現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 新型クラウンに「エステート」あり!! ライバルを先走りチェック!! 世界の高級ワゴンの実力とは

ここから本文です

新型クラウンに「エステート」あり!! ライバルを先走りチェック!! 世界の高級ワゴンの実力とは

掲載 145
新型クラウンに「エステート」あり!! ライバルを先走りチェック!! 世界の高級ワゴンの実力とは

 2022年7月15日に登場した、新型「クラウン」。従来の高級車路線を踏襲しつつも、4つの異なるボディタイプをラインアップし、これまでとは異なるアプローチでの登場となった。なかでも注目なのが、かつて人気を誇った「エステート」が存在していることだ。

 トヨタはプレスリリースの中で、クラウンエステートを「ラージSUV」と呼んでいるが、全高1620mmという数字はSUVにしては低く、どちらかといえば、ステーションワゴンのリフト版。そうなると、クラウンエステートのライバルは、メルセデスやBMW、アウディなどが戦う高級ワゴンたちとなる。新型クラウンエステートが勝負を挑む、世界の高級ワゴンたちの実力をおさらいしておこう。

新型クラウンに「エステート」あり!! ライバルを先走りチェック!! 世界の高級ワゴンの実力とは

文:吉川賢一
写真:VOLVO、BMW、MercedesBenz、Audi、Porsche、VW、JAGUAR、TOYOTA

欧州では根強い人気がある高級ワゴン

 伸びやかなデザインで登場した、新型「クラウンエステート」。現時点(2022年7月末)価格は未発表だが、クラウンクロスオーバーの価格帯(税込435~640万円)とさほど離れることはないと考えられ、500~700万円程度での販売価格となると予測される。

 新型クラウンエステートのボディサイズは、全長4930mm×全幅1880mm×全高1620mm、ホイールベースは2850mm。おおよそ、レクサスRX(4890×1920×1695mm、ホイールベース2850mm)の全高を75mm下げたサイズ感だ。

 3列シートのマツダ「CX-8」でさえ全長4900mm程だが、新型クラウンエステートはそれよりも長い。全長が近しい輸入車だと、GLEやX5、Q6といった海外高級SUVとなるが、いずれも全高1770~1800mmと、新型クラウンエステートよりも150mm以上高い。それらを考慮すると、トヨタが「ラージSUV」といえども、直接的なライバルは、旧来のクラウンエステートと同じく、高級ワゴンといえそうだ。

 国産車では、「高級ステーションワゴン」とよべるモデルは、現時点、新型クラウンエステート以外は存在しないが、欧州では昔から根強い需要があり、その人気に支えられる形で、新型車が続々と登場している。

ボディサイズ全長4930mm×全幅1880mm×全高1620mm、ホイールベースは2850mm、「長くて背が低いSUV」の新型クラウンエステート。比較的全高が低いSUVのレクサス新型RXと比べても、75mmも全高が低い

高級ワゴンに強いボルボのフラッグシップ「V90」

 高級ワゴンに強いメーカーである「ボルボ」。その最新のフラッグシップステーションワゴンが「V90」であり、48Vハイブリッドモデル(税込884万円)と、プラグインハイブリッド「リチャージ」(税込1079万円)をラインアップする。全長4945mm×全幅1880mm×全高1475mm、ホイールベース2940mmの5人乗りであり、後席は圧巻の居住性だ。

 ドイツ御三家のワゴンとはやや毛色が異なり、北欧ならではのシンプルかつモダンなスカンジナビアデザインは、細部までセンスよくつくりこまれている印象。矢のようにかっ飛ばすドイツ車とは違い、ゆったり走ってこそ味わえるよさを享受できる、「優雅」というフレーズがよく似合うステーションワゴンだ。

「ドイツ製の超速ワゴン」メルセデスベンツEクラス ステーションワゴン オールテレイン

 日本市場で2016年にデビューしたS213 系メルセデスEクラス ステーションワゴン。最新型は2020年9月にマイナーチェンジをした後期型モデルだ。全長4950mm×全幅1850mm×全高1465mm、ホイールベース2940mmの5人乗りワゴンだが、最小回転半径はなんと5.5m。全長5m弱のこのカテゴリでは脅威に値する小回り性能だ。

