新しいポルシェ「カイエンGTS」に、島下泰久が試乗した。オンロード性能を極めた最新SUVのリポートを綴る。
GTSの価値
昨年、大幅な改良を受けて登場した新型カイエンの日本仕様では、先代にあった最強モデルのターボGTの設定が見送られた。よってラインナップの最高峰はシステム最高出力739psを誇るカイエンターボEハイブリッドということになった。
では、非ハイブリッドでもっとも高いパフォーマンスを誇るモデルはと言えば、遅れて追加されたカイエンGTSとなる。そのエンジンはお馴染みのV型8気筒4.0リッターツインターボで、最高出力は500ps、最大トルクは650Nmを発生する。0~100km/h加速タイムは4.4秒である。改良前のモデルでは460ps、620Nmというスペックで、0~100km/h加速は4.5秒とされていたから、確かにしっかり速くなっている。
気になるのは、むしろカイエンSとの関係だ。実は現行モデルではカイエンSのエンジンも従来のV型6気筒2.9リッターツインターボから、基本は一緒のV型8気筒4.0リッターツインターボへと改められている。そちらのスペックは474ps、600Nm。0~100km/hは4.7秒と十分に強力で、数値上の差は決して大きくはないのだ。
ではGTSの価値は一体何か。それは、これまで通りオンロード性能により特化したフットワークと、スポーティなルックスということになる。
そもそもベースのカイエン自体、昨年の改良の際に4灯式のモチーフを使った新デザインのマトリックスヘッドライトの採用などによってグンと精悍になったルックスを手に入れている。その上でGTSはフロント開口部の拡大、ダークティンテッド化された前後のライトまわり、各部のハイグロスブラック仕上げなどによって、装いは一層スポーティになった。
意外なのは、ホイールアーチエクステンション、サイドスカートといった従来はボディ同色だった部分が、今回敢えてブラック化されている点だ。もちろん、それはオフロードテイストにしたいわけではなく、まさに各部をブラックでまとめたGTSのキャラクターを、一層強調したいということなのだろう。もちろん、オプションでボディ同色を選ぶことも可能である。
タイヤサイズも注目だ。カイエンGTSが装着しているのはフロントが285/45ZR21、リアが315/40ZR21。これ、改良前のモデルではフロントが285/40ZR21、リアが315/35ZR21だった。新型は外径が若干大きくなっていて、これが足元を一層力強く見せているというわけだ。
やはり先般の改良時にフードレスのメーターデザインが採用されるなど大きく刷新されたインテリアも、やはりGTSの定番と言えるテイストでまとめられている。全体のコーディネートはもちろんブラック基調。360mm径のステアリングホイールはバックスキン調の合成皮革であるRace-Tex巻きとされ、サポート性を強めたGTSスポーツシートも標準とされる。
レスポンス良好パワートレインは前述の通り。一方でシャシーも、細かい部分まで手が入れられている。一番のハイライトはターボGTから流用されたフロントアクスルピボットベアリング。これによりネガティブキャンバーが他グレードより0.58度大きくなっているという。狙いは、オンロードでのフットワークの良さである。サスペンションは10mmローダウンの専用品で、2チャンバータイプとされたアダプティブサスペンション、PASM、PTV Plusなどが標準装備される。試乗車は、更にリヤアクスルステアリング、可変スタビライザーのPDCCまでフル装備されていた。
試乗したのはドイツ・シュトゥットガルト近郊で、軽いワインディングロードもアウトバーンも試すことができた。まず動力性能は、速度域の高い環境で乗っても十分以上の余裕を感じさせた。感心させられたのは、絶対的な速さよりもほしいときにほしいだけの力をすぐに発揮できるレスポンスの良さで、コーナー立ち上がりから高速道路の導入までストレス知らず。しかも、そこに硬質なV8サウンドが伴うのだから、どんなシチュエーションでも快感に浸ることができる。
フットワークも、やはり小気味良いレスポンスが際立つ。決して過敏なわけではない。あらゆる操作に即座に反応し正確は反応が返ってくる、極上の一体感を味わわせてくれるのだ。拡大されたネガティブキャンバーの効果も、きっと小さくないのだろう。とりわけSPORTモードでの狙ったラインにぴたりと乗せられるターンインには、惚れ惚れさせられた。
しかも乗り心地だって悪くない。いや、積極的に良いと評せるものだ。これは新しいエアサスペンション、エアボリュームの増したタイヤ、そしてそれらの見事な調律ぶりの相乗効果と言えるだろう。
最新のカイエンGTSは、これぞGTSという走りを、しっかりとアップデートされたかたちで味わわせてくれた。ターボGTや素のターボが無くても、これなら寂しさは無い。
先日ポルシェは、BEV(バッテリー式電気自動車)化される次期型カイエンの開発が順調に進んでいること、そして同時に、PHEVや内燃エンジン車についても引き続き力を入れていくことをアナウンスした。BEVも楽しみではあるが、こうした内燃エンジンのポルシェならではの、まさに打てば響くようなスポーティさ、今後もまだまだ味わい続けることができそうなのは嬉しい。
文・島下泰久 編集・稲垣邦康(GQ)
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