RBのダニエル・リカルドは2024年シーズンが開幕してから、苦戦が続いてしまっている。チーム側はリカルドに対し、新しいシャシーを第5戦中国GPで用意することを決めたという。
リカルドはチームメイトの角田裕毅に比べて苦戦続きで、自らが走らせているマシンに何か問題があるのではないかと以前示唆していた。
■RBのメキーズ代表「リカルドに快適に感じられるクルマを用意しなくては」CEOと共にポテンシャルを確信
そしてRBはリカルドに第5戦中国GPで新造したシャシーを用意していることが分かった。ただレーシングディレクターのアラン・パルメインは、このシャシーについてリカルドのマシンに対する疑問から製造されたわけではないと強調する。
「私にとってシャシーとはサスペンションやエンジン、ギアボックスを取り付けるカーボンの大きな塊だ。シャシーにパフォーマンス上の問題がある可能性は非常に低い」
パルメインはそう語る。
「しかし、我々には新しいモノがあるため、それをダニエルに託すのは理にかなっている。少なくともユウキは今とても満足しているし快適に感じている。だからドライバーに優先順位があるわけではない」
「ダニエルの場合は、クルマに何か問題があったとしても、それは一旦置いておくのが良いかもしれない」
過去にはシャシーに問題があるというドライバーの指摘が、チームによって正しかったと確かめられるケースもあった。しかしパルメインは、VCARB 01についてはそういったことはないと考えている。
「ときにはモノを測定したり、シャシーにリグをつけて剛性などをチェックしたりすることはできる。私が問題のある可能性が低いと言っているのは、実際のパフォーマンスの差別化要因にならないからだ」
「レギュレーションでサバイバルセルと呼ばれているモノは、フロントサスペンションやエンジンをマウントして、ドライバーの安全を確保するためのものだ」
「だからパフォーマンスの差別化要因にはならないと考えているし、ドライバーに交換させたくないということでもない。我々がこうやって(シャシーを交換)できるのは幸運な偶然なんだ。そして、ユウキに与えても、意味はない」
「ダニエルに渡すことは理にかなっている。しかし我々は彼の問題を明確にするために新しいシャシーを用意するつもりはない。全てが上手く噛み合っただけなんだ」
なおパルメインはリカルドの好みに合わせてマシンを微調整する際には、慎重なアプローチをとる必要があると語った。
「様々なことにセットアップで対処ができるため、簡単なことではないんだ。しかし、望ましくないのは、クルマを遅くしてしまうことだ。我々はクルマをより快適ではあるものの、遅いクルマにすることをしないよう注意してきた」
「理想的には、まず落ち着かせて自信を持たせて、ゆっくり最大のパフォーマンスを引き出していくんだ」
「ダニエルが最も速い状態のマシンで走れない理由はない。それは明らかだ。彼もそれを理解していると思うし、我々がしなくてはならないのは、可能な限り速いマシンを彼に渡すことだ」
RBは日本GPでアップデートされたフロアを投入。初日のFP1では角田が新型を試し、岩佐歩夢が旧型を使って比較を行なった。FP2ではリカルド車も新型へと変更されている。
パルメインはこの新型のフロアは、主に低速コーナーの改善を目的にしたものだと説明した。
「前方のストレーキや、サイドには新しいウイングがあり、リヤタイヤの前にも小規模な改善がなされている。これがダウンフォースの面で小さいながらも前進させてくれる」
「ここ鈴鹿で素晴らしいアップデートになると言うのは少しためらうがね。これは低速コーナーに少し重点を置いているが、鈴鹿はより高速なところだ。ここでどうなっていくかは興味深い」
「我々はもう少し高速域でのパフォーマンスを求めているから、ここで(の進歩について)少しだけ及び腰になっていると言える。今後数レースでは、その部分の改善を目指したアップデートが予定されている」
Additional reporting by Jonathan Noble
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