■多様化するキャンピングカーと利用層
ここ数年、アウトドアはコア層から一般層に広がりを見せ、「アウトドアブーム」という状態が続いています。そのなかでも、キャンピングカーを使ったキャンプは、依然として、趣味性の高さや維持の問題など一部のユーザーで楽しまれているものでした。
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しかし、最近ではキャンピングカーのレンタルサービスや低価格車両の登場など、多様なニーズに合わせた展開を見せています。
キャンピングカーとは、車中泊を想定した設備が付いているクルマのことを言います。乗車条件や搭載設備の条件などがあり、それらをクリアしたものは特殊用途乗用車(8ナンバー車)となります。ただし、軽自動車をベースとしたクルマのなかには、8ナンバーに該当しないものも存在。最近では、このようなクルマを「軽キャンパー」と呼んでいます。
また、基本的には、普通免許で運転が可能ですが、取得時期によっては準中型免許が必要。所有時の車検費用は、普通車とそれほど違いはありませんが、設備ごとのメンテナンス費用は必要です。
キャンピングカーには、車両形状によりいくつかの種類に分けられます。昔からのイメージと言えるのが「キャブコン」で、トラックやバンに居住スペースを追加させた仕様のものです。居住専用部分が後付されているため、室内も広く、車内で過ごすには快適な反面、トラックベースゆえに取り回し面で苦労することもあります。
次に「バンコン」と言われるタイプは、ミニバンやバンなどをベースに内装を居住空間に改造したものです。ベースがバンタイプのため、限られた空間にベッドやテーブルなどを配置した作りになっています。「キャブコン」より居住性は劣りますが、日常面でも使い勝手が良いです。
牽引する「トレーラー」タイプも存在します。車両重量が750kg以下であれば、牽引免許は必要ありません。動力部分や運転席などがない分、「キャブコン」や「バンコン」に比べ居住性や設備面が充実しています。普段は、クルマと切り離せるため、ON/OFFで分けて使うことができるのも魅力となります。
■キャンピングカーブーム。背景には高齢化要素あり?
上記の「キャブコン」や「バンコン」タイプで、軽ナンバーを装着しているものが「軽キャンパー」です。基本的には、大人2名分の車中泊装備や簡単なキッチンが付いています。
このように、最近では多様化しているキャンピングカーですが、購入以外にもレンタルサービスを展開する業者が増えている部分もキャンピングカーのハードルが低くなっている要因です。
実際にレンタルサービスを展開している業者は、「以前までは、レンタルと言ってもキャブコンか内装種類の少ないバンコンが主流でした。しかし、最近では多機能かつ個性豊かなバンコンや軽キャンパーなど低価格なものもなどが登場しています。
選べる種類が増えたこと、取扱業者が多くなったことなど、ユーザーがさまざまニーズに合ったサービスを選べることなどがキャンピングカーブームに繋がっていると思います」と話します。
レンタルサービスによるユーザー層は広がりましたが、実際に購入する層は増えているのでしょうか。
キャンピングカーのイベントや普及活動などをおこなっている日本RV協会によると、「もともと、2007年の団塊世代定年をきっかけにキャンピングカーは注目されていました。その後、車種タイプの多様化やユーザーニーズの細分化などを経てブームと言えるまでにいたっています。
最近の購入層では、定年退職した人が増えている傾向にあり、その背景には、65歳以上の人口増加やそれにともなう、キャンピングカーを購入できるほどの経済的なバックボーンがある年齢が引き上げられた現象と考えられます」と説明しています。
また、日本RV協会による『購入目的』に関する調査では、「夫婦2人で旅行を楽しむため」が半数を占め、続いて「ペット連れの旅行に最適と判断したため」となっています。一方、子供たちとキャンプや旅行を楽しむツールとして購入したユーザーは減少傾向にあると言います。
今後のキャンピングカーブームについて、日本RV協会は、「キャンピングカーの売上は、2014年から順調に伸びています。また、車両価格別に見ると400万円台のモデルが最多となるほか、オリンピックやインバウンド効果による海外ユーザーによる利用など、今後もキャンピングカー業界は期待が大きな市場と捉えられます」と述べています。
※ ※ ※
増加傾向にあるキャンピングカーユーザー。気軽になりつつある反面、適さない場所での車中泊やトラブルによる「マナー違反」も問題です。前途の日本RV協会では、『マナー ハンドブック』配布や車中泊専用施設『RVパーク』の普及などマナー問題にも取り組んでいます。
安全、安心で気軽な旅行をするためにもルールを守った使い方で楽しいキャンピングカーライフを送りましょう。 【了】
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