現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ハッチバックでは物足りない人へ──新型ゴルフ・ヴァリアント試乗記

ここから本文です

ハッチバックでは物足りない人へ──新型ゴルフ・ヴァリアント試乗記

掲載 更新 4
ハッチバックでは物足りない人へ──新型ゴルフ・ヴァリアント試乗記

フルモデルチェンジを受けた新型「ゴルフ」に追加された「ヴァリアント」を小川フミオがテスト。ハッチバックとの違いは?

頼れるパートナー

やっぱりオペルは日本にかえってくる! 来年上半期に再上陸へ

熱心なファンをもつフォルクスワーゲン「ゴルフ・ヴァリアント」の新型が7月28日に日本でも販売開始された。

さっそく、1.5リッター・エンジン搭載のマイルド・ハイブリッド仕様に乗った印象は、足まわりのしっかりした、頼れるパートナーというもの。インフォテイメントシステムなどの充実で、ファンは待った甲斐がある、といっていい。

約8年ぶりのフルモデルチェンジになるゴルフのステーションワゴン版のヴァリアント。各部の仕上げのよさはいまもって日本車のはるか上をいっているし、室内も荷室も拡大された。エンジンは1.0リッターと1.5リッターのガソリンで、ともに意外なほどパワフルなのだ。

ホイールベースが35mm伸び、全長は65mm伸びた。そこで後席のレッグルームは903mmから941mmへと広くなり、同時に荷室容量は611リッターへと22リッター拡大している。じっさい、後席は身長175cmのおとなに充分すぎるほど広いと感じた。

SUV人気のいま、フォルクスワーゲンも「T-CROSS」から「ティグアン」までのSUVモデルをラインナップする。

そのいっぽう、「パサート・ヴァリアント」や「アルテオン・シューティングブレーク」といった、ステーションワゴンにも力を入れている。

駐車スペースに全高の制約があるひとや、高い着座位置のシートへの乗降がちょっとしんどい、というひとにとって、ステーションワゴンは、じつはマルチパーパスだ。

ゴルフ・ヴァリアントは、くわえて、エッジのきいたキャラクターラインで適度にスポーティなスタイルで、存在感もちゃんとある。

ハッチバックとの差はあまり感じない

試乗したのはトップグレードの「eTSI Rライン」。このモデルと「eTSIスタイル」が1.5リッター車、そして「eTSIアクティブ・ベーシック」と「eTSIアクティブ」が1.0リッター直列3気筒搭載車だ。車名にある「e」は、マイルド・ハイブリッド・システムを搭載することを意味する。さきに発売されたゴルフと同様、発進時のエンジントルクが少し薄いところなどでモーターがまわってエンジンを手助けするシステムだ。

「Rライン」はスポーティな仕様。可変レシオの「プログレッシブステアリング」をはじめ、ヘッドレスト一体型のバケットシート、専用デザインの17インチ・アルミホイールなどを備える。

おおづかみの印象は、7月に発売された新型ゴルフの1.5リッター車と似ている。車重は1430kgと、ゴルフsTSI Rラインの1360kgより増えているものの、パワーに大きな差は感じない。

48ボルトで駆動されるマイルド・ハイブリッド・システムの恩恵もあるはずだ。発進はとてもスムーズで、そのあと、ぐんぐんと加速していく。パワフルというほどではないものの、実用上の使い勝手では充分な加速性能だ。

感心するのは、ワインディングロードの下り坂。小さなコーナーが連続しても、軽快に、右へ左へとまわっていくのだ。ステアリングは正確で、かつしっかりしている。ボディのロールは抑えられていて、すっとノーズが入ったあとは、安定した姿勢でコーナリングするのが、気持ちよいといっていいほどだ。

一般道と山道で乗ったかぎりでは、路面の凹凸をよく吸収するサスペンションシステムのおかげで、乗り心地は快適。乗員の姿勢はつねに一定に保たれていて、基本性能の高さを感じる。

