■発売前から話題のトヨタ新型「スープラ」 復活の理由
2002年に生産が終了したトヨタ「スープラ」が、新型モデルにフルモデルチェンジして戻ってきました。2019年3月から開始された新型スープラの予約注文では、直列6気筒3リッターターボエンジンの予定枠が早々に埋まってしまうなど、発売前から話題になっています。
世界に1台のトヨタ新型「スープラ」が2億3000万円 市販モデルの約40倍の価格で落札
17年の時を経て、なぜスープラは復活したのでしょうか。
新型スープラの発表イベントで、GAZOO Racing Company プレジデントの友山茂樹氏は次のようにコメントしました。
「“Supra is back”の裏には、トヨタのかつてのマスタードライバー成瀬と、現在のマスタードライバーであるモリゾウこと社長の豊田のエピソードがあります。
成瀬は不幸にもテスト中の事故で帰らぬ人となりましたが、彼が残した『ドイツメーカーを見てみろ、開発中の新型車でニュルブルクリンクを走っている、それに比べて、トヨタが勝負できるクルマは、中古のスープラしかない』という言葉が忘れられなかったモリゾウは、いつかスープラを復活させることを決意したのです。
成瀬の死から9年目の2018年10月に、ニュルブルクリンクで新型スープラの最終テストを行なったモリゾウは、心の中でこうつぶやきました。『成瀬さん、ついに新型スープラでニュルに来ました…』
このニュルでのテスト走行をきっかけに、レースフィールドへの“Supra is back”が本格的に始動しました」
新型スープラは発売前からレースの世界で活躍しており、米国で開催されているナスカーでは、第2戦・第3戦で連続優勝を飾り、早くもその存在感を示しています。
さらに、2019年6月に開催されるニュルブルクリンク24時間耐久レースや、2020年にはスーパーGTに出場することが決まっています。
また、昨今注目を集めている「eモータースポーツ」において、プレイステーション4用ソフトウェア「グランツーリスモSPORT」で「FIA GTチャンピオンシップ」が立ち上がり、トヨタがオフィシャルパートナーとなって「GR Supra GT Cup」が開催されるなど、リアルでもバーチャルでも盛り上がりを見せています。
「将来クルマは家電のようにコモディティ化するといわれています。そのような状況で、『スポーツカーは儲からない、スポーツカーは売れない』と冷ややかな声があるのも事実ですが、儲からないといってどんどん止めていったら、その先には何が残るのでしょうか。
儲からなければ儲かるようになるまで、売れなければ買ってもらえるようになるまで改善を積み重ねる、それがトヨタの本来の姿ではないでしょうか」(友山氏)
※ ※ ※
17年前に生産が終了してからも、スープラは世界中で愛されてきました。今回のスープラ復活は、トヨタ社長の豊田章男氏と歴代スープラのオーナーや世界中のファンの熱い思いがカタチになった結果といえるでしょう。
なお、歴代スープラのオーナーのニーズに応えるべく、70/80スープラのパーツを復刻させる「GRヘリテージパーツ プロジェクト」が立ち上がることになりました。具体的にどのパーツが対象になるかはこれから明らかになる予定です。
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