現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 貴重なFR V8のビッグクーペ BMW M8 コンペティション・クーペへ試乗 小変更

ここから本文です

貴重なFR V8のビッグクーペ BMW M8 コンペティション・クーペへ試乗 小変更

掲載 19
貴重なFR V8のビッグクーペ BMW M8 コンペティション・クーペへ試乗 小変更

表面的な変更が中心のマイナーチェンジ

BMW M8 コンペティション・クーペは、624psを発揮する4.4L V8ツイン・ターボエンジンを搭載したBMW Mのトップモデル。拡大を続けるMのラインナップにあって、新鮮さを保つべくマイナーチェンジを受けている。

【画像】小変更 BMW M8 コンペティション 貴重なFR+V8エンジンのクーペモデルたち 全125枚

といっても、内容は表面的なものが中心。モデルイヤーのリフレッシュ程度といって良いだろう。

M8 コンペティション・クーペが獲得したものは、新しいフロントバンパーとボディカラー、アルミホイール、装飾トリム類のオプションなど。ダッシュボード上のインフォテインメント用モニターも、ひと回り大きいものへ置き換わっている。

BMWは、7シリーズと8シリーズを真の高級車として受け止めて欲しいと考えている。プレミアムな3シリーズや5シリーズより、大きいサイズのモデルというだけではなく。

つまりM8は、真の高級スポーツカーやグランドツアラーという位置づけ。試乗車の英国価格は、約2万ポンド(約330万円)のオプションが載り15万50ポンド(約2475万円)と、確かにお値段でもアストン マーティン・ヴァンテージに並ぶ。

ベントレー・コンチネンタルGTの領域にも迫る。というわけで、評価のハードルも一段上がることになるのだが。

本物のMとして、もう1歩の詰めが欲しい

マイナーチェンジ後でも、M8の個性や能力に大きな違いは生まれていない。少々辛口な評価だが、スポーツカーとしてもグランドツアラーとしても、もう1歩の詰めが欲しいことに変わりはない。

基本的に、動力性能や加速力はスーパーカー水準に高い。グリップ力も凄まじく、安定性も突出しており、高次元の領域へさほど難しくなく迫ることができる。

4.4LのV8エンジンと8速ATに加えて、76.3kg-mの極太トルクと、四輪駆動システムがその近づきやすさを叶えている。最大トルクは1800rpmから発揮され、6000rpm近くまで持続される。そのエネルギーを、4本のタイヤで受け止める。

8速ATは滑らかに変速を繰り返し、高速域での振る舞いにも感心させられる。だが、みなぎるパワーはさも当然のように自然に発揮される。

エンジンやエグゾーストのサウンドも、不気味なまでに静か。解き放つことを躊躇しているように。

正確な操縦性と予想しやすい挙動には、感心させられる。それでも、小さくないボディサイズと軽くない車重によって、郊外のカーブの続く道を完全には攻略しきれない。運転へ没頭する興奮までには至らない。

数年前にサーキットを走らせた際は、奥深い能力に唸らされた。だが公道の速度域では、Mモデルとしては刺激が抑え気味。本物のMモデルだと考えると、ドライビング体験には一層の訴求力があっていい。

V8エンジンのビッグクーペは貴重な存在

一方で、大きめに車内へ響くロードノイズと硬めの乗り心地で、グランドツアラーとしても点数は稼ぎにくい。快適と感じる範囲にはあるものの、速度域に関わらず、路面をしなやかに処理してくれるとまではいえない。

インテリアは素晴らしい。インフォテインメント・システムの完成度は高く、扱いやすい。シートの掛け心地も素晴らしく、内装素材の質感もハイエンドといえる。ベントレー水準ではないものの、他のBMWとの差は大きい。

決して悪いクルマではないのだが、BMWが誇るべき「M」のエンブレムが与えられたモデルとして、もう少しを求めたくなることは否めない。スポーツカーとしても、グランドツアラーとしても、妥協があるといわざるを得ない。

最新技術のショーケース的役割を担っているのなら、その内容には唸らされる。それでも、古いファンとしては心から愛することが難しい。BMW側も、理想像を描ききれていないのではないだろうか。

そんなBMW M8 コンペティションだが、フロントにV8エンジンを搭載したビッグクーペは、もはやレッドリスト級の貴重な存在。優れた動力性能を備えることも間違いない。可能なうちに味わうのも悪くない、ということは断言できる。

BMW M8 コンペティション・クーペ(英国仕様)のスペック

英国価格:15万50ポンド(約2475万円)
全長:4851mm(8シリーズ・クーペ)
全幅:1902mm(8シリーズ・クーペ)
全高:1346mm(8シリーズ・クーペ)
最高速度:249km/h(リミッター)
0-100km/h加速:3.2秒
燃費:8.8-8.9km/L
CO2排出量:257-260g/km
車両重量:1975kkg
パワートレイン:V型8気筒4395ccツイン・ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:624ps/6000rpm
最大トルク:76.3kg-m/1800-5860rpm
ギアボックス:8速オートマティック