「いまも、フォルクスワーゲンの足まわりには感心させられる」という日本の大手自動車メーカーのエンジニアがいるほどだ。

エンジン回転を2500rpmからすこし上ぐらいに保つようにして、カーブをこなしていると、その言に納得する。それが、頼りになる印象を生んでいるのだ。

あらためて、評価してもいいのでは

運転支援システムも、ぬかりはない。同一車線内であれば0km/h~210km/hで作動する半自動運転システム「トラベルアシスト」が便利だ。車内にいる乗員が外に出るためにドアを開けようとしたとき、後方から自動車や自転車が接近していた場合、音とライトで警告するシステムも搭載されるなど、目配りのきめが細かい。

SUVが増えたいま、4.64mの全長を軸にして、ゴルフ・ヴァリアントの競合を探すのは、なかなかむずかしい。トヨタ「カローラ・ツーリング」と迷うひとはいないだろうし、ではサイズが近いスバル「インプレッサ・スポーツ」か、といえば、こちらは、ステーションワゴンというより、SUV的なクロスオーバーだ。輸入車にも、どんぴしゃのライバルは見当たらない。

そんなに皆がSUVが好きなのか!? と、思わぬでもない。機能にすぐれたゴルフ・ヴァリアントを試していると、ステーションワゴンの利便性に改めて気づくのでなおさらだ。

1993年、当時のゴルフIIIに初めてヴァリアント・ボディが設定されていらい、ゴルフと同等の走りと荷物運搬の高い機能を両立するというコンセプトは守り続けられている。そこをあらためて、評価してもいいのでは、と思った。

