■次期型エクストレイルを予想してみた
2020年10月5日、日産の北米法人は新型「ローグ」を同月末に発売することと、価格設定を明らかにしました。これにより日本で登場予定の次期型「エクストレイル」の価格帯がある程度予想できるかもしれません。
現行モデルとの価格差を参考にしつつ、次期型エクストレイルを予想していきます。
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新型ローグは今回のモデルチェンジで3代目となります。初代(J10型)は2007年に登場し、プラットフォームは日本でもかつて販売されていた「デュアリス」と同じものを使用。2代目となる現行モデル(T32型)は2013年から販売されており、日本で販売されている3代目エクストレイル(T32型)の北米向け仕様という位置づけです。
日本市場において、初代(T30型)は、「4人が快適で楽しい、200万円の使える四駆」をコンセプトにてオフロードを重視したSUVとして2000年11月に発売。撥水加工を施したシートや、取り外して洗えるラゲッジボードなど、濡れたものや汚れたものを気兼ねなく載せられるというタフな仕様が、アウトドアレジャーを楽しむ人から支持を得ました。
2代目(T31型)は2007年8月に登場し、初代同様にスクエアを基調としたデザインを採用。アウトドアなどで使われる道具のようなテイストを継承していますが、初代のセンターメーターや樹脂製フェンダーを廃止しています。
2013年12月に登場した3代目となる現行型のエクストレイル(T32型)は、ルノーと共同開発のプラットフォームを採用。
外観では、初代や2代目のスクエアテイストから丸みを帯びたスタイルに大きく変更され、これまでのオフロード志向のデザインから都会派SUVへ路線を変更したほか、ハイブリッド車や7人乗りの3列シート車を設定しました。
2020年10月現在のパワートレイン展開は、2リッターエンジンを搭載するガソリン車とそのエンジンにモーターを組み合わせたハイブリッド車が設定されています。
一方で、北米で発売される新型ローグのパワートレインは現行ローグ(T32型)と同じ2.5リッターエンジンを搭載するガソリン車のみのラインナップです。
また、新型ローグにはさまざまな快適・安全機能を大幅に向上させ、「日産セーフティシールド360」を全車標準装備。
日産セーフティシールド360とは、歩行者検知機能付き自動緊急ブレーキ、ブラインドスポット警報、リアクロストラフィックアラート、車線逸脱警報、ハイビームアシスト、リア自動緊急ブレーキなどの技術を搭載します。
現行ローグは全6グレードで、価格は2万5490ドル(約269万円)から3万3190ドル(約351万円)でした。
一方の新型ローグは全8グレードとなり、2万5650ドル(約270万円)から最上級グレードの「Platina(AWD)」の3万6830ドル(約389万円)です。
安全装備が大幅に刷新されたことから、新型ローグでは価格が上がるのではないかとされていましたが、エントリーグレードの価格はほぼ据え置き、グレード数が拡充した分で価格帯が広くなったことがわかります。
■次期型エクストレイルの性能や価格はどうなる?
新型ローグが2020年10月末に北米市場で発売されることにより、次期型エクストレイルの発売も近づいているといえ、日本での登場は2021年前半と予想されています。
では、日本で発売される次期型エクストレイルはどのような性能・機能かつ価格帯となるのでしょうか。
外観デザインは、新型ローグとほぼ同じデザインが採用されると見られ、現行ローグ(現行エクストレイル)よりも丸みが薄れ、運動性能の高さと高級感を兼ね備えたデザインに変更されています。
フローティングルーフやより大型化したVモーショングリルなど、日産を代表するデザイン要素を進化させるとともに、2段構えのLEDヘッドライト類やU字型のボディサイドハイライトなどにより存在感が増しました。
また、内装では高級SUVのような質感あるデザインや収納スペースの拡大といった基本的な部分は次期型エクストレイルでも採用されるとみて良いでしょう。
また、日産の先進運転支援機能として日本で販売されている現行エクストレイルには「プロパイロット」が採用されています。
プロパイロットとは、単調な「渋滞走行」と長時間の「巡航走行」といった高速道路で負担を感じる場面で、アクセル、ブレーキ、ステアリング操作をクルマがサポートすることで、ドライバーの負担を軽減する機能です。
一方の新型ローグには、新開発の「プロパイロット アシスト ウィズ ナビ-リンク」を採用。次世代レーダー技術とカメラ技術を用いて、よりスムーズなブレーキング、ステアリングアシストのフィーリングの向上、他車が車線に割り込んできた際の検知性能の向上などを実現。
これにより、混雑した通勤時や高速道路での長時間のドライブなどのストレスを軽減するアシストを提供するほか、プロパイロット アシストとナビゲーションマップデータを連動させることで、高速道路のカーブやジャンクションに合わせて車速を積極的に最適化したり、高速道路の出口での減速を支援したりすることができます。
新型エクストレイルでも、現行モデルよりも進化した最新バージョンの先進運転支援機能が搭載されると考えられます。
そして、一番気になるのが次期型エクストレイルの価格帯です。現行モデルは、ガソリン車は「20S(2列・4WD)」の248万2700円から「20Xi レザーエディション(2列・4WD)」の350万3500円。
ハイブリッド車は、「20S HYBRID(2列・4WD)」の288万2000円から「20Xi HYBRID レザーエディション(2列・4WD)」の375万6500円です。
新型ローグのガソリン車が現行ローグやエクストレイルとほぼ変わらないことから、ガソリン車に関しては大きな価格変更はなさそうですが、ハイブリッド車に関しては日産が誇る電動パワートレインのe-POWERを搭載する可能性が高いといえます。
現在、日本ではコンパクトカー「ノート」、コンパクトSUV「キックス」、ミニバン「セレナ」にそれぞれの特性に合わせたe-POWERが搭載されていますが、2020年末には次期型「ノート」が登場するとされており、そこで搭載されるe-POWERは大きく進化した性能を発揮するとされています。
そして、次期型エクストレイルにも新しいe-POWERが搭載される可能性は高いといえ、これまでのハイブリッド車の価格帯を上回るかもしれません。
なお、ノートのガソリン車(X)の155万2100円とe-POWER車(e-POWER X)の205万9200円の価格差が約50万円です。
セレナでは現在ガソリン車が廃止されており、S-HYBRID車(X)の257万6200円とe-POWER車(e-POWER X)の299万7500円の価格差が約42万円となります。
これらを参考にすると、新型ローグのガソリン車が約270万円に設定されることから、日本で次期型エクストレイルにe-POWERを搭載した場合には約320万円からと予想できます。
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