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貴重なFR V8のビッグクーペ BMW M8 コンペティション・クーペへ試乗 小変更

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貴重なFR V8のビッグクーペ BMW M8 コンペティション・クーペへ試乗 小変更

表面的な変更が中心のマイナーチェンジ

BMW M8 コンペティション・クーペは、624psを発揮する4.4L V8ツイン・ターボエンジンを搭載したBMW Mのトップモデル。拡大を続けるMのラインナップにあって、新鮮さを保つべくマイナーチェンジを受けている。

【画像】小変更 BMW M8 コンペティション 貴重なFR+V8エンジンのクーペモデルたち 全125枚

といっても、内容は表面的なものが中心。モデルイヤーのリフレッシュ程度といって良いだろう。

M8 コンペティション・クーペが獲得したものは、新しいフロントバンパーとボディカラー、アルミホイール、装飾トリム類のオプションなど。ダッシュボード上のインフォテインメント用モニターも、ひと回り大きいものへ置き換わっている。

BMWは、7シリーズと8シリーズを真の高級車として受け止めて欲しいと考えている。プレミアムな3シリーズや5シリーズより、大きいサイズのモデルというだけではなく。

つまりM8は、真の高級スポーツカーやグランドツアラーという位置づけ。試乗車の英国価格は、約2万ポンド(約330万円)のオプションが載り15万50ポンド(約2475万円)と、確かにお値段でもアストン マーティン・ヴァンテージに並ぶ。

ベントレー・コンチネンタルGTの領域にも迫る。というわけで、評価のハードルも一段上がることになるのだが。

本物のMとして、もう1歩の詰めが欲しい

マイナーチェンジ後でも、M8の個性や能力に大きな違いは生まれていない。少々辛口な評価だが、スポーツカーとしてもグランドツアラーとしても、もう1歩の詰めが欲しいことに変わりはない。

基本的に、動力性能や加速力はスーパーカー水準に高い。グリップ力も凄まじく、安定性も突出しており、高次元の領域へさほど難しくなく迫ることができる。

4.4LのV8エンジンと8速ATに加えて、76.3kg-mの極太トルクと、四輪駆動システムがその近づきやすさを叶えている。最大トルクは1800rpmから発揮され、6000rpm近くまで持続される。そのエネルギーを、4本のタイヤで受け止める。

8速ATは滑らかに変速を繰り返し、高速域での振る舞いにも感心させられる。だが、みなぎるパワーはさも当然のように自然に発揮される。

エンジンやエグゾーストのサウンドも、不気味なまでに静か。解き放つことを躊躇しているように。

正確な操縦性と予想しやすい挙動には、感心させられる。それでも、小さくないボディサイズと軽くない車重によって、郊外のカーブの続く道を完全には攻略しきれない。運転へ没頭する興奮までには至らない。

数年前にサーキットを走らせた際は、奥深い能力に唸らされた。だが公道の速度域では、Mモデルとしては刺激が抑え気味。本物のMモデルだと考えると、ドライビング体験には一層の訴求力があっていい。

V8エンジンのビッグクーペは貴重な存在

一方で、大きめに車内へ響くロードノイズと硬めの乗り心地で、グランドツアラーとしても点数は稼ぎにくい。快適と感じる範囲にはあるものの、速度域に関わらず、路面をしなやかに処理してくれるとまではいえない。

インテリアは素晴らしい。インフォテインメント・システムの完成度は高く、扱いやすい。シートの掛け心地も素晴らしく、内装素材の質感もハイエンドといえる。ベントレー水準ではないものの、他のBMWとの差は大きい。

決して悪いクルマではないのだが、BMWが誇るべき「M」のエンブレムが与えられたモデルとして、もう少しを求めたくなることは否めない。スポーツカーとしても、グランドツアラーとしても、妥協があるといわざるを得ない。

最新技術のショーケース的役割を担っているのなら、その内容には唸らされる。それでも、古いファンとしては心から愛することが難しい。BMW側も、理想像を描ききれていないのではないだろうか。

そんなBMW M8 コンペティションだが、フロントにV8エンジンを搭載したビッグクーペは、もはやレッドリスト級の貴重な存在。優れた動力性能を備えることも間違いない。可能なうちに味わうのも悪くない、ということは断言できる。

BMW M8 コンペティション・クーペ(英国仕様)のスペック

英国価格:15万50ポンド(約2475万円)
全長:4851mm(8シリーズ・クーペ)
全幅:1902mm(8シリーズ・クーペ)
全高:1346mm(8シリーズ・クーペ)
最高速度:249km/h(リミッター)
0-100km/h加速:3.2秒
燃費:8.8-8.9km/L
CO2排出量:257-260g/km
車両重量:1975kkg
パワートレイン:V型8気筒4395ccツイン・ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:624ps/6000rpm
最大トルク:76.3kg-m/1800-5860rpm
ギアボックス:8速オートマティック

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みんなのコメント

19件
  • BMWもファンが車に詳しくない人ばかりじゃ
    本気でモノ作りする気も失せるだろう。
    グリルも馬鹿でかくなるのもわかる気がしてしまう。
  • トルクを0-100にできるからFR!って言う流れ
    前にも見たな。
    周りに車に詳しい人いないのかな?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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