 ラインアップは、E200(税込857万円)、E220d(税込882万円)、E300(税込1009万円)、E450 4MATIC(税込1273万円)、AMG E 53 4MATIC+(税込1366万円)と選択肢が多く、新型クラウンエステートほどではないが、Eクラスワゴンの最低地上高を25mm上げたオールテレインも用意されている。インテリアも最新のデジタル液晶メーターや車内イルミネーションなど、テクノロジーと華やかさが共存。なかでも、最高出力435psの3L直6ターボを備えるAMGモデルは、モード切替によって、ジェントルにもアグレッシブにもなる、「ドイツ製の超速ワゴン」の代表車だ。

「快速エリート」BMW 5シリーズ ツーリング

 BMW 5シリーズ ツーリングの現行モデルは、2017年に日本導入されたG31系で、2020年9月にマイチェンされたのが最新型となる。全長4975 mm×全幅1870 mm×全高1500 mm、ホイールベース2975mmで、5人乗りワゴンという構成は、前述のメルセデスEクラス ステーションワゴンとほぼ同じだ。

 ラインアップは、523iツーリング(税込853万円)、523d Xdrive ツーリング(税込863万円)、540i Xdriveツーリング(税込1181万円)。リア周りが大きく、重たくなっていることで回頭性の良さは若干スポイルされているが、「快速エリート」なワゴンには変わりない。直線的なデザインを多用したシャープなインテリアは、メルセデスほどの派手さがない分、好感が持てる方も多いようだ。

名門ジャガーがつくるステーションワゴン「XFスポーツブレイク」

 2017年に登場した、ジャガーのプレミアムステーションワゴン「XF スポーツブレイク」。全長4975mm×全幅1880×全高1495mm、ホイールベース2960mm、という立派なボディサイズで、同社のフラッグシップワゴンとして君臨するモデルだ。2020年代の半ばを目途にピュアEVラグジュアリーブランドとして生まれ変わると宣言しているジャガーにとっては、重要な位置づけのモデルであり、大型液晶メーターやセンターにある大型液晶パネルなど、先進的なインテリアを持つ。

 現在、国内のランアップにあるのは、スタンダードモデルのXF(税込738万円)と、R-DYNAMIC(834万円)。名門ジャガーのワゴンとして、新型クラウンエステートとは、よきライバルとなるだろう。

老若男女が受け入れやすい「緩さ」がワゴンの長所

 5m近い全長のために小回りがきかないなど、ワゴンには不便なところも多い。にもかかわらず、海外で高級ワゴンの需要が高いのには、メーカーを代表するフラッグシップセダンのような存在とは異なり、ワゴンには、老若男女が受け入れやすい「緩さ」があるためだと、筆者は考える。

 新型クラウンエステートが、どのようなインテリアをもち、どのようなパッケージングがなされているのかは現時点わからないが、おそらく、後席の広さや快適さ、使い勝手の良さは、ライバルとなる他社車に劣らぬ性能を持ち合わせていることだろう。日本のクラウンエステートが、世界の高級ワゴンたちとどんな戦いをみせてくれるのか、発売が楽しみだ。

