2006年はアルファロメオにとって「豊作」だったと言えるだろう。ブレラ、159と続いて、さらにアルファ スパイダーのデビューとほぼ時を同じくして、159SW(スポーツワゴン)も登場しているのだから。159SWは、156時代と同様、ワゴンボディでもスタイリッシュさと個性を保っているのが印象的だった。アルファ スパイダーとあわせて開催された国際試乗会の模様から、このモデルの魅力を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2006年8月号より)
最大のニュースはラゲッジスペースの拡大
イタリア・シシリー島で対面したアルファ159スポーツワゴン(以下SW)は既視感を伴っていた。それはボディをセダンと同寸とし、Dピラーを適度に寝かせスタイリング最優先とした先代アルファ156SWの手法を継承しているからである。
【くるま問答】交通取締りで警察官がする質問「過去1年以内に違反をしたことは?」の意図とは!
リアクオーターウインドウなどは156SWから流用しているのでは、と思ってしまうほど酷似している。今回のジウジアーロとチェントロ・スティーレのコラボレーションは、156SWのフェイスリフトも手がけていただけに「SWらしさ」をキッチリと受け継いでいるのだ。
159SWの最大のニュースは何と言ってもラゲッジスペースの拡大だろう。先代の156SWはスタイリング優先のあまり、通常ではセダンより20L少ない360Lしかなかった。それが今回、ボディがひと回り大きくなったことによって、セダンより40L大きい445Lを実現し、さらにリアシートを倒せば1235Lも可能にしている。
この数値はアウディA4アバントの442/1184Lをわずかながら上回るもの。とは言えBMW3ツーリングの460/1385LやメルセデスCステーションワゴンの470/1355Lには及ばず、ようやくセグメントの平均レベルに達したと見るべきかもしれない。
実際、ゲートを開けて見れば、156SWに比べ幅も奥行きも広がっているのは十分わかる。159SWはスタイリングの良さはそのままに、ワゴン本来の機能を手にした。
運転席に収まると159セダンと変わりない風景が広がる。スロットキーやスターターボタン、オプションのポルトローナフラウ製のレザーシート、使いにくい頭上のリアゲートのオープナースイッチなどセダンそのもの。60対40に分割可倒のバック部を持つリアシートも同様で、その後方のトノカバーと空間で初めてSWを感じさせる。このセダン感覚でワゴンを楽しめるのがアルファ流SWの良さである。
2.2がセレスピード、3.2がATで日本導入
走りはセダンの延長線上にあると言っていい。カチッとしたボディが可能にしたシャープな走り味と言う点においてである。例のプレミアムシャシを手にしてからのアルファの走りは一変した。
それまでのステアリングのレスポンス重視から、しなやかさを伴いながらの安定したコーナリングに変換したのだ。これを「アルファらしさがなくなった」と見る向きもあるが、クルマとしてのポテンシャルは確実にアップしている。
セダンとの大きな違いは走行中にリアの空間の存在を意識することだ。156SWはそれをほとんど感じさせなかったが、空間が拡大した159SWはその感が強い。
その走りにおいて、セダンとほとんど変わりなく感じたのは3.2 V6 Q4の方だった。車重がそれなりにあってほとんど変わらないことに加え、トルセンCデフを用いた4WDということも手伝っているに違いない。SWであることを忘れさせるほどに、トルクにものを言わせて豪快な走りを引き出せる。
対して、2.2のFFの方はセダンと比べてリアの落ち着きが若干足りない感じだった。とは言え、コーナリング中の大きなギャップの乗り越えなどに対しての話で、通常の走りにおいては問題ない。このあたりはリアに荷物を搭載した際のバランスを考慮しているのだろう。
訊けばセダンとの違いは、SW全車、リアのスプリングを強化しているのみとのこと。2.2はセダンより50kgほど車重が増えているだけに、その違いが表われていたのかもしれない。
