人の手が入っていない山奥は虫対策が重要
いつになく雪解けが早かった2023年。いつもならジムニーですら辿り着けない積雪が4月の頭まで続くが、今年は3月に入った時点で雪がほぼ残っておらず作業を再開できた。ただし春の訪れが早かったということは、虫が発生する時期も早くなってしまう。何十年と人の手が入っていなかったおかげで、自分たちの秘密基地は虫対策が永遠のテーマだ。
人が外に出たくなる春は虫も活性化! アウトドアの強敵「蚊・蜂・ブヨ」などの対策とは
ゴールデンウィークにはヤマビルが活動をはじめ、夏になればさまざまな種類のアブやハチが飛び交い、秋は最大の敵であるカメムシが大量に出てくる。自然のなかに虫がいるのは当たり前の話であり、市街地と同じ環境を求めるわけではないが、快適さを維持するには減らす努力が不可欠。というわけで実際に使って効果が大きかった、防虫グッズと対策の数々を紹介してみたい。
窓やドアなどの隙間から侵入しないようガード
まずはログハウスへの侵入を物理的にガードする、各種の隙間テープおよび目の細かいメッシュ網だ。隙間テープはポリウレタンやスポンジなどさまざまな素材があり、機密性が高まることで防虫だけでなく寒さ対策にも効果的。
ログハウスは窓すべてと倉庫やトイレを含むドアに貼り付け、開閉しない換気口にはメッシュの網を重ねて湿気や臭気は篭らせず、小さな虫が入り込んでくるルートをひとつひとつ潰していった。
もうひとつは網戸。昨年の夏ごろ一緒に作業している仲間とログハウスに泊まり、朝に常夜灯として使っていたLEDランタンの表面を見ると、体長が1mmもないような羽虫が無数にこびり付いている。網戸の近くに吊るしていたランタンほど多く、網戸の目をくぐり抜けて侵入すると判断した。
そこで一般的な18メッシュ(1mm目)から、市販の30メッシュ(0.67mm目)に張り替え。以降は小さな虫がランタンに付くことがなく、視界や通気性は従来と変わらないように思える。
そして不倶戴天の敵であるカメムシ。隙間テープなどである程度の対策はしたものの、わずか2mmの隙間があれば侵入するとのことで、なかなか根絶させることができないでいた。
そこで活発に動き始める9月の下旬からは窓やドアの周囲に2週間おきに外から忌避剤をスプレー、さらに屋内はすべての窓にカメムシが苦手とする匂いを放つ袋入りの忌避剤を吊るしてみた。ココまでやっても決してゼロにはならないが、屋内で見る回数は確実に減ったと思われる。なおカメムシの天敵としてはカマキリやクモが有名らしく、これらを利用して生息数そのものを減らせないかと思案中だ。
虫除けに有効な忌避剤を使う
野外で活動するとき欠かせないのは各種の虫除けで、とくに効くのはキャンパーならお馴染みの「パワー森林香」だ。以前は在庫している店舗が少なく購入のハードルが高かったものの、最近は需要が増えホームセンターでも見かけるようになってきた。
なお表記されている対象は蚊ではなく「ユスリカ、チョウバエ、アブ」となっているが、実際に使ってみた感想として蚊はもちろん、ほとんどの虫に強い効果があるように思える。
もうひとつ愛用しているのはアメリカで買う超強力な忌避剤で、強力かつ持続も長い「ディート」を使っている。日本では製剤できる上限は濃度30%までだが、海外には80%を軽く上まわる製品も存在する。
もっとも重宝するのは薮をかき分けて進むようなときで、コレを使うようになってからヤマビルによる被害は皆無だ。強力すぎて安全性が気になる人もいるかもしれないが、訴訟大国であるアメリカで普通に販売されている商品。自分は大量かつ毎日のように使わなければ大丈夫と判断し、山遊びを始めるずっと前から登山やキャンプで使っている。
* * *
環境が環境なだけに根絶は不可能だが、害虫を減らす努力と工夫は欠かさない。建物への侵入を防ぐ隙間テープや目の細かい網戸、そして屋外での安全な活動で役立つ各種の忌避剤などがオススメだ。ゴールデンウイークを過ぎると虫の動きもより活発になるので、また何か違う対策やアイテムが見つかればあらためて報告したい。
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