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

名神ICに直結! 「彦根お城トンネル」が12月開通 高速道路から市中心部へ一気にワープ
名神ICに直結! 「彦根お城トンネル」が12月開通 高速道路から市中心部へ一気にワープ
乗りものニュース
ホンダ斬新「オデッセイSUV!?」に大反響! 「V6ワゴン」から進化の“最上級クーペSUV”に「カッコイイ」「モダンな見た目」の声も! 13年ぶりの「アヴァンシア」がスゴイ!
ホンダ斬新「オデッセイSUV!?」に大反響! 「V6ワゴン」から進化の“最上級クーペSUV”に「カッコイイ」「モダンな見た目」の声も! 13年ぶりの「アヴァンシア」がスゴイ!
くるまのニュース
ロバート・クビサ、2025年も3台目のフェラーリ499Pをドライブへ。AFコルセ残留が決定
ロバート・クビサ、2025年も3台目のフェラーリ499Pをドライブへ。AFコルセ残留が決定
AUTOSPORT web
アルファ・ロメオ・トナーレでジュリエッタ乗りに出会う【新米編集長コラム#9】
アルファ・ロメオ・トナーレでジュリエッタ乗りに出会う【新米編集長コラム#9】
AUTOCAR JAPAN
ル・マン優勝のポルシェ「917K」がなんと550万円!? ホンダエンジンを搭載した子供向けジュニアカーの大きさは実車の7割…おもちゃにしては高すぎる!?
ル・マン優勝のポルシェ「917K」がなんと550万円!? ホンダエンジンを搭載した子供向けジュニアカーの大きさは実車の7割…おもちゃにしては高すぎる!?
Auto Messe Web
ライバルかつ僚友のトヨタWRC育成ふたりがラリージャパン初参戦。お互い「負けたくない」と意識
ライバルかつ僚友のトヨタWRC育成ふたりがラリージャパン初参戦。お互い「負けたくない」と意識
AUTOSPORT web
高性能4シーターオープン、メルセデスAMG『CLE 53カブリオレ』発売、価格は1400万円
高性能4シーターオープン、メルセデスAMG『CLE 53カブリオレ』発売、価格は1400万円
レスポンス
【特許画像リーク!】来年デビュー予定の新型「BMW iX3」のリーク画像を入手!コンセプトモデルのほぼそのまま量産される
【特許画像リーク!】来年デビュー予定の新型「BMW iX3」のリーク画像を入手!コンセプトモデルのほぼそのまま量産される
AutoBild Japan
【中国メーカー初受賞】BYDシール 「Euro Car Body 2024」車体構造デザイン部門で第3位
【中国メーカー初受賞】BYDシール 「Euro Car Body 2024」車体構造デザイン部門で第3位
AUTOCAR JAPAN
アルファロメオ『33ストラダーレ』新型、「ベスト・イン・クラシック2024」の最高賞を受賞
アルファロメオ『33ストラダーレ』新型、「ベスト・イン・クラシック2024」の最高賞を受賞
レスポンス
新車77万円! ホンダ革新的「コンパクトカー」に「安くて広くて最高!」の高評価! 全長3.7mで「フィット」より小さい“街乗り最強”モデルとは! デザイン&乗り心地も大満足
新車77万円! ホンダ革新的「コンパクトカー」に「安くて広くて最高!」の高評価! 全長3.7mで「フィット」より小さい“街乗り最強”モデルとは! デザイン&乗り心地も大満足
くるまのニュース
トヨタ新型「最小級SUV」登場か!? 「ヤリスクロス」より小さい“静音モデル”に「カッコいい!」と反響アリ! 「bZ1X」かもしれない新型車に期待大!
トヨタ新型「最小級SUV」登場か!? 「ヤリスクロス」より小さい“静音モデル”に「カッコいい!」と反響アリ! 「bZ1X」かもしれない新型車に期待大!
くるまのニュース
エバンスが0.7秒リードの接戦。トヨタ2台がパンク、ヌービルに“ノーパワー”トラブル/ラリージャパン デイ2午前
エバンスが0.7秒リードの接戦。トヨタ2台がパンク、ヌービルに“ノーパワー”トラブル/ラリージャパン デイ2午前
AUTOSPORT web
ええええぇついに最後か!? 鮮明なボディカラーに思わず見とれる!!!!!!!!! 爆速2Lターボのホットハッチ[AMG A45 S]の魅力度がマシマシ
ええええぇついに最後か!? 鮮明なボディカラーに思わず見とれる!!!!!!!!! 爆速2Lターボのホットハッチ[AMG A45 S]の魅力度がマシマシ
ベストカーWeb
なんちゃってセレブ、ヒョンデ新型「アイオニック5N」の「ファーストエディション」を激オススメ! 限定50台のうち22台が「マガリガワ クラブ」に集合!
なんちゃってセレブ、ヒョンデ新型「アイオニック5N」の「ファーストエディション」を激オススメ! 限定50台のうち22台が「マガリガワ クラブ」に集合!
Auto Messe Web
「ノーマルタイヤで立ち往生」に国交省ブチギレ!?「行政処分の対象です」2年連続で大量発生…「スタックの7割が夏用タイヤ」今年も緊急警告
「ノーマルタイヤで立ち往生」に国交省ブチギレ!?「行政処分の対象です」2年連続で大量発生…「スタックの7割が夏用タイヤ」今年も緊急警告
くるまのニュース
いやあ、クソ暑かったよ! ラスベガスF1初開催を知るエディ・チーバーに訊く。悪名高き“駐車場コース”でのレースは「悪い思い出ではない」
いやあ、クソ暑かったよ! ラスベガスF1初開催を知るエディ・チーバーに訊く。悪名高き“駐車場コース”でのレースは「悪い思い出ではない」
motorsport.com 日本版
「AI EV時代のトヨタ」めざすファラデー・フューチャー、新型EV『FX』最初の試作車が完成
「AI EV時代のトヨタ」めざすファラデー・フューチャー、新型EV『FX』最初の試作車が完成
レスポンス

みんなのコメント

19件
  • BMWもファンが車に詳しくない人ばかりじゃ
    本気でモノ作りする気も失せるだろう。
    グリルも馬鹿でかくなるのもわかる気がしてしまう。
  • トルクを0-100にできるからFR!って言う流れ
    前にも見たな。
    周りに車に詳しい人いないのかな?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村