アルファ159SWが日本に入ってくるのは来年2007年初め。全車右ハンドル仕様で、2.2JTSがセレスピード、3.2 V6 Q4が6速ATとなる予定だ。2.2のセレスピードは6速MTをベースに油圧でクラッチを繋ぐのだが、1&2速がローギアで3速との差が大きいだけにシティモードに若干の不安が残る。マニュアル操作すればカバーできるだろうが、AT的な使い方ではギクシャク感が拭えないかもしれない。このあたりはマニエッティマレリーの仕上げに期待したい。
また、3.2 V6 Q4の6速ATはこの6月にアルファ159ディーゼルに先行搭載されているアイシンAW製で、アルファでは「Qトロニック」と呼ぶもの。Dレンジからシフトを操作してシーケンシャルモードに切り替えられるタイプで、Q4システムと組み合わさるからオールマイティに使えそうだ。
イタリアでの159SWはセダンの1500ユーロ(約22.5万円)高に設定されている。日本仕様はセレスピードやATなど装備の違いもあるから一概には言えないとしても、2.2JTSが400万円台半ば、3.2 V6 Q4が500万円台後半あたりになると予想される。ライバルであるアウディA4アバントよりは確実にリーズナブルになるはずだ。このアルファ流のスタイリングを身につけた159SWは、Dセグメントワゴンに新たな風を吹き込むのは間違いない。(文:河原良雄/Motor Magazine 2006年8月号より)
アルファロメオ アルファ159SW 2.2JTS 主要諸元
●全長×全幅×全高:4660×1828×1425mm
●ホイールベース:2700mm
●車両重量:1540kg
●エンジン:直4DOHC
●排気量:2198cc
●最高出力:185ps/6500pm
●最大トルク:230Nm/4500pm
●トランスミッション:6速MT
●駆動方式:FF
※欧州仕様
アルファロメオ アルファ159SW 3.2 V6 Q4 主要諸元
●全長×全幅×全高:4660×1828×1425mm
●ホイールベース:2700mm
●車両重量:1730kg
●エンジン:V6DOHC
●排気量:3195cc
●最高出力:260ps/6200pm
●最大トルク:322Nm/4500pm
●トランスミッション:6速MT
●駆動方式:4WD
※欧州仕様
[ アルバム : アルファロメオ アルファ159SW はオリジナルサイトでご覧ください ]
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
トヨタの「“5人乗り”軽トラ」公開!? “2階建て”で「4人寝られる」! “レトロ”デザインの「レジストロ」登場
スズキ「“大きな”軽トラ」公開! もはや「走るタワマン」な超“快適スペース”がスゴい! 本気で「車中泊」追求した“めちゃ広い仕様”が登場!
トヨタ「新型“2階建て”ハイエース」初公開! 超「オシャ」内装で「4人」寝られる! 「トラベローグ“エアロフト”」披露
スバル新型「FRクーペ」発表! MT車“強化”でめちゃ楽しそう! 水平対向エンジン搭載の「BRZ」が販売店でも話題に
国道4号で「道路陥没」発生!?「すごい渋滞してる」車線規制で復旧作業中 25日未明の発生から一夜明け 越谷
6月販売ランキング、NーBOX首位返り咲き!ダイハツ・タント3位に浮上!(24年6月の全乗用車 国内販売登録ランキングTOP20とブランド別販売台数 )
なぜ「軽で白ナンバー」付けられた? 100万台装着のオリンピックナンバーの現状は? 9割が軽も「万博ナンバー」では変化あり?
【ジャパンタクシーにも台数負け】マツダ渾身の「CX-60」今年大苦戦のワケ。切り札はあるか?
名古屋~高崎が最短ルートに!? 長野の“山岳地帯”つらぬく新高速道路「上田諏訪連絡道路」のすごさとは 「地味に遠回り」解消図る超短絡路
政府主導で一気に「EV化」を促進した中国! やはり「電力不足」などの問題が発生していた
みんなのコメント
不格好