」の尋常ではない速さの秘密とは? 全日本電気自動車グランプリでの劇的優勝をレポートします

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テスラ「モデルS Plaid」の尋常ではない速さの秘密とは? 全日本電気自動車グランプリでの劇的優勝をレポートします

テスラ モデルS Plaidは現時点で最強EV!?

まだ市販量産EVが登場する以前の2010年にスタートした全日本電気自動車グランプリ(JEVRAシリーズ)。今年で15シーズン目を迎えているこのシリーズがスタートした当初から、最速EVの座をほしいままにしてきたのが、テスラのEVです。これまでに、テスラ「ロードスター」、「モデルS」、「モデル3」と、モデルは変わっていきながらも、つねにこのレースの主導権を握ってきました。2024シーズンのJEVRAシリーズでは、そんなテスラの3度目の世代交代がスタートしています。

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モデルS Plaidのすごさを2024年シーズン第2戦で実感

新たな主役となるテスラ「モデルS Plaid」のJEVRA戦初参戦は、2023シーズン最終戦の筑波であった。終日冷たい雨にたたられた2023年10月9日、雨のレースとなった「全日本 筑波EV60kmレース」で登場したテスラ モデルS PlaidのKIMI選手(No.23 GULF RACING Plaid)は、ウェット路面の中、その予選タイムは1分14秒257と、ポールポジションを獲得した「モデル3」の1分6秒671のタイムには及ばず。さらに決勝レースでは、激しいチャンピオン争いを展開する2台が引っ張る5台のテスラモデル3の後ろ、少し様子見をしながらの6位に甘んじたものの、100kWhのバッテリーと、750kWのモーター出力(ちなみにモデル3はバッテリー容量75kWh、モーター出力360kW)を武器に、バックストレートでは時速200km超えと直線の加速は段違いであることを見せつけた。

そして続くモデルS Plaidにとっての2戦目となる、2024年3月10日に行われた2024シーズン開幕戦「全日本 もてぎEV55km レース」では、TEAM TAISANからも同車での参戦があってテスラ モデルS Plaidの参戦は2台になった。モデル3でJEVRAシリーズに長年参戦をし、昨年のチャンピオン争いを展開していた2チームが、このモデルS Plaidが出てきたら「勝ち目はない」と参戦を取りやめてしまっていた。

このもてぎでは、KIMI選手が2分01秒433のベストタイムでポールポジションを獲得。2年ぶりの開催となったこのJEVRAもてぎ戦での前回のポールポジションもこのKIMI選手(モデル3)であったが、そのポール・タイムは11秒も短縮したことになる。そして、もう1台のモデルS Plaidの密山祥吾選手(No.100 TAISAN BIR TESLA S)とともにフロントロウを占めることともなった。11周で行われるこのJEVRA決勝レースでは23号車が後続のテスラ モデル3勢を21秒以上引き離してのポール・トゥ・ウィンを達成している。

そして、2024年4月27日に開催されたJEVRA2024年シーズン第2戦「全日本 筑波EV55kmレース」では、前田琴未選手(No.73 HIGHSPEED Etoile R)も参戦することでモデルS Plaidのエントリーが3台となった。

2戦連続でモデルS Plaidがフロントロウ独占

テスラ以外にもトヨタ「ミライ」、日産「アリア」、「ホンダe」やヒョンデの「アイオニック5」など15台によるレース。15分間で行われた予選セッションではKIMI選手(No.23 GULF RACING Plaid)が2戦連続でのポールポジションを獲得(1分00秒995)、そして昨年のJEVRAシリーズ・チャンピオンで、今回初めてモデルS Plaidに乗ることとなった余郷 敦選手(No.100 TAISAN BOSCH TESLA S)が1分01秒308のタイムで2番手と、2戦連続でのモデルS Plaidがフロントロウ独占となった。

筑波コース2000を27周で行われる決勝レースでは、KIMI選手のマシンがトラックモード(ブレーキのホールドが続くと自動的にシフトが「D」から「P」へと入ってしまうことを止める)が入ってなかったのか、スタートできず。一度グローブを外してタッチパネルを操作して、と再スタートに手間取って、最後尾はもちろん、全車に大きく引き離されてのスタートとなってしまう。

しかしスタートしてからは、激しい追い上げを見せバックストレートでは後方車両をごぼう抜き、3周目にはTEAM TAISANの5台によるトップ集団の背後にまで迫り、そのトップ集団を切り崩していく。一方、トップを走行中の100号車のモデルS Plaidはブレーキのトラブルが発生し、コーナーの進入のたびにブレーキから白煙を上げる状態で、23号車は7周目に難なくトップに浮上。100号車はその後ピットに戻ってしまうことに。

レース終盤、2018年からモデルS、そしてモデル3を使って4年連続でJEVRAシリーズを制した地頭所 光選手(No.0 TAISAN BIR TESLA 3)がこの23号車に何度も仕掛けるものの、最後はバッテリーを使い切ってチェッカーは受けられたものの、モデルS Plaidを追い詰めることはできずにレースは終了した。

わずか55kmのレースで、再びトップに立ってポール・スタート、最後尾落ち、トップチェッカーという劇的なレースを制したKIMI選手はこうコメントしてくれた。

「無事に2連勝できてよかったです。次戦も打倒タイサンでやっていきます」

バッテリーを温存する必要もなく、大きく熱ダレすることもなく、セーフティモードが介入することもなく、EVレースを戦うテスラ モデルS Plaid。現時点での最強EVといえる。

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みんなのコメント

12件
  • *******
    やっぱりテスラ以外のEVはゴミみたいに遅かったのか
  • まひろ
    ふと筑波のラップを検索したら 吊るしのGT-Rやカレラのほーが速いのね?やッぱり自重が足を引ッ張るのか?加速性能ダケなら とーッても速いハズなのにね?。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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