現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 一般の乗用車が売れなくなる!? インドのタクシー車両がベース車とは「別の車名」が与えられるワケ

ここから本文です

一般の乗用車が売れなくなる!? インドのタクシー車両がベース車とは「別の車名」が与えられるワケ

掲載 7
一般の乗用車が売れなくなる!? インドのタクシー車両がベース車とは「別の車名」が与えられるワケ

 この記事をまとめると

■海外のタクシー車両事情を解説

メーターと無線ぐらいだと思ってない? 最近タクシー装備の「ハイテク化」がもの凄かった

■インドではあえてベース車両と異なる車名にしているケースが多い

■販売への影響を考慮しているようだ

 インドではタクシー車両とベース車両の名前が異なる!

 インドにおいてスズキの現地子会社である“マルチ・スズキ・インディア社(以下マルチスズキ)”から、“ツアーS”というコンパクトセダンの新型が発売になったことが一部で話題となっている。このツアーSは、インドにおいてスイフトをベースとしたコンパクトセダン“ディザイア”をベースに、タクシー(インドではおもにライドシェア車両として)車両向けに装備などが簡素化されたモデルとなる。

 マルチ・スズキではツアーS以外にも、わかりやすくいえば日本での軽キャブオーバーバンのような存在のEエコベースのツアーV、コンパクトMPV(多目的車)となるエルティガベースのツアーM、そしてワゴンRベースのツアーH3、アルトベースのツアーH1がタクシーなど旅客運送事業向け車両としてラインアップされている。ただ、つい最近インドの首都デリーへ出かけた時に利用したライドシェア会社の車両では、専用車以外にもディザイアやワゴンR、Sプレッソなど個人ユーザー向け車両も使われていたので、厳密にスズキならツアーシリーズ以外を旅客運送事業に使ってはいけないというわけでもないようであった。

 さて、インドではツアーSのように旅客運送事業向け車両として、ベース車両があってもあえて別車名を与えている。筆者の経験ではインドネシアでも、たとえばトヨタの新興国向けコンパクトセダンの“ヴィオス”ベースのタクシー車両には“リモ”という車名が与えられているし、アヴァンザというMPVベースのタクシー車両には“トランスムーバー”という別車名が与えられている。たとえばヴィオスという車名のままタクシーで使われていると、「タクシーでも使われている」として、一般乗用車としてのヴィオスの売れ行きに悪影響を与えてしまうのであえて別車名を与えていると聞いたことがある。

 同じインドネシアでホンダは現地で販売しているコンパクトMPVとなる“モビリオ”を車名そのままにタクシー車両としても販売している。そのため、一般乗用車としてのモビリオの販売状況に少なからず悪影響を与えたとも聞いている。インドでも同様の配慮から、マルチ・スズキは別車名を与えたのかもしれないが、実際は一般販売向け乗用車も少なくともライドシェア車両としては使われているので、あまりその配慮は効果をなしていないのかもしれない。

 韓国では別車名は与えられていない

 日本ではMPVスタイルのトヨタJPNタクシーに法人タクシー車両は一本化されようとしている。JPNタクシーにはまるっきりそっくりなベース車両は存在しないので車名云々は関係ないが、ちなみに香港では“コンフォート・ハイブリッド・タクシー”として販売されている。

 お隣の韓国では、たとえばヒョンデなら“ソナタ・タクシー”、“グレンジャー・タクシー”、起亜でも“K8タクシー”として、別車名は与えられていない。ただ、先日韓国の首都であるソウルを訪れる時に空港からソウル市内までソナタ・タクシーに乗ると、たとえていえば、昭和の時代の大きな家にあったフカフカの革張りのソファのように深く座るとやや上を向くようなどっしりとした後席となっており、かつての日本でのトヨタ・クラウンセダンベースのタクシー専用車両の印象(クラウンのころは一般乗用向けも同じような後席だった)を思い出してしまった。一般乗用車ではいまでは違和感のあるシートとなるので、ヒョンデや起亜のタクシー車両はおそらくタクシー車両専用にあつらえたものと考えられる。

 日本ではかつてクラウンという、まさに日本を代表する高級車がタクシーで使われていた。日本ではタクシー料金は結構高く、ステイタスで乗る人も多かったので、クラウンと言う車名のままでよかったのだろう。いまでも地域によっては黒色のセダンタイプタクシー車両では屋根の行灯が脱着式となっており、ハイヤー代わりに使うことも可能となっている。そもそも、東京都内などで黒タク(黒いタクシー)が当たり前になったのは、ハイヤーも運行する会社が、ハイヤーとして使っていた車両をタクシー車両として再利用していたら、「ハイヤーに乗っているみたいだ」と利用者の間で人気になったことも大きく影響しているようである。

 韓国でも筆者の感覚では日本ほどではないものの、タクシー料金は高いという印象があるようなので、日本と同じ感覚でタクシーを見る人が多く、そのためいまでもセダンタイプの車両が圧倒的に多くなっているように見える(車体色は黒ではないが)。メルセデスベンツもヨーロッパではよくタクシーとして使われているが、タクシー車両専用設計になっていると聞く。

 新興国ではタクシーは中産階級以上の所得の高い層の日常生活の移動手段として定着している(バスや地下鉄は混雑が激しいし、治安面で問題があるため)。地域によって、車名も含めどんなタクシーが走っているかを見て、その地域のタクシーのあり方を考察するのも筆者の海外主張の楽しみとなっている。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

