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メルセデスSUVの旗艦モデル「GLS」はどう進化? 最新ディーゼルモデルに乗ってみた

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メルセデスSUVの旗艦モデル「GLS」はどう進化? 最新ディーゼルモデルに乗ってみた

■「ラグジュアリーの真髄をまとう、フラッグシップSUV」

 意外だと思われるかもしれないが、メルセデス・ベンツは日本で9車種ものSUVを揃え、国内で展開しているブランドでもっとも多くSUVをラインナップしている。

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 そんな、いまやSUV王国となったメルセデスの頂点に位置するのが「GLS」だ。

 「GL」と名乗っていた2006年から2016年を含めると、3世代目に進化を果たした最新版が、2020年3月に日本に上陸したばかりである。

 先日、大磯プリンスホテルをベースにして、メルセデス・ベンツSUV試乗会が開催された。今回はそんな最新バージョンの「GLS 400d 4MATIC」に乗ってみた。

 AMGライン装着車で全長5220mm×全幅2030mm×全高1825mmと、あいかわらずかなりの巨漢だ。張り出したホイールアーチが足元を引き立てている。

 ただ、大柄で押し出しも強いものの、先代モデルよりも丸みを帯びてオシャレな雰囲気が増した外観は、心なしか従来よりも威圧感が薄れたようにも見える。

 車内空間は相当に広々としていて、エレガントで高級感に満ちたインテリアの仕立ては圧巻だ。さすがは「ラグジュアリーの真髄をまとう、フラッグシップSUV」をコンセプトとするだけのことはある。

 眼前にふたつ並んだ大きなディスプレイや4連のエアコン吹き出し口も目を引く。

 キャプテンシートを備えた2列目はもちろんとして、GLSのポイントはやはり3列目の広さだろう。身長194cmまで対応できる広さを確保したとの言葉どおり、172cmの筆者が座ったぐらいではぜんぜん問題なし。頭上はコブシが縦にひとつ以上のクリアランスがあり、3135mmものホイールベースが効いてニースペースにも余裕がある。

 ヒール段差も十分で、SUVの3列目にありがちな、いわゆる体育座りの姿勢を強いられるようなこともまったくない。ヘッドレストもしっかりとしたものが備えられている。

 従来型に比べても、居心地のよさが引き上げられていることは間違いない。現行型では「GLE」や「GLB」にも3列シート車が設定されたが、これらはあくまでいざというときに備えるためのもの。ガチで3列目を使いたい人にとって、この広さと居住性は頼もしく感じられることだろう。

 3列目にアクセスする際には、スイッチを押すと2列目シート(状況に応じて1列目も)が自動的に動いて適宜スペースができるのでラクに乗り降りできる。所要時間はわずか10秒あまり。同様に2列目と3列目のシートアレンジの大半を電動でおこなえるのもありがたい。

 荷室を最大にすると3列目・2列目シートがキレイに格納されて、2400リットルもの広くてフラットな空間ができる。エアサスにより車高を下げることができるのも、大きな荷物の積み下ろしをするにも助かる。

■2.6トンの重さを感じさせない一体感のある走り

 先に言っておくが、走りの仕上がりも申し分ない。

 試乗したのは、300ps・700Nmを発生する最新の3リッター直列6気筒ディーゼル「OM656型」を搭載する「400d 4MATIC」だが、そのドライバビリティは、現時点で世にあるディーゼルのなかでも最良と思えるほど。静かで振動が小さく吹け上がりもなめらかで、リニアなレスポンスと力強いトルクにより扱いやすい。いたって快適にドライブすることができる。

 足まわりの完成度も上々だ。進化したマウントや電子制御ダンパーを備え、乗員や荷物の重量にかかわらず常に一定の車高を維持するという高性能エアサスは、路面の凹凸をなめるようにいなし、快適な乗り心地を提供してくれる。

 メルセデスらしい正確なハンドリングも、さすがというほかない。

 これほど大きくて重く、重心も高くバネ下の重いクルマが、とてもそうとは思えないほど一体感のある走りは、いままでのSUVの常識を打破するものといえる。重さを感じさせない、というよりも、こんなに重いのにこれほど軽やかに走れることに驚かされるというニュアンスだ。静かで快適で洗練された上質な乗り味に加えて、じつは運転する楽しさまでも持ち合わせている。

 400d 4MATICですらこんなによくできているのに、さらに上級の「580 4MATIC」には、路面の凹凸やカーブの状態に合わせて車体を理想的に支持するアクティブサスペンションが日本初搭載されたというから、いったいどんな走りを見せてくれるのか興味津々だ。一方、試乗車にはオフロードエンジニアリングパッケージが装着されていたのだが、悪路走破性も相当に期待できそう。いずれそれらもぜひ試してみたいところだ。

 今回は短時間の試乗だったので、先進安全運転支援系の装備に関しては、その真価を実感できるほど試せていないものの、ACCの追従性能や、車線を維持するステアリング制御などを試すと、いかに優れたものであるかの片鱗はうかがえた。現時点で最新最良のものが与えられていることには違いない。

 メルセデスSUVラインナップのフラッグシップであり、世にあるSUVの中でも最高峰に位置するGLSの最新モデルに興味を持っている人は少なくないだろうが、全体としては予想を超える素晴らしい完成度であったことをお伝えしておきたい。

 1263万円からという車両価格はそれなりにズシッとくるが、得られるものも間違いなく大きい。

Mercedes-Benz GLS400d 4MATIC

・車両本体価格(消費税込):1263万円
・試乗車オプション込合計価格:1347万6000円
・全長:5220mm
・全幅:2030mm
・全高:1825mm
・ホイールベース:3135mm
・車両重量:2590kg
・エンジン形式:直列6気筒ディーゼルターボ
・排気量:2924cc
・駆動方式:4MATIC(4WD)
・変速機:9速AT
・最高出力:330ps/3600-4200rpm
・最大トルク:700Nm/1200-3200rpm
・燃費(WLTC):10.9km/L
・ブレーキ前/後:Vディスク/ディスク
・タイヤサイズ:前275/45R21、後315/40R21(AMGライン装着車)

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みんなのコメント

8件
  • すげえ、オラオラ感。轢かれたら痛そう。
  • メルセデスは プアマン用のGLAから ある程度リッチマン用のGLSまで 車種をそろえるのはある意味スゴイとは思うが GLSならもう少し高級感が欲しいな この価格ならGクラスに流れる人も多いのでは
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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