こんな記事も読まれています

【角田裕毅F1第22戦展望】ファクトリーと現場の連携で活きたレッドブル製リヤサスペンション。改善の継続が7番手に繋がる
【角田裕毅F1第22戦展望】ファクトリーと現場の連携で活きたレッドブル製リヤサスペンション。改善の継続が7番手に繋がる
AUTOSPORT web
エバンスとの実質的な一騎打ちもタナクはトップ譲らず。ヌービルは7番手に挽回【ラリージャパン デイ3】
エバンスとの実質的な一騎打ちもタナクはトップ譲らず。ヌービルは7番手に挽回【ラリージャパン デイ3】
AUTOSPORT web
メルセデス・ベンツCLE 詳細データテスト 快適で上質な走りが身上 動力性能と燃費効率はほどほど
メルセデス・ベンツCLE 詳細データテスト 快適で上質な走りが身上 動力性能と燃費効率はほどほど
AUTOCAR JAPAN
WRCラリージャパンSS12恵那での車両進入事案について実行委員会が声明。被害届を提出へ
WRCラリージャパンSS12恵那での車両進入事案について実行委員会が声明。被害届を提出へ
AUTOSPORT web
2024年も記録保持中!? カローラ ロードスター…… ギネスブックに登録された「日本のクルマの世界一」【10年前の再録記事プレイバック】
2024年も記録保持中!? カローラ ロードスター…… ギネスブックに登録された「日本のクルマの世界一」【10年前の再録記事プレイバック】
ベストカーWeb
80年代バブル期に日本で人気だったMG「ミジェット」に試乗! 英国ライトウェイトスポーツの代表格はいまもビギナーにオススメです【旧車ソムリエ】
80年代バブル期に日本で人気だったMG「ミジェット」に試乗! 英国ライトウェイトスポーツの代表格はいまもビギナーにオススメです【旧車ソムリエ】
Auto Messe Web
【正式結果】2024年F1第22戦ラスベガスGP予選
【正式結果】2024年F1第22戦ラスベガスGP予選
AUTOSPORT web
角田裕毅が予選7番手「大満足。アップグレードへの理解が改善につながった」努力が報われたとチームも喜ぶ/F1第22戦
角田裕毅が予選7番手「大満足。アップグレードへの理解が改善につながった」努力が報われたとチームも喜ぶ/F1第22戦
AUTOSPORT web
勝田貴元、木にスピンヒットも間一髪「メンタル的に難しい一日。明日はタイトル獲得を最優先」/ラリージャパン デイ3
勝田貴元、木にスピンヒットも間一髪「メンタル的に難しい一日。明日はタイトル獲得を最優先」/ラリージャパン デイ3
AUTOSPORT web
クラッシュで50Gを超える衝撃を受けたコラピント。決勝レースの出場可否は再検査後に判断へ/F1第22戦
クラッシュで50Gを超える衝撃を受けたコラピント。決勝レースの出場可否は再検査後に判断へ/F1第22戦
AUTOSPORT web
胸を打つ「上質な走り」 アウディQ6 e-トロン・クワトロへ試乗 優秀なシャシーを味わえる388ps!
胸を打つ「上質な走り」 アウディQ6 e-トロン・クワトロへ試乗 優秀なシャシーを味わえる388ps!
AUTOCAR JAPAN
オーテック&ニスモ車が大集合!「AOG湘南里帰りミーティング2024」で見た「超レア車5台」と「中古車で狙いたいクルマ5台」を紹介します
オーテック&ニスモ車が大集合!「AOG湘南里帰りミーティング2024」で見た「超レア車5台」と「中古車で狙いたいクルマ5台」を紹介します
Auto Messe Web
なぜ潰れた? 名車と振り返る「消滅した自動車メーカー」 32選 後編
なぜ潰れた? 名車と振り返る「消滅した自動車メーカー」 32選 後編
AUTOCAR JAPAN
ラリージャパン3日目、SS12がキャンセル…一般車両が検問を突破しコース内へ進入、実行委員会は理解呼びかけると共に被害届を提出予定
ラリージャパン3日目、SS12がキャンセル…一般車両が検問を突破しコース内へ進入、実行委員会は理解呼びかけると共に被害届を提出予定
レスポンス
【F1第22戦予選の要点】苦戦予想を覆すアタック。ラッセルとガスリーが見せた2つのサプライズ
【F1第22戦予選の要点】苦戦予想を覆すアタック。ラッセルとガスリーが見せた2つのサプライズ
AUTOSPORT web
なぜ潰れた? 名車と振り返る「消滅した自動車メーカー」 32選 前編
なぜ潰れた? 名車と振り返る「消滅した自動車メーカー」 32選 前編
AUTOCAR JAPAN
NASCARの2024シーズン終了! 日本からスポット参戦した「Hattori Racing Enterprises」の今季の結果は…?
NASCARの2024シーズン終了! 日本からスポット参戦した「Hattori Racing Enterprises」の今季の結果は…?
Auto Messe Web
ジャガーEタイプ S1(2) スタイリングにもメカニズムにも魅了! 人生へ大きな影響を与えた1台
ジャガーEタイプ S1(2) スタイリングにもメカニズムにも魅了! 人生へ大きな影響を与えた1台
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

145件
  • エステートとは土地不動産という意味だが、どういう意味合いで使っているのだろう?
  • 世界的には分からないが、国内では売れないと思う。車体サイズが国内向けでは無いし旧クラウンからの乗り換えでは大きくなりすぎて購入候補にも入らないのではないかと。スバルの最終型レガシィと同じ事になりそう。旧規格の道路や駐車場では大きすぎる。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

372.8441.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

32.0288.0万円

中古車を検索
クラウンエステートの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

372.8441.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

32.0288.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村