ついに昔の[ダイハツ]が蘇る!? [不祥事]以来変わった[社内の雰囲気]とは
ついに昔の[ダイハツ]が蘇る!? [不祥事]以来変わった[社内の雰囲気]とは
ベストカーWeb
ニューズウィーク誌が選ぶ「2025年最も期待される新型車」にベントレー新型「コンチネンタルGTスピード」が選出されたもっともな理由…とは?
ニューズウィーク誌が選ぶ「2025年最も期待される新型車」にベントレー新型「コンチネンタルGTスピード」が選出されたもっともな理由…とは?
Auto Messe Web
フィアット125周年をイタリアが国をあげて祝福、2つの特別展示会をトリノで開催
フィアット125周年をイタリアが国をあげて祝福、2つの特別展示会をトリノで開催
Webモーターマガジン
「ランクル」兄弟で最もモダンな“250”に試乗! オンロードでもオフロードでも隙がない万能モデルだ。【試乗レビュー】
「ランクル」兄弟で最もモダンな“250”に試乗! オンロードでもオフロードでも隙がない万能モデルだ。【試乗レビュー】
くるくら
「クルマの左寄せ」苦手な人が多い!? よく見えない「左側の車両感覚」をつかむ“カンタンな方法”がスゴい! JAFが推奨する“コツ”ってどんなもの?
「クルマの左寄せ」苦手な人が多い!? よく見えない「左側の車両感覚」をつかむ“カンタンな方法”がスゴい! JAFが推奨する“コツ”ってどんなもの?
くるまのニュース
文化を身近に。BMWが贈る特別イベントに名門ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団が登場!
文化を身近に。BMWが贈る特別イベントに名門ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団が登場!
OPENERS
全長2.5mで新車100万円級! トヨタの「斬新2シーターモデル」がスゴイ! めちゃお手頃サイズなのに「必要にして十分」の“おふたりさま向けマシン”とは
全長2.5mで新車100万円級! トヨタの「斬新2シーターモデル」がスゴイ! めちゃお手頃サイズなのに「必要にして十分」の“おふたりさま向けマシン”とは
くるまのニュース
アルピナの未来、26年「BMW傘下」でどう変わる? 高性能EV&Mモデルとの差別化を考える
アルピナの未来、26年「BMW傘下」でどう変わる? 高性能EV&Mモデルとの差別化を考える
Merkmal
高すぎるよぉ…! 価格が暴落したら買いたいスーパーカー3選
高すぎるよぉ…! 価格が暴落したら買いたいスーパーカー3選
ベストカーWeb
男性が乗って女性にモテるクルマTOP5は? ChatGPTに聞いて出た「ホントかよ!」な答えとは!!
男性が乗って女性にモテるクルマTOP5は? ChatGPTに聞いて出た「ホントかよ!」な答えとは!!
WEB CARTOP
悲喜交々のST-4。「複雑な気分」のENDLESS GR86と「逆に清々しい気持ち」で5連覇を逃した冨林勇佑
悲喜交々のST-4。「複雑な気分」のENDLESS GR86と「逆に清々しい気持ち」で5連覇を逃した冨林勇佑
AUTOSPORT web
光岡、話題の55周年記念車『M55』を市販化、100台限定で808万5000円
光岡、話題の55周年記念車『M55』を市販化、100台限定で808万5000円
レスポンス
「とりあえず増税ね」で50年!? 「世界一高い」自動車諸税&ガソリン税“見直し”正念場 “年収の壁”の向こうの璧
「とりあえず増税ね」で50年!? 「世界一高い」自動車諸税&ガソリン税“見直し”正念場 “年収の壁”の向こうの璧
乗りものニュース
あれぇぇ!? [ノートオーラNISMO]と[シビックRS]を比較してみると意外な結果
あれぇぇ!? [ノートオーラNISMO]と[シビックRS]を比較してみると意外な結果
ベストカーWeb
レゴ、F1全チームをテーマにした製品を2025年1月1日から販売開始。往年の名車ウイリアムズFW14Bなど“オトナ向け”製品も3月に発売
レゴ、F1全チームをテーマにした製品を2025年1月1日から販売開始。往年の名車ウイリアムズFW14Bなど“オトナ向け”製品も3月に発売
motorsport.com 日本版
ホンダが「凄い施設」を初公開! 夢の「全固体電池」実現に一歩前進!? パイロットラインを栃木で披露
ホンダが「凄い施設」を初公開! 夢の「全固体電池」実現に一歩前進!? パイロットラインを栃木で披露
くるまのニュース
ラリージャパン2024がついに走行開始。シェイクダウン1走目の最速はヌービル/WRC日本
ラリージャパン2024がついに走行開始。シェイクダウン1走目の最速はヌービル/WRC日本
AUTOSPORT web
MotoGPマシンデビューの小椋藍選手 初走行の印象は……【MotoGPバルセロナ公式テスト】
MotoGPマシンデビューの小椋藍選手 初走行の印象は……【MotoGPバルセロナ公式テスト】
バイクのニュース

みんなのコメント

7件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

509.9575.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

48.0890.0万円

中古車を検索
クラウンの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

509.9575.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

48.0890.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村