文・小川フミオ 写真・小塚大樹

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

東北道「浦和ICの大改造」ついに“最後のランプ”建設へ 並行ランプを通行止め 側道利用者は注意!
東北道「浦和ICの大改造」ついに“最後のランプ”建設へ 並行ランプを通行止め 側道利用者は注意!
乗りものニュース
トヨタWRCマニュファクチャラーズ王者に豊田章男会が破顔「苦労して獲ったタイトル」ライバルのヌービル初王者にも祝意
トヨタWRCマニュファクチャラーズ王者に豊田章男会が破顔「苦労して獲ったタイトル」ライバルのヌービル初王者にも祝意
motorsport.com 日本版
波乱だらけのラリージャパン! ニッポンの勝田が意地をみせSS連続ステージ優勝で総合4位につける
波乱だらけのラリージャパン! ニッポンの勝田が意地をみせSS連続ステージ優勝で総合4位につける
WEB CARTOP
最新「サファリ」がスゴイ! 「ハリアー」と兄弟車で登場! 「3列7人乗り」&英国風の“超精悍顔”がカッコイイ! 便利機能モリモリのタタ「最上級SUV」とは?
最新「サファリ」がスゴイ! 「ハリアー」と兄弟車で登場! 「3列7人乗り」&英国風の“超精悍顔”がカッコイイ! 便利機能モリモリのタタ「最上級SUV」とは?
くるまのニュース
1000万円以下で買えるV12搭載ランボルギーニ!…世界に4台しかない「ハラマ 400GTS」のAT仕様の出来は当時どうだった?
1000万円以下で買えるV12搭載ランボルギーニ!…世界に4台しかない「ハラマ 400GTS」のAT仕様の出来は当時どうだった?
Auto Messe Web
【この190SLなんぼ?】走行距離わずか4,753kmでこの値段!なんで?このメルセデス300 SLの弟分190SLは掘り出し物?
【この190SLなんぼ?】走行距離わずか4,753kmでこの値段!なんで?このメルセデス300 SLの弟分190SLは掘り出し物?
AutoBild Japan
ソニー損保、自動車保険満足度調査で2部門1位を獲得…事故対応に高評価
ソニー損保、自動車保険満足度調査で2部門1位を獲得…事故対応に高評価
レスポンス
最後までもつれ込んだメーカー対決はトヨタに軍配! 僅差でヒョンデ逃す。総合優勝エバンス|WRCラリージャパンDAY4午後
最後までもつれ込んだメーカー対決はトヨタに軍配! 僅差でヒョンデ逃す。総合優勝エバンス|WRCラリージャパンDAY4午後
motorsport.com 日本版
スズキ 新型「スポーツクロスオーバー」登場! 斬新デザインの“尖った”スタイリング!? 軽量な車体を活かした軽快な走り! 「Vストローム250SX」何が変わった?
スズキ 新型「スポーツクロスオーバー」登場! 斬新デザインの“尖った”スタイリング!? 軽量な車体を活かした軽快な走り! 「Vストローム250SX」何が変わった?
くるまのニュース
勝田貴元が限界ギリギリの力走。トヨタ勢が猛追も、SS12は安全確保を理由にキャンセル/ラリージャパン デイ3午前
勝田貴元が限界ギリギリの力走。トヨタ勢が猛追も、SS12は安全確保を理由にキャンセル/ラリージャパン デイ3午前
AUTOSPORT web
給油所で「レギュラー“なみなみ”で!」って言ったら店員にバカにされました。私が悪いんですか?怒りの投稿に回答殺到!?「なにそれ」「普通は通じない」の声も…悪いのは結局誰なのか
給油所で「レギュラー“なみなみ”で!」って言ったら店員にバカにされました。私が悪いんですか?怒りの投稿に回答殺到!?「なにそれ」「普通は通じない」の声も…悪いのは結局誰なのか
くるまのニュース
市川團十郎がF1日本GPの公式アンバサダーに! F1文化に“新たな風”を吹き込むことを目指す
市川團十郎がF1日本GPの公式アンバサダーに! F1文化に“新たな風”を吹き込むことを目指す
motorsport.com 日本版
[かわいい]見た目して超[ホット]!! スズキ[アルトラパンSS]今買うのアリ説
[かわいい]見た目して超[ホット]!! スズキ[アルトラパンSS]今買うのアリ説
ベストカーWeb
追突事故を避ける「2秒ルール」ご存知ですか? あおり運転にならず割り込まれもしない、ほどよい安全な車間距離の保ち方をお教えします
追突事故を避ける「2秒ルール」ご存知ですか? あおり運転にならず割り込まれもしない、ほどよい安全な車間距離の保ち方をお教えします
Auto Messe Web
「足が長くて」スタイリッシュな新型SUVが2024年内に正式発表か!?DSオートモービルズの電動化戦略が新たなステージ
「足が長くて」スタイリッシュな新型SUVが2024年内に正式発表か!?DSオートモービルズの電動化戦略が新たなステージ
Webモーターマガジン
都内の“旧式小型バス大活躍”路線ついに廃止へ 「リエッセ」と運命を共に 西武バス
都内の“旧式小型バス大活躍”路線ついに廃止へ 「リエッセ」と運命を共に 西武バス
乗りものニュース
ディーゼルトラックをEVへ改造、国内初の量産予定車が完成 ヤマトモビリティが発表
ディーゼルトラックをEVへ改造、国内初の量産予定車が完成 ヤマトモビリティが発表
レスポンス
FIAがフロア摩耗に関する取り締まりを強化。フェラーリ、メルセデス等に加え、抜け穴を指摘したレッドブルも修正
FIAがフロア摩耗に関する取り締まりを強化。フェラーリ、メルセデス等に加え、抜け穴を指摘したレッドブルも修正
AUTOSPORT web

みんなのコメント

4件
  • プジョー308SWがありますが、フランス車は眼中になしですか?
  • 比較対象にインプレッサを出すならレヴォーグじゃない?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

363.9485.6万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

9.0670.5万円

中古車を検索
ゴルフ ヴァリアントの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

363.9485.6万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

9.0670.5万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村